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日本の雇用の敵は「経済合理性」ではなく「封建主義」ではないのか?NEWSWEEK
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/557.html
投稿者 gikou89 日時 2012 年 4 月 06 日 00:14:03: xbuVR8gI6Txyk
 

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2012/04/post-420.php

日本の公務員組合は、既得権を守られた集団ということで批判の対象になることが多くなりました。一方で、多くの民間企業にも組合はありますが、業績が不振だとか、国際競争に負けたという経営側の説明に対して戦うことはまずないわけで、こちらの方も存在意義が問われても仕方がないのかもしれません。

 また、現在のように消費者に全能の立場が与えられている社会では、交通機関などがストライキを行うことは社会的支持を得るのは難しいとも言えます。国家公務員へのスト権付与が検討されているのも、世論を恐れて行使できないだろうという計算を含めた動きとも言えます。

 こうした雰囲気を受けて、労働者の権利というのは幻想だという理解が広がっています。例えば若者が良く「ブラック企業」という言い方をしますが、具体的には労働基準法の違反が行われている場合が多いのだと思います。

 ですが、労働基準監督署が摘発したり、被害者が訴訟して勝ったり、あるいは組合が立ち上がったりして是正がされることは「ないだろう」という理解がそこには伴っています。「ブラック」に入ってしまって健康を害しては損だから、できるだけ避けようという自衛を講ずるしかない、この「ブラック」という言い方、そしてほとんどが匿名で行われるコソコソした「悪い噂」にはそうした諦めを伴っているように見えます。

 こうした風潮は、何も若者が脆弱化したとか騙されやすくなった、あるいは法律や社会制度への知識が欠けているから起きているのではないようです。長引く不況と、負け続ける国際競争の中で、人件費はコストであり、コストが過大になれば地方自治体も民間企業も破綻して、結局は雇用が失われるわけであり、どこにも打ち出の小槌はないのだという諦めにも似た理解がそこにはあるようです。

 例えば、労働者を保護しようという趣旨で法律を「いじって」も、例えば契約社員を5年経ったら正社員にせよという法律は結局は「契約社員は満5年の直前でクビ」という運用を増加させるだけと予想されるわけです。このように、言葉だけは立派でも現場を知らない人間が設計した制度では、労働者の利益には全くならないわけです。こうした表面的な法改正も、閉塞感を増すだけの結果に終わっています。

 では、結局はこの世は弱肉共食であり、運が悪く立ち回りの下手な労働者は過労死に追い込まれても仕方がないのでしょうか? 結果的に戦後日本の輸出立国とか「総中流」というのは、一時的に成功したバブルのようなものであって、競争力が失われ人口減のジェットコースターが内需を引き連れて谷底へ向かう中では、結局は女工哀史的なものが再発する形で貧富の格差が広まるのはどうしようもないのでしょうか?

 2つの問題提起をしたいと思います。

 1つ目は、アメリカやヨーロッパでは、国内向けの定形仕事で食べてゆく仕組みが守られているという事実です。まず大原則として「高待遇の仕事は実力主義であり一切保護されない」一方で「定型業務は9時5時仕事で家庭生活と両立。身分も組合に守られている」というバランスがあります。更に言えば、定形仕事であっても運輸業など「人の命を預かる仕事」には「ちゃんと生活できる給料を払わないと安全は確保できない」という一種の常識も残っています。

 勿論、公務員にしても民間にしても、定形仕事の身分が保証されているというのはコスト高になります。アメリカの場合ですと、自動車産業の組合員などは余りにも高コストだということで、会社の再編と共に既得権も取り上げられることになりました。地方の財政破綻のために、公務員や教員に対するレイオフは今でも続いています。全体に欧米でも労働者の権利は徐々に削られる方向にあるのは事実です。

 ですが、物事の順序として「高給の管理職はいつでもクビになる可能性があるが、非管理職の組合員は身分を保護されている」あるいは「成果主義の管理職は早朝出勤も海外出張もするが、定形仕事の非管理職は家庭との両立が可能」というバランスはまだ残っているのです。日本の場合は、これがまだ逆転しており、高給の終身雇用契約者の身分は保護され、定型業務の方は権利も保護もドンドン切り崩されているというアンバランスがあるわけです。

