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株式日記と経済展望
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フランスの公共投資対GDP比率を、日本が下回ってしまったのだ。
これはもはや、国家的自殺としか表現のしようがない。三橋貴明
2012年3月26日 月曜日
【図146−1 主要国一般政府公的固定資本形成対GDP比率の推移(単位:%)】
確かに90年代は異常に公共投資が多かったが現在は劇的に減りすぎている!
◆第146回 国家的自殺を後押しする者たち 3月21日 三橋貴明
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2012/03/21/015294.php
97年の橋本政権による緊縮財政開始以降、日本の公共投資は「日本史上空前」のペースで減らされた。特に、道路関連の建設投資が減らされに減らされ、今や日本の高速道路のサービスは、主要先進国最低であるのはもちろんのこと、韓国にさえ劣っている。
日本の公共投資は、国土的条件がまるで異なるフランスを、08年以降に対GDP比で下回るようになってしまった。フランスと日本とでは何が違うのかと言えば、ずばり「自然災害の有無」と「国土的条件」である。
フランスは南東部のアルプス山岳地帯のごくわずかな地域を除くと、地震がない。「地震が少ない」のではない。「地震がない」のだ。それに対し、日本は国土面積は世界のわずかに0.3%に過ぎないにも関わらず、マグニチュード6以上の大地震が集中して発生する。何しろ、日本列島はユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートと、四つの大陸プレートが交差する真上にある。
フランスに行かれた方は、是非、高速道路の「脚」に注目して欲しい。フランスのシャルル・ド・ゴール空港からパリ市内に向かう高速道路の橋脚は、まるで「板」のように見える。要するに、薄いのだ。それに対し、日本の高速道路の橋脚は、太い柱になっている。あれは別にわざわざコストをかけているわけではなく、あの構造にしなければ、頻発する地震に橋脚が堪えられないためなのである。ちなみに、フランスのパリ周辺では、有史以来、大地震が起きたことがない。
また、日本は国土が細長く、真ん中に脊梁山脈が走っている。さらに、一級水系(河川)が109、二級水系は2713もある。国土が山岳地帯と河川だらけになっているのだ。結果的に、高速道路一本引くにしても、トンネルや橋梁を設置しなければならない。さもなければ、日本国内の物流や人々の流れは、「自然」により分断されてしまうのである。
それに対し、フランスは国土の70%以上が平野だ。しかも、アルプスがある南部を除き、残りが「全て平野」なのである。南はトゥールーズから、ボルドー、ナント、ブレスト、ル・マン、パリ、ランスに至るまで、およそ1000Km以上の広大な地域に平野が広がっている。山がないのみならず、河川も少ない。あるにはあるのだが、フランスの河川は「少数の長大な河川」が、広大な平野をゆったりと流れていく。そのため、高速道路を建設する際のコストが、日本と比較すると安くなる。トンネルや橋梁の数が少ないわけだから、当然だ。
しかも、日本には台風が来るため、水害や土砂災害にも備えなければならない。さらに、豪雪地帯の問題もある。日本のように、新潟のような大都市が豪雪地帯に立地している国は、世界中にどこにもない。(日本より寒い地域に都市が存在するケースはあるが、豪雪地帯はない)
当たり前だが、フランスに台風は来ない。豪雪地帯もない。結果的に、フランスは高速道路を建設するに際し、「自然災害」や「地形」に妨げられることがほとんどない。
このフランスの公共投資対GDP比率を、日本が下回ってしまったのだ。これはもはや、国家的自殺としか表現のしようがない。
日本の中央政府及び地方自治体(一般政府)の公的固定資本形成対GDP比率は、08年に3%という恐るべき水準にまで低下した。自然災害が多発し、山脈や河川が多い日本の場合、一般政府の公的固定資本形成対GDP比率を、せめて6%程度で維持しなければ、国民の安全を守ることはできない。ところが、今や自然災害が相対的に少ない欧米諸国と同じ水準にまで下がってしまった。
ちなみに、日本以外の主要国の一般政府が、公共投資をどのように推移させてきたか。橋本政権以降の日本と比較すると、眩暈がするような状況であることが理解できる。
