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野田総理は昨日夜、消費税増税関連法案の国会提出を受けて官邸で記者会見し増税について「社会保障を充実させて安定させるために不可欠だ」と意義を強調しました。これを真に受けているのか、国民の中にも増税やむなしと考えている人たちが半数近くいます。このため、野田総理は強気になっているのですが、社会保障云々という総理の説明は嘘です。
予定では最終的に5%から10%に上げられますが、増税する5%の内、4%は借金の返済に充てられることになっています。社会保障には僅か1%しか回されません。社会保障費用はうなぎ上りに増えて行きますから、これで「安心」などと言うのは詐欺師の口上に外なりません。
政府の財政は危機的状況にあり、これまでのような放漫財政を続けることは難しくなっています。その原因を作ったのは、国家を食い物にしている政官財(とりわけ官僚)の連中ですが、これまでの利権を維持すべく国民から金を巻き上げて財政悪化を食い止めようとしているのです。
財政が悪化しなければ今の利権構造が守られるので、そのために消費税が増税されようとしているのです。これが目的ですから、1%分が社会保障に回されるという話も、当てにならないと思います。国民は徹底的にコケにされているのです。こんな連中をのさばらしておいてはなりません。
増税に反対する小沢派の政務三役や党役職者約20人の内、17人が辞表を提出し、小沢グループは法案採決で造反も辞さない構えですが、当然の話で、国民を代表しているのですから、これが唯一の正しい有り方です。現政権と官僚たちは、国民を騙して自分たちの利権を守ろうとしており、如何に理屈を並べようと正当化できません。
分裂が決定的となった国民新党も、代表と政調会長を除く6人は連立維持を決め、自分たちが国民新党だと名乗ってます。前代未聞の出来事で、下地幹事長は、「国会議員8人中6人で決めたので、議員総会の決定は重い」とうそぶいています。民主党も、執行部が議論を一方的に打ち切ったにも拘らず、総意を得たとしていますが、国民新党の面々も、こうした悪しき風潮に染まっているようです。恐らく毒饅頭を食らったのでしょう。
国民は、誰が増税法案に署名して、誰が造反したのか、しっかりと覚えておかなければなりません。愛国派と売国勢力がはっきりしたのですから、今度の選挙でNOを突きつける必要があります。今後の展開ですが、悪の民主党幹部たちは自公との連携を働きかけています。自公としては話に乗りたいのですが、選挙で敗北するのが怖くて躊躇しています。対決姿勢を見せているのは選挙対策のパフォーマンスに過ぎず、この辺を見誤らないようにしなければなりません。
鍵を握っているのは、小沢氏に近い輿石東幹事長です。造反者は処分するなどと述べていますが、本意ではないと思われます。今国会での法案成立を断念する方向で調整を図るのではないかと見られます。東京新聞は、本日付でこう報じています。(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012033102000048.html)
「採決」せず「継続」模索 消費増税法案提出 党執行部
政府は三十日、消費税率を二〇一五年十月に10%に引き上げる法案など社会保障と税の一体改革の関連法案を閣議決定し、国会に提出した。野田佳彦首相は今国会中の成立を目指す方針。衆院の採決で可決するか、否決するかに注目が集まる同法案だが、実は党執行部内では、党の分裂を回避するため、今国会で採決せずに継続審議を模索する動きが出ている。「可決か否決か」の前に「採決か継続か」のせめぎ合いが始まった。
首相は三十日夜の記者会見で、消費税増税法案について「今国会中に全力を挙げて、政府・与党一体となって成立を期したい」と強調した。首相の決意を支持するそぶりを見せつつ、継続審議を模索しているのが民主党の輿石東幹事長だ。増税法案をめぐっては、野党に参院の多数を握られて成立が見通せないどころか、衆院でも小沢一郎元代表ら党内の増税反対派議員が大量造反し、否決される恐れもある。
そうなれば、民主党は分裂。首相が衆院解散・総選挙に踏み切り、大敗を招きかねない。首相と小沢元代表の間に立ち、民主党政権の維持を最優先に考える輿石氏としては何としても避けたい事態だ。そこで考えたのが、増税法案を今国会で採決せず、継続審議にする秘策だ。これなら反対派も造反できず、法案成立に「政治生命をかける」と強調する首相のメンツも丸つぶれにはならない。輿石氏は二十九日の記者会見で、造反した党所属議員を処分する意向を示した。反対派をけん制する発言とされたが、採決すれば党内が混乱すると「予告」し、今国会での成立にこだわる首相を翻意させようとしているとの見方も出ている。(関口克己)
双方のメンツを立てるために継続審議にするということは充分考えられます。単なる先送りに過ぎませんが、保身を第一に考える人が多いですから、落しどころとして採用される公算が大です。政界は一寸先は闇ですから、予断は許しません。財務省が継続審議にならないよう必死の工作を仕掛けてくるでしょうから、強引に成立させようとするかも知れません。
しかしそうなったら、財務省も無傷ではいられませんから、限度があるでしょう。政治家に貸しを作ることになりますし、無理な工作は表沙汰になりやすいからです。増税できても、権力を失ったら元も子もありません。4月26日の小沢氏裁判の判決を挟んで、6月末まで息詰まる攻防が繰り広げられることでしょう。政局から目を離せなくなりました。
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