 もう1つは、政治にとって雇用確保ということが最重要課題だという認識です。雇用というのは、その国の、あるいはその地方自治体にとって最優先事項であるわけで、例えばアメリカの場合ですと、失業率が悪ければ大統領でも再選されない、つまりクビになるわけです。各州の知事にしても、市町村長にしても雇用は最優先課題で、80年代から90年代などは各州の知事が日本にこぞって出張して熱心に企業の誘致をしていたものです。

 ですが、日本の場合は雇用統計の上がり下がりが重要な政治課題になることは、比較的少ないように思われます。その背景には、現時点で安定的な雇用を確保している人の多くは終身雇用契約であり、多少の情勢変化でその地位が脅かされることはない、つまり「明日は我が身」という当事者意識がないということがあると考えられます。こうした終身雇用契約を得ている人に加えて、年金受給世代を足すと、「失業率は他人ごと」だという巨大な人口があるわけで、結果的に雇用統計が政治家の成果判定などで重視されない、どうもそう考えるしかないようです。

 そんなわけで、日本は発展途上国のように「今日より明日は良くなる」ということもなければ、先進国の「管理職はクビになるが、非管理職は比較的安定」というバランス感覚もないし、雇用統計によって厳しく政治家の評価がされることもないわけです。

 労働の現場に能力主義を持ち込むなど、経済合理性を導入することを「悪」だという批判があります。ですが、雇用の問題に関して言えば、日本で現在進んでいることは「経済合理性の導入」というよりも「封建主義的な不公正の拡大」に近い、そう考えるべきだと思うのです。
 

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コメント
 
01. キララ 2012年4月06日 00:29:26 : 4dfYcsltGI/V2 : c2icDE6Yyw
「封建主義的な不公正の拡大」というのはよく分らない言い回しではないですかね。「底の抜けた不公正の拡大」、つまり、最低保障やルールのない一方的に不利な人と一部の飛びぬけた所得を得る人たちに分裂していると思われます。
封建主義というような歴史的過去のことではなく、今、起きていることで、これからどうするかが問題なのだと思います。

欧米の様子は参考になるとしても、今をどうするかに焦点を当てるべきだと思います。


02. 2012年4月06日 02:09:09 : E6rhaLxhi6
>1つ目は、アメリカやヨーロッパでは、国内向けの定形仕事で食べてゆく仕組みが守られているという事実です。
まず大原則として「高待遇の仕事は実力主義であり一切保護されない」
一方で「定型業務は9時5時仕事で家庭生活と両立。身分も組合に守られている」というバランスがあります。
更に言えば、定形仕事であっても運輸業など「人の命を預かる仕事」には
「ちゃんと生活できる給料を払わないと安全は確保できない」という一種の常識も残っています。

>物事の順序として「高給の管理職はいつでもクビになる可能性があるが、非管理職の組合員は身分を保護されている」
あるいは「成果主義の管理職は早朝出勤も海外出張もするが、定形仕事の非管理職は家庭との両立が可能」
というバランスはまだ残っているのです。
日本の場合は、これがまだ逆転しており、高給の終身雇用契約者の身分は保護され、
定型業務の方は権利も保護もドンドン切り崩されているというアンバランスがあるわけです。

>日本の場合は雇用統計の上がり下がりが重要な政治課題になることは、比較的少ないように思われます。
その背景には、現時点で安定的な雇用を確保している人の多くは終身雇用契約であり、
多少の情勢変化でその地位が脅かされることはない、
つまり「明日は我が身」という当事者意識がないということがあると考えられます。
こうした終身雇用契約を得ている人に加えて、年金受給世代を足すと、
「失業率は他人ごと」だという巨大な人口があるわけで、
結果的に雇用統計が政治家の成果判定などで重視されない、どうもそう考えるしかないようです。

>そんなわけで、日本は発展途上国のように「今日より明日は良くなる」ということもなければ、
先進国の「管理職はクビになるが、非管理職は比較的安定」というバランス感覚もないし、
雇用統計によって厳しく政治家の評価がされることもないわけです。

