http://www.asyura2.com/12/senkyo127/msg/906.html
Tweet |
小沢一郎は平成の「西郷隆盛」 いま小沢抹殺なら国はどこへ行く
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-5344.html
2012/3/23 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
消費税増税は政権交代の公約に反すると行動する小沢と明治維新後の国づくりに理想を求めた西郷南洲と識者にダブるこの国の行方
明治維新の原動力となった西郷隆盛(南洲)と、政権交代の立役者となった小沢一郎。ずんぐりとした体形で口も重い2人は、思考や行動パターンも似ている。
仲間から疎まれても歩みを止めず、愚直に理想を追い求め、正義を実現しようとした姿勢がそっくりなのだ。
歴史作家の加来耕三氏が言う。
「おそらく西郷は、心の豊かな無欲の人間が庶民に優しい政治をするべきだと考えていたのだと思います。だから、伊藤博文や井上馨が行ったような、一部のエリート官僚が国を引っ張るというやり方に反意を抱いていた。目指したのは道義的な政治。身分制の上に成り立っていた幕府を倒したのも、エリート主導の政治を打破するためでした。官僚統治を変えようとした小沢さんと考えは同じです。しかし、維新後すぐに長州出身の官僚たちが権力に安住して汚職をするようになった。大久保利通も、長州の藩閥政治に乗っかった。西郷は深く幻滅しています。このあたりも小沢さんとよく似ている」
内村鑑三は英文著作「Representative Men of Japan」(邦題は代表的日本人=岩波文庫)で、西郷を「新日本の創設者」と海外に紹介した。〈一八六八年の日本の維新革命は、西郷の革命であったと称してよいと思われます〉とした上で、〈同僚たちが止まろうとしたところを、西郷は出発点とみなしていたので、ついに決裂に至りました〉〈維新革命が、西郷の理想に反する結果を生じたために、言いしれぬ魂の苦悩を覚えていました〉と書いている。
権力を手に入れたことで満足し腐敗にまみれた官僚支配国家をつくった伊藤・井上一派と、権力を手に入れたからこそ日本を根本から変えられると前に進もうとした西郷。一方で、政権維持が目的で財務省と手を結んだ野田政権と、マニフェストを守り国民主権を取り戻せと叫ぶ小沢――。歴史は繰り返すというが、時代は変わっても、対立の構図は同じである。どちらが真に国の将来を見据えているかは、火を見るよりも明らかだろう。
◆仲間に追い詰められた西郷と小沢
明治維新から140年余りが過ぎた今、多くの政治家が軽々しく「維新」を口にしている。「われこそは平成の坂本龍馬」と声高に叫ぶヤカラの何と多いことか。喜々として「船中八策」をパクっているのもいる。しかし、維新を例に出す政治家が目指すべきは龍馬ではない。南洲だ。きまじめに理想を追うことが求められているのである。
ただ、残念ながら、西郷のような度量を感じさせるのは、小沢ひとりだ。「平成の西郷隆盛」と呼ぶにふさわしい。
それだけに気がかりである。西郷は李氏朝鮮への外交政策をめぐり、仲間に政府の参議を辞職するまで追い詰められ、西南戦争で散った。でっち上げの証拠で裁判にかけられ、仲間に党員資格を奪われた「平成の西郷隆盛」も、同じ道を歩もうとしているのではないか。
「新政府の連中は、薩摩に戻り静養していた西郷を恐れ、さまざまな形で挑発。これに反発した若者が暴走したため、西郷は決起せざるを得なくなった。その結果、西南戦争に突っ込み、滅亡しています。もし死ななければ、官僚の力をそぐ政治が実現していたかもしれません。一方の小沢さんは滅んでいない。政治的にも生きています。
でも、周囲に存在を恐れられ、さまざまな妨害を受けているところは酷似している。4月26日の裁判で無罪となったら、民主党執行部は小沢さんを必死に潰しにかかるでしょう。マスコミも巻き込んで、『日本の将来にとって小沢は危険だ』とあおるはず。西郷も小沢さんも、力があるがゆえに、権力の側に危険視されるのです」(加来耕三氏=前出)
いつの時代も、頑固で揺るぎない信念を持った人間は、私利私欲にまみれた連中にとって煙たい存在だ。手にした権益を守りたい悪党は結託し、まぶしい邪魔者を排除しようとする。
だが、小沢まで抹殺されたら、この国は終わりだ。再び間違った道に進むことになる。
◆小沢が志半ばで倒れれば、国家の滅亡は必至
政権交代前から「国民の生活が第一」を掲げ、「明治以来の統治システムを改める」「官僚主導の政治を終わらせる」と訴えてきた。そんな政治家が消えて喜ぶのは、既得権益にあぐらをかいている旧体制の連中だけだ。
政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「小沢さんは正論を言う政治家です。野田政権が進める消費税増税に反対するのも、筋が通っている。民主党は09年衆院選で消費税増税を否定しています。国民に約束したことは、守るのが当然。ないがしろにするのなら、民主主義は成り立ちません。野田政権は、一体改革をうたいながら社会保障は置き去りで、身を切ると言いながら定数削減や議員歳費はさっぱり進まない。そんなデタラメで国民を納得させようというのだから、乱暴な話です」
野党時代、野田は国会議員が中心となった芝居「敬天愛人! 隆盛の如く」で、西郷隆盛を演じたが、瓜二つなのは体格だけ。中身は似ても似つかない。むしろ西郷南洲を排除して官僚支配を許した長州出身者と酷似している。
いまは明治維新後の南洲抹殺と同じだ。歴史の曲がり角に差し掛かった。小沢が政治的に生き残るか、死ぬかで、日本の将来は大きく変わる。
政治評論家の有馬晴海氏が言う。
「小沢さんは自民党的な談合政治、官僚政治を打破しようと考え、自民党を飛び出した。そのために健全な保守による2大政党が必要で、目の色を変えて政界再編に突き進んだ。すべては自民党政治が続けば国が滅ぶという思いからです。政治の仕組み、社会の仕組みを変えるために、嫌われても、遠ざけられても、力を尽くしてきた。そんな政治家が志半ばで倒れれば、新しい日本への取り組みも遠のきます。多くの政治家は、適当にやっていてもメシが食えるからと何もしない。理想を掲げて行動する政治家はどれだけいるのか。小沢さんが西郷と同じ道をたどれば、日本の改革は10年、20年遅れます」
作家の江藤淳は「南洲残影」(文春文庫)で、〈この国が崩壊を続けていることだけは疑い得ないように思われた。その国は、西郷が滅亡必至と見た国の成れの果てか、しからざるか〉と書いている。西郷と同じ未来が見えるのは小沢だけだ。殺すわけにはいかない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK127掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。