06. 2012年4月02日 07:01:53
: ObQ42JNudM
自民党はまったくだめ。発想が古すぎる。思考停止している。 完全なシバキアゲウヨ。 これではワーキングプアなどの貧困層はますます救われない。 自殺者や餓死者やホームレスが増えるだけだろう。生活保護に代えて、負の所得税を導入するのが妥当だ。 まずは、負の所得税の部分的導入としての給付付き税額控除。 この給付付き税額控除に段階的に生活保護や役に立たないアドホックな福祉制度を統合し、負の所得税に近づけてゆくのが妥当。 ■生活保護制度とベーシックインカムと負の所得税の違い 『ベーシックインカムは「愚者の楽園」』『ベーカムは「愚者の楽園」追記』で橘玲氏が、 産業革命勃興期に英国で実施されたスピーナムランド法の経験を元に、ベーシックインカムを否定している。 しかし、批判は妥当とは言えない。 現在の生活保護制度の方がスピーナムランド法に近くなっており、 ベーシックインカムは生活困窮者のインセンティブ・メカニズムにも考慮しているからだ。 分かりづらい所もあるので、生活保護制度とベーシックインカム、そして負の所得税について違いをまとめてみた。 1. 生活保護制度とその問題点 スピーナムランド法は端的に言えば、所得が生活扶助額以下の困窮者に生活扶助額を与える、 現在の日本で行われている生活保護に近い制度だ。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、破線が所得税や生活扶助費が無い状態を表す。 実際の制度は、家族構成や居住地域資産の有無等で生活扶助を受けられる所得が変化し複雑だが、基本的な特性は同じだ。 (1.1) 困窮者が働かなくなる 全力で働いても生活扶助額以下にしかならない人には働く意味が無い(スピーナムランド法では一定額以上は働く必要がある)。 図で言うと、所得が14万円以下の領域では、手取りが平行線になる。 困窮者が働かなくなるために、生活扶助額と社会的損失が大きくなる(*1)。 (1.2) 困窮者の扶養者の調査が必要 内縁の夫などの経済的な保護者がいても、それを隠す人が出てくる。 児童手当や生活扶助狙いの偽装離婚などがありえる。 (1.3) 財政負担が大きくなる (1.1)から財政負担が大きくなる。なお現在は年に3兆円以上の支出がある。 2. ベーシックインカムとその利点と問題点 ベーシックインカム(以下、BI)は、全員に一定の金額を給付しようと言う制度だ。 金持ちであろうが、困窮者であろうが一定の金額がもらえる。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、上の破線がBI込みの所得、下の破線が所得税や生活扶助費が無い状態を表す。 BIにも所得税がかかるとしているが、かからなくても他の所得に対する課税で調整されるので、本質的には同じだ。 一定の金額(ここでは10万円)を所得に関わりなく給付し、その後に所得税をかけるので、実際に生活扶助費をもらう人は少数になる。 (2.1) 困窮者も働く 困窮者も働くインセンティブを持つ。図で説明すると、手取りが所得に対して平行な領域が無い。 理論上は労働意欲が減退すると思われるが、貧乏人の方がお金が必要なものだ。 (2.2) 困窮者の扶養者の調査が不要 家計単位ではなく、国民全員に給付するので、実際の家族関係などの把握は不要になる。 BIを課税対象にした場合、BIへの課税を減らす為に離婚する人が増えるかも知れないが、生活扶助ほどの利益は無い。 (2.3) 大きな所得税増税が必要 BIの欠点は予算規模が莫大になることだ。 支給額×1億2000万人が総支給額になるので、月に10万円配ると年に144兆円必要になる。 生活保護制度と比較すると、インセンティブ・メカニズムが良くなり、スクリーニング・コストが低減され、 政府の予算規模が膨大になる。 3. 負の所得税とその利点と問題点 生活保護制度の生活扶助費の計算を改善して、働く意欲を持たせたのが負の所得税。 ミルトン・フリードマンが提唱し、最近では英国で導入が検討されている(Telegraph)。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、破線が所得税や負の所得税(=生活扶助費)が無い状態を表す。 (3.1) 困窮者も働く 困窮者も働くインセンティブを持つ。図で説明すると、手取りが所得に対して平行な領域が無い。 理論上は労働意欲が減退すると思われるが、貧乏人の方がお金が必要なものだ。 (3.2) 困窮者の扶養者の調査が必要 内縁の夫などの経済的な保護者がいても、それを隠す人が出てくる。 (3.3) 政府予算が削減できる (3.1)から働く人が増えるので、政府予算をある程度は削減できる。 生活保護制度と比較すると、インセンティブ・メカニズムが良くなり、スクリーニング・コストは同様で、政府予算を削減できる。 4. 生活保護制度の改良は必要 日本は母親が勤労しているのに貧困に陥っている母子家庭がOECD諸国の中で飛びぬけて多く (平成22年版 男女共同参画白書 - 第1部 第5章)、 もっと生活保護制度は批判されても良いと思うのだが、なぜか対策は後回しにされている。 現状では生活保護制度の不正は0.4%程度なので、スクリーニングに大きな問題は無い。 しかし、インセンティブ・メカニズムには大きな問題があり、 困窮者が自助努力を放棄したり、本来ならば生活保護が必要な家計が利用できていなかったりする。 頑張る人が得にならない社会と言うのは、道徳的とは言えない。 BIも負の所得税もインセンティブ・メカニズムは大きく改善するが、 BIは政府予算の劇的な拡大を招く為、受け入れられる可能性は低い。 最終的にはそうはならないが、ばら撒きと見なされる可能性も大きく、 負の所得税を導入する方が現実的であろう。 http://www.anlyznews.com/2012/03/blog-post_17.html 完璧な制度はない。 ただ、総合的に見ると、負の所得税>ベーシックインカム>生活保護制度。 負の所得税の導入を目指すべきだろう。 ■橋下構想“負の所得税”一考の価値あり 維新の会が2月に提示した「維新八策」の「たたき台」では、 全国民に一定所得を支給するベーシックインカム制度の導入を盛り込んだ。 これに対して、例えば仮に全国民に月額7万円を支給すれば、 年107兆円かかるため、財源は大丈夫かといった批判があった。 維新の会の構想の背景には「負の所得税」の考え方があるようだ。 負の所得税はノーベル賞経済学者のフリードマンが主張したもので概念は明確だ。 各種の社会保障給付を統合し、現金給付化し定額で配布する。 その後で現金給付と所得を合算した上で一定率の所得税を課税する。 その結果、一定の所得以上の人は現金給付以上の所得税を支払うが、 当該所得以下の人は所得ゼロでも定額の現金給付額、 それ以上の所得になれば当該定額現金給付額を超える可処分所得になる。 つまり、うまく制度設計すれば財源問題はない。 これを現行制度に即していえば、 社会保障給付費100兆円のうち医療費30兆円を除く70兆円を全国民に月額5万円程度支払うイメージだ。 すぐに「財源問題だ」と条件反射するのは、各種の社会保障給付を整理合算したことを忘れ、 既存の制度に上乗せして給付が行われると勘違いしていることが多い。 しかし、このアイデアがこれまで実行されなかったのはそれなりの理由もある。 所得ゼロの人に無条件で定額現金給付するのかという問題があるからだ。 引退世代には年金支給でも抵抗はないが、現役世代に生活保護を無条件とするのは国民感情として難しいところもある。 もっとも今の生活保護でも、杜撰(ずさん)な支給や、成りすましによる不正な受給もあり、 給付を適正にするための人員も足りないことを考えると、 人々の所得や資産把握が十分であれば、負の所得税は大いに検討する価値がある。 特に、現金給付化して、社会保障にありがちな縦割りを是正して、給付する側の役所のスリム化には大いに役立つ。 その手始めは徴収する役所側の統合だ。 それが税と徴収する国税庁と社会保険料を徴収する日本年金機構の徴収部門を統合する歳入庁である。 実際、負の所得税のアイデアは、多くの先進国では、所得ゼロの人をどうするかを除くと、 多くの先進国で導入されている給付付き税額控除という制度の形で生かされている。 また、負の所得税は、市場主義を主張するフリードマンが提唱したが、 ベーシックインカムとも思想は別だが実態は似ており、人権を主張する人にも受けがいい。 今の日本では、失業給付と生活保護の縦割りを是正し、左右の思想にも受け入れやすいので、 具体的な制度設計にあたり参考とすべきものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一) http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120327/plt1203270759002-n1.htm >実際、負の所得税のアイデアは、多くの先進国では、所得ゼロの人をどうするかを除くと、 >多くの先進国で導入されている給付付き税額控除という制度の形で生かされている。
