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逆風ふきすさぶ民主党を覆う「解散恐怖症」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32081
2012年03月19日(月)田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
衆院解散・総選挙を何とか避けたいという思いが民主党を覆っている。消費増税にこれほど反対が強いのは支持者の反発が強いだけでなく、増税法案の処理が解散・総選挙に行き着きかねないという不安があるからだ。衆院の定数が違憲・違法状態に陥っているのに解消できないのは解散・総選挙をしにくい状態にしておきたいからだ。
「衆院を解散するのはみんな嫌ですよ」。
消費増税に強く反対している元代表・小沢一郎の周辺からでさえ、こんな声が漏れる。2009年8月末の総選挙で圧倒的な有権者の支持を得て政権を獲得した民主党はいまや、民意の反撃を恐れ、きゅうきゅうとした日々を送っている。
■驚愕の落選予想データ
民主党議員がこうも総選挙を恐れるのは、昨年12月16日に当選1回の衆院議員らを対象に実施した党独自の世論調査があまりに悲惨だったからだ。比例代表復活を含め、小選挙区で当選した議員と新人候補計106人を対象に実施したこの調査で、当選する可能性がある議員は30人台にとどまった。
彼らの選挙区は(1)自民党の候補者が決まっていない(2)自民党候補が決まっていても、落選したベテランの自民党元議員も立候補し保守分裂になっている(3)みんなの党の候補が立っている――ところが多い。言わば、選挙区事情に助けられているところで、自力で当選しそうな選挙区はほとんどなかった。
しかも、調査時期は民主党議員が「あれを機に、民主党に対する不満がコップからあふれ出した」と嘆く八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設継続決定(昨年12月22日)よりも前の時点だ。09年9月16日の民主党政権発足当日に打ち出された八ツ場ダム建設中止は政権交代のシンボルだったのだが、民主党政権の首脳陣はあまりに軽視していた。
この調査データは年が明けて1月中旬から、一人ひとりの議員・候補に手渡された。議員らはこのデータを見てがく然とした。無党派層の支持が大きく落ち込んでいたからだ。民主党は当選2回以上の議員についても調査を実施する計画で、「解散恐怖症」はもっと広がるに違いない。
■追いつめられる前に・・・
落ちそうな時に選挙をしてほしくない、一日でも長く議員バッジを付けていたいというのは、議員として当然の心理である。とりわけ、民主党は野党から与党になり、政権のうまみ、政権党だからマスコミから脚光を浴び、霞が関官僚からもちやほやされる喜びを知ってしまった。
この点において、「万年与党」だった自民党よりも民主党の方が権力を失うことへの恐怖心は強い。しかし、選挙を恐れていたのでは真っ当な政権運営、思い切った政策展開はできなくなるのは言うまでもない。
解散・総選挙時期を先延ばしすれば勝てる状況が生まれるか? 自民党政権時代、08年秋に当時の首相・麻生太郎が200議席台割れという自民党の調査結果を見て解散を見送った結果、さらに追い詰められて09年の総選挙では119議席にまで落ち込んだ。
民主党議員がいかに解散を恐れようとも、解散がないとは言い切れない。消費増税法案が5月にも特別委員会での採決を経て衆院本会議に上程された時、小沢系の議員が大挙して反対票を投じるなら法案は否決され、首相・野田佳彦が衆院解散に踏み切る可能性がある。また、自民党が消費増税法案に賛成する見返りに、野田が解散を約束することも考えられる。
「消費税政局」を、国会審議に時間を掛けることによって先送りしても、その先には野党が提出するとみられる内閣不信任案や首相問責決議案の採決、成立しないと予算の執行が滞ることになる特例公債法案、交付国債法案の処理を迫られる。
株式用語に「損切り」という言葉がある。将来、より大きな損失が予想される場合、損を覚悟で見切り売りすることだ。民主党に求められているのは、より大きな敗北を回避するために、衆院選マニフェストの過ちを率直にわび、逆風に対して毅然として立ち向かう姿勢ではないか。(敬称略)
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