なるほどね。
だから、日本は欧米先進諸国に比べて低所得者層にとっては、冷たい社会になってしまったのですね。
だから、自殺率も高い。

■「世界で最も優しい」日本的雇用システム 10万人の死者生む
日本的な終身雇用システムにおいては、会社が潰れない限り安定した収入が得られる一方で、
一度、職を失うと転職すら難しくなるのが現状だ。この日本の雇用システムが生み出した悲劇について、
資産運用や人生設計についての多数の著書で知られる作家・橘玲氏が解説する。
* * *
日本的な雇用慣行は、今回の大震災に匹敵する悲劇をも引き起こしている。
1997年の山一証券、北海道拓殖銀行の破綻を機に、翌1998年には日本長期信用銀行(長銀)、
日本債券信用銀行(日債銀)という“潰れるはずがない”大手金融機関が次々と倒れていった。
これによって日本の「会社神話」は崩壊し、それ以降、日本の自殺者数が急増している。
この、いわば「見えない大災害」によって、それまで年間2万2000〜2万4000人で推移していた
日本の自殺者は3万人を超え、ロシアなど旧社会主義圏と並ぶ世界有数の「自殺大国」になってしまった。
今回の震災による死者と行方不明者を合わせると3万人近くに上るといわれるが、
1998年以降、日本ではそれまでより毎年8000人も多い人たちが自ら命を絶ち、それが12年も続いている。
この「見えない大災害」の死者は10万人を超える計算になるが、これはとてつもない数字だ。
統計を見れば、1998年以降に増えた自殺者の大半が40代、50代の男性なのは明らかだ。
日本の雇用問題はこれまで若者の非正規雇用やニートを中心に語られてきたが、
もっとも大きなしわ寄せは、住宅ローンや教育費などの負担がかさみ経済的リスクの高い中高年男性に集中している。
日本では一定の年齢を超えると転職は事実上不可能になるが、会社をクビになっても生活コストは減らせないから、
消費者金融に頼らなければ生きていけなくなる。
それが行き詰まれば闇金に手を出し、最後は自らの生命保険で借金を清算するしかない――そんな構図が容易に目に浮かぶ。
こうした悲劇の原因は「市場原理主義」ではなく、年功序列と終身雇用の日本的雇用制度にある。
流動性のある労働市場のない日本では、いったん会社から放り出されると、すべての経済的な基盤を失ってしまう。
「世界で最も優しい」といわれた日本的雇用システムは、実は10万人もの死者を生み出す“元凶”だったのだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/5730015/


■貧困層をより貧しくする日本の歪んだ所得再配分
その理由は、国民年金や国民健康保険の逆進性が高いことにある。
所得移転には、年金給付や生活保護、児童手当などプラスの移転もあれば、
社会保険料や消費税のようにマイナスの移転もあるが、日本では生活保護の補足率が低いため、
最低生活水準の年収であっても、社会保険料や税を負担しているケースが多い。
独り親世帯に限らずとも、日本における所得再配分の貧困削減効果は、欧州先進国に比べかなり低い。
こうした日本の歪んだ所得移転を是正するには、「給付付き税額控除」と呼ばれる政策が一つのヒントになるだろう。
課税所得がなく、税金控除の恩恵を受けられない人に給付を行うことで、所得再配分を強化する仕組みだ。
日本ではまだ聞き慣れない政策だが、米国や英国、カナダ、オランダなどでは、すでに導入が進んでいる。(下の図表)
日本でも、中央大学法科大学院の森信茂樹教授を中心とする研究者グループが、
子育て世帯を対象にした「給付付き児童税額控除」を提言。
財源や税収が中立であっても効果をもたらす、とのシミュレーション結果を得ている。

貧困問題に対応するには、税制にまで踏み込んだ改革も避けて通れないようだ。
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/a7a46973b48f0cf47a3a4b47e7024ac5/page/2/

■「日本のセーフティーネットはスカスカ」―『困ってるひと』著者・大野更紗氏が語る社会保障の“現実”
わけのわからない日本の社会制度は“モンスター”
http://blogos.com/article/31387/?axis=g:3