図146−2の通り、イギリスやアメリカは公共投資を96年比で3倍前後にまで拡大している。カナダは2倍、フランスは1.65倍だ。ドイツは一時的に公共投資を減らしてはいたが、09年には96年と同水準に戻している。
それに対し、日本のみが延々と公共投資の削減を続け、96年比で半分にまで縮小してしまった。この「惨状」を見て、それでも、
「日本の公共投資は多すぎる!」
などと言ってのける評論家がいるのであれば、その理由を論理的に説明しなければならない。結局のところ、彼らはデータや他国の状況を見ることもなく、単純に「イメージ」あるいは「ノリ」で、日本の公共投資を批判しているだけなのではないか。すなわち、イデオロギーとしての「公共投資悪玉論」だ。
日本の公共投資は、別に外国から指摘されて減らしてきたわけではない。国内マスコミを中心に、データではなくイデオロギーに基づき展開された公共投資悪玉論に、政府が逆らえなくなってしまった結果である。無論、最終的な責任は、公共投資の必要性について正しく説明しなかった政治家、さらに言えば彼らを当選させた国民に帰せられてしまうのだが、それにしてもマスコミの「公共投資嫌い」は異常だ。(後略)
(私のコメント)
去年は東日本大震災と、今年の冬の大豪雪で、パワーシャベルやブルトーザーなどの重機が足らなくなってしまった。以前なら建設会社の重機が復興作業や除雪などを行なってきましたが、長年の公共事業の削減で建設会社が倒産したり廃業して重機が少なくなっていた。だからいつまで立っても瓦礫が片付かずに放置された。
確かに90年代までは公共投資は、欧米に比べると多かったのですが、毎年のように公共事業は削減されてきてフランスやカナダ以下にまで減ってしまった。フランスやカナダは大陸だから大地は平野が広がり川も少ないからトンネルや橋も少なくてすむ。それに比べると日本は山国であり中小の河川が交通を遮断している。しかも地震国で台風も毎年のようにあるから破壊されやすい。
だから三橋氏が言うように日本は欧米諸国よりも道路や堤防や橋などの補修などの維持費用がどうしてもかかる。冒頭のグラフにもあるように日本のインフラに対する公共事業の費用は劇的に減ってしまった。財務官僚たちが言っているようなこう今日投資をしても景気は回復しなかったというのは嘘であり、1999年に一度僅かに増額しているだけで減額され続けてきた。
公共事業のGDP割合は6%台から15年足らずの間に3%台にまで減ってしまっている。これでは地方経済が疲弊して、建設会社は倒産して、地方経済は疲弊してデフレ経済になるのは当然だろう。もちろん過疎地に高速道路を作っても経済効果は少ないだろう。しかし60年代から80年代に作られた道路や橋やトンネルなどは補修が必要になって来ており、河川の浚渫や堤防の補強などもしなければならない。
最近では集中豪雨が多くなり堤防の決壊などで浸水事故が多い。東日本大震災でも高さ10メートルの大堤防は役に立ちませんでしたが、15メートルの堤防なら防げた。もちろん三陸の海岸を15メートルの大堤防を作れとは言いませんが、一箇所だけ15メートルの堤防を作って助かった村がある。被害も一人の死者だけですんだ。
竹村健一氏などは、「日本中の海岸をコンクリートだらけにした」とテレビでよく批判していましたが、評論家だからそう言えるのであって、日本の荒い海に住む漁村などから見れば大堤防が無ければ命に関わる。河川なども集中豪雨で鉄砲水が出れば河川沿いの町は水没してしまうから堤防の補強と河川の浚渫は必要だ。
しかし毎年減額されてきた公共事業によって、土木建設会社は少なくなり、大豪雪が降っても道路の除雪もままならず、屋根の雪を下ろす建設作業員もいなくなってしまった。「株式日記」ではある程度の公共投資は必要であると書き続けてきましたが、自然環境の厳しい日本列島で欧米並みの公共事業費ではインフラの整備が疎かになるだろう。
東京でも首都高速の経年劣化で大補修が必要になって来ていますが、来るべき大震災に対する対策としても補強工事が必要だ。このようの国がやるべき公共事業は山のようにあるのですがマスコミの公共事業削減大キャンペーンの為に公共事業費は削られ続けてきた。最近は竹村健一氏をテレビで見かけることがなくなりましたが、現在でも「海岸をコンクリートだらけにしている」と言っているのだろうか?
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