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「被災地は大変な思いで瓦礫処理に取り組んでいます…(中略)…被災地のために力を貸して下さい」。去る18日、川崎市で行われた細野豪志環境相の街頭演説だ。細野大臣に限らず、政府、マスコミはあげて「瓦礫を受け入れることが被災地の復興を早める」と大キャンペーンを張る。
大概の人は「市街地に瓦礫が残っていたら、復興の妨げになる」と考える。筆者もついこの間までそう思っていた。テレビが紹介する被災地の映像は確かに瓦礫だらけだ。
26日、衆院会館で開かれた市民団体と環境省の交渉のなかで、政府側の説明にウソがあることが明らかになった。
環境省の説明はこうだ―「岩手県は(ゴミ)11年分、宮城県は19年分の災害廃棄物(瓦礫)が出た。これを3年で処理しようとしている。今後25機の仮設焼却炉を被災地に設置して処理するが、8割までしかできない。2割(400万トン)が余るので広域で処理してほしい」。
市民団体側の青木泰氏(環境ジャーナリスト)が「3年」の根拠を追及した。「津波の影響もあり、農地回復のため塩分を抜くのに5年位かかるという。これだけ嫌われている広域処理をなぜやるのか?規模の縮小や中止は考えないのか?」
環境省廃棄物対策課調査係長・豊村氏はすらすらと答えた―「阪神・淡路大震災が前提にある。仮置き場に瓦礫が積もっているのを見て、周辺住民はどうやって暮らしていくのか。どうしても広域処理が必要」「仮置き場のまわりにも人はいる」。
すかさず市民側から指摘があった。「ほとんどの仮置き場は(人が住んでいる)街にありませんよ。仮置き場に行ったことがありますか?」
豊村係長は言葉を失った。「すべて行ったというわけではありませんが…」と誤魔化すのがやっとだ。場内から拍手が上がった。
仮置き場が住民の近くにないのであれば、瓦礫がすぐさま復興の妨げになるわけではない。3年という現在の処理期限目標をあと数年伸ばせば、広域処理をする必要はなくなる。広域処理を急ぐ政府の大前提となる根拠が崩れた瞬間だった。
文科省が校庭の放射線量を20mSv/年に設定した時も、市民の追及に政府の役人はタジタジとなった。政府が根拠のあいまいなことを言って国民を欺き、瓦礫を拡散したがる、本当の理由を知りたい。
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