■貧困率:09年、最悪16.0% 子供3年で1.5ポイント増−−国民生活調査
厚生労働省が12日公表した10年の国民生活基礎調査によると、
全国民のうち、低所得の人の割合を示す「相対的貧困率」(09年)が16・0%となり、
前回調査の数値(06年)より0・3ポイント悪化した。
データがある85年以降最悪で、国際的にも高い日本の貧困率は改善に向かっていない。
子供(17歳以下)は1・5ポイント増の15・7%で、
低所得の家庭で育てられている子供が増えていることを裏付けた。
また、高齢者世帯数の推移を見ると、
65歳以上のみの世帯が1018万8000世帯(全世帯の20・9%)に達し、
初めて1000万世帯を突破した。【鈴木直】
◇65歳以上のみ1000万世帯突破
今回厚労省は、同調査を始めた85年までさかのぼって貧困率を算出した。
同年の12・0%に比べると、09年はこの24年間で4ポイント悪化し、
同居する大人の所得で計算する子供の貧困率も4・8ポイント増えた。
同省は非正規雇用労働者や年金暮らしの高齢者らの増加が要因とみている。
一方、「子供がいる現役の世帯」でみると、母子家庭など「一人親世帯」の貧困率は50・8%。
3年前より3・5ポイント減っており、97年に最悪の63・1%に達した後は減少傾向にある。
母子世帯の年間所得は200万円台で大きく変わっていないのに対し、
非正規雇用増加などで全体の平均所得が下がっているため、母子世帯の貧困率は減っている。
経済協力開発機構(OECD)の00年代半ばの調査では、
日本の貧困率(03年、14・9%)は加盟30カ国中4番目に悪く、一人親世帯は最も悪かった。
OECD平均は10・6%となっている。
このほか、お年寄りがお年寄りを介護する「老老介護」も増えている。
75歳以上を介護している人のうち、本人も75歳以上の人は25・5%で、3年前より0・6ポイント増えて過去最高となった。
調査は10年6〜7月に実施。世帯構成は約29万世帯のうち約23万世帯から、
所得は約3万6000世帯のうち約2万6000世帯から有効回答を得た。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110713ddm002040053000c.html
■貧困率、最悪の16%/85年以降
全国民の中での低所得者の割合や経済格差を示す相対的貧困率が2009年に16・0%となり、
1985年以降で最悪になったことが12日に発表された厚生労働省の2010年国民生活基礎調査で分かりました。
前回調査(06年)では15・7%でした。
17歳以下の子どもの貧困率は15・7%で、やはり85年以降最悪。
前回に比べ1・5ポイント増加しています。
母子あるいは父子世帯など、おとなが1人で子どものいる世帯では、貧困率は50・8%に達しています。
全世帯の32%が年収300万円未満で、母子世帯では7割、高齢者世帯では6割が300万円未満です。
「生活が苦しい」と答えた世帯が6割で、ここ5年間増え続けています。
貯蓄ゼロの世帯は1割、母子世帯では3割近くになっています。
また、10年6月時点で、65歳以上の高齢者のみの世帯が1018万8000世帯と、
調査開始後初めて1000万世帯を突破。
高齢者同士で介護するいわゆる「老老介護」の割合が65歳以上同士で45・9%となっています。
相対的貧困率: 低所得者の割合、所得格差を示す指標。
国民の可処分所得を高い人から順に並べたときの中央の人の額(中央値)の半分未満の所得の人がどれだけいるかの割合を示したもの。
http://news.livedoor.com/article/detail/5704819/
■自殺者14年連続3万人超という現実
日本の自殺者数が、14年連続して3万人を超えたとのことです。
1998年に前年比で一挙に6千人以上増えて3万人の大台を超えたまま、
高止まりして今に至っている異常な事態です。
東日本大震災による犠牲者数が、死者・行方不明者合わせて2万人足らずであるのと比べても、
非常に大きな問題であるのがわかります。
ちなみに近年の交通事故による死者数は年間5千人以下に減っていますから、
その6倍もの人たちが自ら死んでいるのです。
1998年というと、雇用の崩壊による格差の拡大で、社会の貧困化が顕在化した時期です。
警察庁の統計は自殺者の職業別を分類していますが、
それによると、この年の激増の原因が、無職者、被雇用者、自営業者の自殺増加であるのがわかります。
年齢別では、50代をピークとして30代から60代までが多数を占めています。
自殺の動機では、健康問題(48%)が最多で、経済・生活問題(22%)、家庭問題(13%)、勤務問題(8%)と続きます。
これが世界の中ではどうかというと、人口10万人で比較すると日本は24.4人となり、これは主要国の中では高い方になります。
日本よりも高いのは韓国とロシアぐらいで、アメリカは日本の半分以下、イギリスは3分の1以下です。
福祉の国と言われるスウェーデンでも12.7人ですから、社会政策ですべて解決できる問題ではないでしょうが、
日本が住みにくい国になっているのは事実でしょう。
一般的に政情不安定な国では自殺率が高くなる傾向があるそうですが、
民族問題も内戦の危険もない日本が、経済政策の失敗で不安定国家の仲間入りをしてしまうのは残念なことです。
現代人の悩みの多くは、経済的救済で解決する場合が多いのではないでしょうか。
電車の駅のアナウンスで、「人身事故のため運転を休止しています」と聞かされるのが珍しくなくなったのは、
やはり1998年あたりからではなかったでしょうか。
多くの人に迷惑を及ぼし、鉄道関係者の大きな負担となり、
さらに遺族にも鉄道会社への損害賠償など経済的負担を残す悲惨な死に方が、どうして選ばれるのか。
そこに至るまでの本人の心の軌跡を思うと暗然とします。  
本当は、もっとよい死に方をしたかったに違いないのです。
そして、よい死に方を考えるのは、よい生き方を考えるのと同じことなのですが。
http://blogos.com/article/28958/?axis=g:3
>現代人の悩みの多くは、経済的救済で解決する場合が多いのではないでしょうか。


