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消費税引き上げは今の日本にとって正しい選択か?
所得税や法人税ではなくて消費税を引き上げることのもっとも大きな理由は社会福祉は社会全体で支えるべきであり、すでに所得税や法人税を担う現役世代には課税がされていて、これ以上現役世代に重荷を負わせるべきではないということだ。消費は現役世代だけではなくて若者も老人もするから、社会全体へ課税できるというのだ。しかし、この議論はあまりに大まかで消費税額引き上げによる実際の社会的な影響を誤らせる可能性が強い。
よく言われるように消費税は所得逆進性が強い。つまり高所得者より低所得者のほうが所得税増税の影響を強く受けてしまうのだ。若年層の派遣で生計を立てているというような人たちへの消費税増税の悪影響が考慮されていない。つまり、現役世代への負担を重くしないで社会全体へ課税をするという目的がそもそも果たせていない。現役世代の低所得層に対する消費税でのよりいっそうの増税は彼らの社会的な地位をより固定化し、社会的なスキルを身につけることを妨害し、結婚を不可能にすることにより少子高齢化に拍車をかける結果になる。
現役世代といっても年収数億円を超える人たちがいるし、年収が200万円に満たない人々もいる。年金受給世代にも年収が数千万円を超える人たちもいるし年収が100万円行かない方たちもいる。こういった差に目をつむってしまい、単に現役世代、退職世代という対立を言っても問題解決に結びつかない。
所得が低いのはその人個人の自己責任だというのならそれはそれでもいい。自分はそう考えると堂々と主張すればいいのだ。しかし、現状は異なる。世論を誘導して、多くの人をだましている。わざわざ階層化を深刻化させる税制にしようとしているわけだ。本来なら、こういった税制もある、ああいった税制もあるといろいろな税制のメリットとデメリットを政治家が一般市民に示して、市議会議員レベルで集会が持たれ、その上で選挙で税制を選択しなければいけない。そうなれば、当然多数を占める中・低所得層に有利な税制が選択されることになる。それをしないで一部の高所得層に極端に有利な税制にどんどん変えようとしているのが現状なのだ。背景にあるのはアメリカの手先となって働く人たちを優遇するということだ。典型がITバブルに乗って財を成した人々で年収が数億から10億円以上の六本木ヒルズ族と言われる人たちだ。そして、情けないことに、年収1000万から2000万という人たちは社会の中堅として最も社会的な影響力が強いはずが、ただただ自分たちの現在の地位にしがみつき、結果的に年収数億円以上という人たちをますます有利にする税制改定を黙認してしまっていることだ。
こういった状況が続けば、ますます植民地化は進み、たとえばいっぺんに数千億円を海外投資ですったという形で利益が国外へ吸い取られていくばかりだ。やがて極限までいけば国ごと捨てられるだけだ。
現役世代に対しては所得税制を1974年以前のもののように累進性を高めたものにするべきだ。1974年以前の所得税税制は http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E#.E6.89.80.E5.BE.97.E7.A8.8E.E3.81.AE.E7.A8.8E.E7.8E.87.E3.81.AE.E6.8E.A8.E7.A7.BB" target="_blank">「所得税率の推移」 を見ればわかるように、年収60万円以下の税率10%から年収8000万円以上の税率75%まで19段階に分かれていた。現在は年収195万円以下の税率5%から年収1800万円以上の税率40%の6段階になってしまっている。以前は高額な報酬を提示されても税金でかなり持っていかれたから、買収の魅力があまりなく、報酬を断念して社会的な公正さを選ぼうという動機付けが働いた。しかし、現状は高額な報酬を提示されるとそれがそのまま自分の収入になり社会的な公正さを犠牲にしても自分の利益を得たいという態度をとることを許してしまっている。更に、最高税率が年収1800万円超えで線引きされているため、たとえば年収2000万円ぐらいの方が累進性を高めることに反対してしまい、これが年収数億を超える人たちの特権化を守る役割を果たしている。
現役世代ではなく、退職世代についても年金収入が年に600万とか800万を超える方たちはかなり数多くいる。多分数百万人規模でいるはずだ。退職世代に対して負担を求めるならこのような人たちへ負担を求めるべきであり、年金収入に特化しての所得税を課すことで税収を確保するべきだ。
現在の日本の消費税は食料品や衣料品にもぜいたく品と同じ税率をかけることで、極端に富裕層優遇となっている。このまま税率を5%から10%に上げれば格差社会化がますます進み結果的に植民地化がよりいっそう徹底するだけだ。日本社会が全体として団結して行かなければ、社会の劣化はどんどんと進み、近い将来破局を迎えるだろう。
繰り返すが、単に消費税を10%に上げるのは現状の問題をなんら解決はしない。かえって悪化させるだけだ。前原誠司民主党政調会長や岡田克也副総理が中心となって取り組んでいる今の消費税引き上げは却って日本社会をだめにするだけのこと。反対しなければいけない。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から連番号を付しています。<<1055>>
TC:37544, BC:152318, PC:?, Mc:?
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