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消費増税法案 採決時に反対する為にも、法案への数値目標明記は譲れない
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/ccabc29258f12605155eaf6f8ed35d4d
2012年03月21日 世相を斬る あいば達也
今夜の消費増税に関するコラムにも関わることが、谷垣総裁、大島副総理が揃って“奇策”を披露した。谷垣は「消費税に政治生命をかけるなら、断固反対派を切ってでも前に進む決断ができるかできないかだ」と小沢切りに注文をつけ、大島は「野田首相が、国会に消費増税法案を出せないようなら、不信任案の提出?」と民主党の増税反対派を牽制するように、野田に奇妙なエール。しかし、他党の議員の首を斬れなどと注文をつけている醜さに気づかないのが不思議だ。
まぁ野党自民党の主張をまともに取り上げても意味はないので、本論に。民主党は20日、消費増税法案の党内意見集約に向け協議し、財務省事務局が仕掛けた“追加増税条項”から「16年度」を削除、「公布から5年後を目途」に修正?子供ダマシのような話に終始しているようだ。マスメディアの多くも、“追加増税条項”を大きく問題視する報道に徹し、如何にも民主党で議論の結果、“削除”と云う言辞が使えるアリバイ作りに奔走している。
以前にも書いた事だが、この“追加増税条項”等と云うものは火事場ドロウボウのような事務局の作為であり、法案の本質の議論とは、かけ離れた項目である。そこに執着し議論の方向性を演じる議員らは、政府の意を受けた回し者集団と断じても良い。財務省としては、消費増税の党内議論が“そもそも論”に向かわないよう、細心の注意を払っている。故に、マスメディアも本論から、少しでも離れた項目を重視する報道に徹している。
そもそも、EU・ユーロ圏の混乱に導いた伝染病“緊縮財政”の発信元はIMFであり、それに油を注いだのが金融資本主義の権化である“格付け会社”である。今や、世界中が「財政再建病」に罹患しているが、「財政再建病」と云う伝染病を“緊縮財政”と云うワクチンで駆逐したら、経済が好転するとか、国民が豊かになると云った解は得られていないのである。まして、消費増税で「財政再建病」が克服できるシナリオは何処にも存在しない。
小沢一郎が主張しているのは、消費税増税は必要か、不必要か、今判断すべき時期ではない。単に景気が好くなったら、増税しても良いとまでは言っていない。要するに、国家の統治のカタチを変えた上で、考え出せば良い話だ、と言っている。政治家が国家財政等を考える場合、現在財政を切り盛りしている財務省の土俵の上に乗っかって議論する事は愚行でしかない。民主党の面々は既に財務の罠に嵌っている。しかし、此処まで来ると原点回帰は難しいだろう。
それでは、どうすれば良いのか?まず、“追加増税条項”等と云うものを議論しない事である。仮に議論せざるを得ないのであれば、“弾力条項”の数値化だ。この主張を最後まで貫くことだ。この弾力条項の数値化(名目経済成長率3%、実質2%)の目的の一つは、実質消費増税が滅多な事では実現出来ないと云う狙いだ。もう一つの目的が直近では極めて重要だが、衆議院において、この消費増税関連法案の採決時に、反対又は欠席と云う意志表示をする為の“大義”として留保する事である。この“大義”は各議員にとって極めて重大な意味を将来的に持つ。
この“大義”で反対乃至は欠席した議員は、「消費税増税に反対した議員」と云うお墨付きを手に入れる事が可能だ。「国民の生活が第一」、「財政再建でやるべきは、国のカタチを変える事だ」「中央から地方への加速が最重要課題だ」このような看板を背負って選挙戦が戦える。消費増税に反対した明確なアリバイの“印籠”は選挙資金2000万円以上の価値がある。無党派の票を得るには、これが最大の武器である。
財政再建の土俵上での思考展開だが、現代ビジネスに馬渕澄夫のコラムがあったので、貼りつけておく。馬渕議員は成長戦略に乗っているので、筆者との土俵は異なるが、正攻法の国会議員の考えとして好感を持つ。筆者の疑問としては、この馬渕議員の論点まで達した上で、民主党や野田官邸が消費増税法案に取り組んでいるとは思えない。実は此処が問題なのだが、政治家の経済への理解度を鑑みるに、些か高度な経済論かもしれない。
≪ あらためて言う。消費増税法案に経済成長の数値を明記した 「弾力条項」が必要なこれだけの理由
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32092
消費増税法案の党内事前審査議論は、弾力条項として数値目標を明記させるか否か、そしてさらなる増税規定を削除するか否か、この二点に集約されてき た。前者は附則の18条、後者は同28条の規定である。
5年後のさらなる増税を規定する28条は、法案当局としては削除される可能性を十分考慮したうえでノリシロとして書き加えられた条文だと考えるべきだろう。議論の中で到底受け入れられない条文を忍ばせて、その取り下げを条件に絶対に譲れないポイントを守るという戦術が見て取れる。もちろん、譲れな いのは附則18条の弾力条項における数値目標の設定だろう。
なぜそこまで数値目標の設定を拒むのか、理由は三つほど会議でも挙げられていた。一つは、経済は生き物であり多様な結果が想定され、政府の政策判断を縛るような目標設定はすべきものではないというものだ。
しかし、そもそも消費増税年度内措置の根拠とされている麻生政権時代の法案附則104条にも前提条件として経済状況の好転は示されている。経済状況が政府に影響を与える、「政府を縛る」のは当然のことである。それを議論するのは観念論としか言いようがない。
