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大坪&佐賀有罪・その裏にひそむもの
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2012-03-30 八木啓代のひとりごと
大阪地裁で大坪・佐賀両氏の判決が出ましたね。それぞれ懲役1年6月、執行猶予3年(求刑各懲役1年6月)。
http://www.47news.jp/47topics/e/227355.php
私は本日の判決は、裁判所が、最高検のストーリーに乗っかりながらも、検察の組織犯罪に言及することで、あえて執行猶予にしたのかとも思いました。
しかし、有罪になれば控訴するのは確実だったわけですし、事実、その日のうちに控訴した。では、高裁で大坪・佐賀氏はどこまで喋るのか。
この件でのA級戦犯は中尾巧元大阪高検検事長というもっぱらの噂http://twitter.com/#!/crusing21/status/185649073884381184ですが、それを法廷でぶちまけなかったのは、明らかに大坪氏も佐賀氏も、「法的には犯人隠避は成立しない」という「法曹的常識」と、元部下の地検検事たちが見事に口を揃えて、最高検のストーリー通りの不利な証言をするとまでは思っていなかったのだと思います。
「法の従来の解釈では、このような場合に犯人隠避は成立しない」と無罪を確信していたからこそ、退職後の就職で世話になるつもりで、大阪のヤメ検を仕切っている中尾氏に「恩を売った」というのが、喋らなかった理由だと。
だからこそ、二人は法廷でも、妙に自信たっぷりな様子を見せていた。そして村木さんに謝るわけでも、この事件の捜査方法そのものの非を認めるわけでもなかった。そのことによって、傍聴人はもちろん、裁判官の心証が悪くなっているという空気を読むこともできなかった。
しかし、この事件そのものが、検察の犯罪、それも無実の人を悪意で罪に落とす瀬戸際だったという、本来あってはならない事が起こったことが裁かれるという前代未聞の事件だったわけですし、前田の証拠改竄に証拠隠滅罪を適用すること自体も、「新しい判例になるようなhttps://twitter.com/#!/crusing21/status/184930251619565569」イレギュラーな適用だったのですから、そこは大坪氏も佐賀氏も、考えが甘かったということでしょうね。
と、ここまで書いたところで、本日の公判を傍聴のために、わざわざ大阪に行っておられた郷原弁護士のコメントが出ました。すでに、この日の朝に、「この事件の裁判所の判断は陸山会事件での虚偽捜査報告書作成等の捜査に重大な影響を与える可能性あり」http://twitter.com/#!/nobuogohara/status/185515257383493632とツイートしておられただけに、内容が気になります。
判決では、犯人隠避の成立については、簡単な理由で認めた。しかし、そのことは、別の面で大きな意味を持つことになる。
判決の量刑理由の中で、「特捜幹部であった被告人達は、部下の犯罪を認識したら、ただちに捜査して、刑事事件として立件すべきだった」というような明確に述べていた。
しかも、執行猶予にした理由、すまり、被告人に有利な情状として、本件は、被告人ら個人的な動機で行った行為というより、特捜検察の体質、検察の組織の問題が表れたもので、個人だけを責められないというようなことも言っていた。
http://www.twitlonger.com/show/gncboa
なるほど。つまり、ここでも新しい判例ができたというわけですね。
つまり、この判例で、田代検事の虚偽記載、すなわち、虚偽公文書作成に気づきながら、ただちに捜査して、刑事事件として立件しなかった東京地検特捜部幹部も、すべからく、犯人隠避が成立するとおっしゃったに等しい。
そして、前田と大坪・佐賀の三人を悪人に仕立てて、特異性を強調することによってトカゲの尻尾にしようとしたにもかかわらず、しっかり、組織全般の問題と看過されたと。
これは、検察が裁判所を、うまく嵌めたつもりが、逆に嵌められた、といえないこともありません。
供述調書の大量却下に引き続き、これは、なかなか、おもしろくなってまいりましたね。
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