「所得ゼロの人をどうするか」という点で、リバタリアン右派とリバタリアン左派の考え方の違いが明らかになる。 リバタリアン右派:「所得ゼロの人」は、給付対象としない。 「働かざるもの喰うべからず」だ。 餓死しようが、自殺しようが、ホームレスになろうが知ったこっちゃない。 リバタリアン左派:それはいくらなんでも人道に反する。(生存権を保障した憲法25条にも反する) とくに病人や障害者など弱者の生存権は保障するべき。 「働かざるもの飢えるべからず」 よって、「所得ゼロの人」も、給付対象とすべし。 負の所得税は、給付付き税額控除という部分的な形で、他の先進国において導入例がある。 ■ミルトン・フリードマンが提唱した負の所得税が有名である。 実際にはイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで一部導入され、拡大されつつある。 アメリカ合衆国における勤労税額控除もこの負の所得税のバリエーションだと評価される。 日本においては小沢一郎が党首を務めた自由党が負の所得税に近い政策を掲げていた。 また、小沢が民主党の代表選挙に出馬する際に、再びこの公約が掲げられた。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0 ■給付付き税額控除 具体案の提言 〜バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて〜 【導入国】イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、カナダ、ニュージーランド、アメリカ等 日本は、バブルの崩壊からようやく立ち直ったかと思うと、今また、グローバルな経済危機に直面しています。 この20年の間に、雇用については非正規雇用労働者の比率が増え、これまで 「会社」が正社員・終身雇用・年功制というかたちで果たしてきたセーフティネットから漏れる人々が増えてきました。 また、子育ての問題など、人間が生きる上で基本的な、生活や人生設計に直結した部分での将来不安が国民を覆っています。 このような重大な時期に政治は機能不全をきたしています。現在の日本が抱える課題の解決のためには、 物事の本質をしっかりと見極め、的確な政策を打ち出していく必要があります。 しかし、残念ながらこれらの問題に関する政策論議の多くは、対症療法的な既存政策の微修正が中心です。 わが国は厳しい財政制約の中で、格差問題や生活に対する不安といった問題に対処していかなければなりません。 そうなると必然的に、税と社会保障を別々に議論するのではなく、両者を一体にした仕組みを考えていかざるを得ません。 そうした要請を具体化するのが本提言で掲げる「給付付き税額控除」です。 東京財団では2007年よりその必要性を提唱し、近年はメディア等でも頻繁に取り上げられるまでになりました。 本提言では、より詳細な制度設計の論点、海外の導入事例に加え、日本における具体的な導入モデルを提示しています。 http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2010-07.pdf http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=12 小沢一郎は、自由党時代から唱えていたというのだから、先見性がある。 段階的に導入するのが現実的。 まずは、給付付き税額控除、そして徐々に負の所得税に進化させていく。。。 ■私が考えてたのはまさにこの流れ。 @forumdrei: 小沢修司さん的BI俯瞰図: 所得控除→税額控除→給付付税額控除→負の所得税→ベーシックインカム http://twitter.com/birdtaka/statuses/9651666109 ■負の所得税とベーシックインカムの対比図 http://newworldorder.tumblr.com/post/702950538 ■【研究メモ】ベーシックインカムと負の所得税の関係 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100514#p1 【負の所得税】 所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。 課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。 http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E ■そろそろ「負の所得税」をまじめに考えてもいいのではないか(山口浩/駒澤大学教授) http://www.h-yamaguchi.net/2005/07/post_01a6.html |