◆「ドイツの派遣労働者は解雇されても、路上に放り出されることはない」〜ドイツ労働総同盟(DGB)法務担当幹部に聞く
http://diamond.jp/series/worldvoice/10043/
◆世界で一番冷たい貧困大国ニッポン 連載(5) 失業者に寛大なドイツ 冷徹な日本
ドイツでは、1年以上働いた人の失業給付は6ヵ月、2年以上は12力月、3年以上は18力月である。
これは非正規社員にも適用されるという。
また、ドイツでは、失業給付が切れても再就職できなかった人や最初から失業給付のない人などを対象に
「失業給付2」が設けられている。
食費や家賃など最低生活を維持するための扶助で、仕事が見つかるまで支給される。
単身者で月350ユーロ(約4万6000円)だが、
これがあれば非正規社員が仕事を失っても路上生活を強いられることはなさそうだ。
(ジャーナリスト 矢部武
やべ・たけし 1954年、埼玉県生まれ。
米アームストロング大で修士号取得。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」東京支局記者等を経てフリーに。
著書に「世界で一番冷たい格差の国・日本」(光文社)など。)

■書評:矢部武『世界で一番冷たい格差の国日本』
(前略)日本の派遣社員が、一斉にレイオフされた問題や、
地方の役所が、貧しい人に援助することなく追い返し、自殺させている例が、並べられる。
「意外に聞こえるかもしれませんが、生活保護の受給条件はアメリカより日本のほうが厳しいと思います。
アメリカで問われるのは個人の受給資格のみだが、日本では家族の所得なども事実上調査される。」(矢部)
日本の役所がなぜ、困っている国民を「助け」ないのか。
それは、国民を助け「ない」のが、自民党の「政策」だから。
まずこの、あまりにも自明な前提を思考の出発点にしなければなりません。・・・
 これが、あの有名な「水際作戦」です。
日本の役所は、生活に困り、苦しんで、国に助けを求めて来る国民を、
「なんとしてでも」生活保護を与えず(絶対に生活保護の申請書すらくれません)、追い返します。
そして、一人でも、多くの国民を追い返した、役人を「優秀」だと、表彰するというわけです。(後略)
http://d.hatena.ne.jp/martbm/20090729/1248813234

■後藤 猛氏(オランダ)ビジネストピックスレポート(2003年度第4四半期)
(前略)日本のオジサン方がホームレスになった理由は経済的理由という。
オランダでは経済的理由でホームレスになることはない。
ここに「生存権の保障」という言葉が浮上して来る。
オランダでは生存権を保障をするためオランダに合法に住んでいる人に対し、
各自治体は月額720ユーロ(約9万円)の生存金を無条件で支給している。
オランダのホームレスはこの720ユーロから施設利用費用、食事代として約550ユーロくらい天引きされ、
生存権の残り170ユーロがかれらのお小遣いになるのだ。
日本でも生活保護支給金という制度はある。
しかし、あくまでも制度であって、日本人でも資格を満たしてないとその支給を受けることが不可能である。
支給を受けるにはまず住民票が必要だ。
オランダの場合、全国に何千とあるNPO福祉施設がホームレスの住所となり、家族となる。
それが日本では不可能なのだ。・・・
毎月9万円の生活権が保障されていれば、
毎年上役や部下、奥さんや家族にいじめられて自殺していく3万人の尊い中核日本人サラリーマンの命が、
いくらかでも救われていたかもしれないとある学者が指摘した。
以上、720ユーロのため、オランダには経済的貧困者はいない。
http://www.pref.miyagi.jp/gb/mba/fy16/MBAreport(H15_4)/gotou2.htm

