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検察審査会法は、日本が被占領国であった昭和24年(1949年)に公布・施行された。日本の民主化を進めるGHQの意思が働いた、国家権力(=検察)をチェックする目的の法律であったことは間違いない。その表れが、第1条の「公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図るため(中略)置かなければならない」である。明治憲法下で、強権を行使してきた検察官僚の意識改革を狙ったものだと言える。
この法律の最大の目的は、法第2条1項で定める「検察官の公訴を提起しない処分の当否の審査に関する事項」である。即ち検察官が不起訴にした理由の正当性をチェックする。誇り高い検察としては、法律の素人に「起訴相当」と言われることは、不名誉なことになる。従って、検察から提出される資料や、検察官が会議に出席し意見を述べるのは「不起訴相当」の理由であるのは、必然の理である。
処が小沢裁判では、そうではなかった。マスコミの報道によると、特捜検事が約50社のゼネコンを捜査した結果、70件の「小沢シロ」を示すメモが、検察審査会に提出されていなかった。また石川議員を取り調べた田代検事は、捏造報告書を作成し、その報告書が審査会に提供された。それだけではない。マスコミは全く報道しなかったが、小沢氏は最終陳述で、検察による誘導があったと次のように述べている。
東京地検が検察審査会の再審査に提供した、ほかの捜査報告書を見ると「小沢は3回にわたる取り調べでも合理的な説明ができず、不自然な弁解に終始した」「政治資金収支報告書に関する小沢の供述は虚偽である」「小沢の共謀を推認する積極的証拠となり得る」「小沢には本件不記載・虚偽記載の動機があった」等々、「小沢有罪ありき」の推認の記述ばかりで、明らかに起訴議決をしないほうがおかしい、強制起訴すれば裁判でも勝てる、と誘導しています。(以上小沢氏最終陳述より)
小沢氏が言うまでもなく、検察審査会を起訴相当議決に誘導している。検察審査会の目的を熟知している弁護士ならば、これはおかしいと感じるだろう。だから山本弁護士ではなく、米沢弁護士でなければならなかった。また常識のある人なら、それほど検察が「小沢有罪」と言うのなら、検察が起訴すればいいではないかと言うはずだ。この疑問を封じるために働いたのが、河上和男氏などの「ヤメ検」だったと言える。
日テレで河上和男氏は、検察が小沢氏を不起訴とした後、「私は証拠を見た訳ではないが、99%クロだ。検察は120%クロでないと起訴しない」と、また朝日テレビの報道番組ではヤメ検の一人が、「検察が起訴する場合100%クロでは駄目なのです。120%クロでないと起訴しません」と、全く同じ120%を使って解説した。そして必ず、検察審査会で2度強制起訴されると、公訴されると述べていた。
検察は、小沢氏を叩けば必ず埃が出ると考えて強引な捜査を行った。だが、小沢氏からは1円の違法献金も出てこなかった。そこで、検察はストーリーを書き換え、検察審査会を悪用することにした。だから検察審査会への審査申し立ての有無も不明な、小沢氏が不起訴になった直後から、ヤメ検たちは検察審査会の強制起訴を語った。
保釈直前の石川議員に対し、田代検事が「小沢は不起訴だ。しかし検察審査会の2度の決議で起訴される」と言ったことがその証拠である。当時、検察は大阪地検の郵便不正事件で、特捜検察のストーリー捜査が暴露するとは思ってもいなかっただろう。だから新しいストーリーを仕上げるために、本来あり得ない、起訴された被告からの事情聴取を行ない、取り調べの様子を録音されるというチョンボを犯してしまった。「天網恢恢疎にして漏らさず」とは、将にこのことだろう。
処で、検察審査会が2度目の起訴相当議決をしたとされる9月14日の僅か2週間前の9月1日に、大林宏検事総長(当時)が「小沢氏を有罪とする証拠はない」「検察審査会が今後いかなる判断を下しても、(検察の)結論としては不起訴処分」と記者会見で述べたのはいったい何だったのだろうか。その1週間後に、マスコミは審査補助員の弁護士が、ようやく決まったようだと報じたのである。
この発言については、@検察の結論を述べた、A検察としては不名誉な起訴相当議決を避けて欲しいとのメッセージを、新たに決まった審査補助員の弁護士に送った、B特捜部の検察審査会への働きかけのカモフラージュ、以上の3つの可能性が推測される。@だと、捏造報告書は特捜部の暴走ということになる。検察一体説から言うと、カモフラージュ説になる。検察は自らこのことを明らかにする責任がある。マスコミの好きな「説明+責任」とはこういう時に使うのだろう。
だがマスコミ、特にテレビでは、ヤメ検たちに検察擁護の発言をさせている。マスコミは、大阪地検の証拠改竄事件と東京地検の捏造報告書で、検察の正義は完全に失墜した、また、検察に都合のよい証拠だけを集めるストーリー捜査が冤罪を生む原因だと、多くの人が知るようになった。検察調書の信頼性を裁判官が疑うようになった。それでも田代検事が逮捕・送検されないことを、マスコミは批判もしないのである。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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