二つ目は、数値目標の達成は困難である、との意見だ。名目3%、実質2%、特に実質はせいぜい0.7%がやっとなのに不可能な数字だとの意見だ。 しかし、後述するが、この意見は現状分析をしっかりと行っていないのではないかと言わざるを得ない。
三つ目は、政策は総合的に判断すべきであって数値で自動的にトリガーを引くようなものではないとの意見である。これは一つ目に近いが数値絶対主義を否定する文脈と思われる。いろんな議員の意見はあるだろうが、数値絶対ではなく、数値目標と併せて総合的に判断するという当然の考え方を用いれば、解決できる。
いずれにしても、このような議論の中で、結論をどう落ち着かせるかが問われるわけだ。今一度、この18条についての整理を行ってみたい。
■数値目標が必要な理由
○数値目標の意味
そもそも数値目標の意味を考えてみよう。まず、消費増税を実施するか否かについて数値目標を設定することで、家計や企業などの民間は、経済状況が 数値目標から乖離している際に、政府が何らかの行動を起こすことを期待することになる。
例えば、名目3%成長や実質2%成長を明示的に目標設定した場合、民間は、政府が名目3%成長、実質2%成長に向け、新成長戦略を実施することやデフレ脱却に向けた政策の推進を「強く期待」することになる。
さらに民間は、数値目標に従い政府の行動を予見するのみならず、予見に基づき消費や投資を決定する。つまり、成長を志向する数値目標を設定するこ とにより、民間の活発な企業活動、消費活動が促され、これにより数値目標が達成される可能性が高まるのだ。
もちろん、「政府が新成長戦略に基づき、「日本経済を良くしようと行動すること」が信頼されていることが前提となる。政府に閣議決定の遵守が求められるのは言うまでもない。
○数値目標の例
今回の議論されている「増税」のトリガーに数値目標を採用している先進諸外国はないとも言われるが、数値目標を政策として用いていることは特別の ことではない。例えばほとんどの先進国で、金融政策にインフレ目標が導入されている。これは、インフレ目標を設定することにより、中央銀行の政策に対する予見可能性が高まり、民間のインフレに対する期待が安定することを目的としている。
仮に、何らかの経済の変動により、インフレ率が高くなった場合には、「中央銀行が金融を引き締める」ことを民間は予想し、企業行動や消費行動を決定する。例えば、金融引き締めを予想すれば、企業は投資を抑制する方向に動く。
つまり、中央銀行の金融引き締めを予見した民間の活動により、経済活動は実際に中央銀行が政策変更をする前に抑制されることになり、インフレ率の沈静化が達成されることになる。 このようなインフレ目標が機能する前提には、「目標にしたがって中央銀行は政策を実施する」という中央銀行に対する強い信頼感が前提となるのは言うまでもない。
○総合的判断の弊害
先述したように民間は、政府の行動を予見したうえで、自らの投資や消費の行動を決定する。仮に法律上に経済上の好転について、明文化が行われれば、民間は、自ら消費税の引き上げの可能性を判断し、投資や消費活動を決定することになる。これは、「駆込み需要」の前倒し効果を生む。97年におきたような消費税引き上げ直前の大規模な消費・住宅投資の増加と引き上げ後の大幅な反動減を避けることが可能となる。
仮に総合的判断とした場合、政府が消費税引き上げをどのように判断するのか、明示されないこととなる。民間は、消費税引き上げが行われるのかどうか、疑心暗鬼の中で、投資や消費活動を決める必要が生じる。実際には、97年と同様の「大きな経済変動」を生み出す可能性がある。
■目標の妥当性、新成長戦略上の数値の妥当性
○実質2%は達成不可能な数字か?
現在の日本の潜在成長率は1%前後と認識されている。また、2011年11月内閣府発表では、マイナス3.5%の大きなGDPギャップがあること が認識されている。まともな金融政策が行われる場合には、GDPギャップが縮小される方向すなわち成長率で見ると、成長率が上ぶれる方向に推移することになる。また、震災からの復旧・復興の本格化が今後期待されている。さらに、政府は新成長戦略を策定し、2%の実質成長率の達成を目指している。 したがって、当面、実質GDP成長率は、以下のように期待される。
当面の実質GDP成長率 = 潜在成長率1%+GDPギャップ解消分α%+震災からの復旧・復興による分β%+新成長戦略による加速分
ここで、新成長戦略による加速分は判然としないが、GDPギャップ解消分については、仮に3.5%のギャップを今後5年間で埋めると考えると、毎年、0.7%程度、実質GDP成長率が加速することになる。また、震災からの復旧・復興についても、2011年7-9月期、10-12月期が対前期比マイ ナスであるなど、GDP速報の公共投資が低調であることから、今後、加速することが期待できよう。
これらから、
実質成長率 = 1%+0.7%+震災復旧・復興分
となり、震災復旧・復興に向けた政治の強い意志とまともな金融政策により、2%の実質成長率の達成は可能となると考える。
なお、名目GDP成長率については、私がかねてから主張しているように、政府としてデフレ脱却に向けたまともな金融政策を日本銀行に求めることに より、達成されることになる。
こうした経済に対してのまともな議論がこの機に行われることを大いに期待したい。≫(現代ビジネス:政治を考える・馬渕澄夫)
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