■雇用環境も福祉も欧米以下!
▼日本は「世界で一番冷たい」格差社会  米国の著名社会政治学者が大警鐘
日本の格差問題も英米に比べればまだまし――。そう考える人は多いことだろう。
しかし、ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、
福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、
先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らす。
http://diamond.jp/series/worldvoice/10012/


03. 2012年4月06日 04:51:15 : 0EZ4BnKpdE

労働者・有権者側から見れば概ねそういうことだと思う。

社内の団塊は団塊で確かに危機感を持ってはいるが、
それは自身の降格や始末書を書かされたりするのを恐れているだけで、
社会経済における企業の役割だとか、人々の平和で秩序ある営みとかいった、
巨視的な視点は、一切彼らは持ち合わせていなかった。

むしろそんなものは怪力乱神の類同様に幼稚な空想であって、
一人前の社会人が事とするものではない、とすら考えていたように思う。

そして彼らは、会社の人員削減方針に悪乗りし、もっぱら個人的な価値観に基づいて、
自身にとって不快な人間をパージするのにそれを悪用していたのが実態だったというのが、
自分が会社の中で体験した事実だ。

そして本人はそれらの行為に一切悪気は感じておらず、
むしろ自分は道徳法則に忠実に振舞ったという満足感すら感じていたようだ。
あのねじれっぷりは、自分の理解を完全に超越している。もうお手上げだね。

というわけで、そういう独善と保身の塊のような典型的小人物たる団塊に、
明晰かつ公平公正な良識的判断を期待できるかというと、怪しいと思う。

ところで企業の側からみて、企業が組織防衛に走った理由をたぐると、
その根本にあるのは小泉が導入した時価会計だと思うな。

あれで株の持合いと、決算期に株式の含み益を吐き出して調整するという、
日本独自のセーフティネットが崩された上に、
金融庁の監督がきびしくなった時期とも重なって、
企業は資金繰りに苦しむようになって、なりふりかまわぬ人員削減に走った。

それがために、企業は外資に依存せざるを得なくなったうえに、
小泉が外国人投資家に資金を与えるがごとき円安介入をし、
日本の経済植民地化が怒涛のように進行し、
いびつなリストラを嫌った有能な人材を、外国企業に走らせるというおまけまでついた。

そして西武のような、膨大な含み益を抱えていた同族企業に守旧派のレッテルをはり、
無知な有権者を扇動して、日本の権力構造を組み替えてゆくのに利用した。

そして今に至るわけだが、それに加えて上記のように、
団塊の不明による政治的停滞と混迷も乗り越えなければならないわけで、
まったくもって、頭が痛いったらないぜ?


04. 2012年4月06日 05:42:37 : 0EZ4BnKpdE

要するに、信賞必罰といった規範精神が日本人にはもともとまるでないし、
当然そういう形で組織がデザインもされていなかったところに、
急に制度だけ西洋化させられたから、
会社がめいめい勝手な、自己保存のための弱肉強食の戦場にしかなりえなかった。

そしてただただそのまま惰性で漂流しながら資産を食い潰し、
だんだんゆっくりとその生命力をすり減らしていってるのに、
それでいったい何が起こっているのか、不安には思っても気づくことはなく、考えもせず、
当然それでは問題を客観化できないから、人々がそれを共有して連帯することもできず、
その帰結として予定されるものはやはり、
めいめい勝手な、自己保存のための弱肉強食の戦い以外ありえないだろうな。

まず問題を客観化して共有することだ。
それができなきゃ、何も始まらないだろう。


05. 2012年4月06日 10:24:12 : cRL8FKbZts
>そして彼らは、会社の人員削減方針に悪乗りし、もっぱら個人的な価値観に基づいて、自身にとって不快な人間をパージするのにそれを悪用していたのが実態だったというのが、自分が会社の中で体験した事実だ。

資格職を除いて非正規のみの職場に居ますが最高齢団塊世代の同僚がそんな感じです。パージは流石に立場上出来ないのですが、変な責任感で自分の価値観の押付けて来て従わないと上にリークする。と言うような事やってます。うっとうしくて仕方ないです。


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