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消費増税は誰が背後で操っているのか 現実から逃避した野田政権
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2012/3/17 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
政権交代前は消費税増税は4年間しないと絶叫した野田バカ首相がなぜ突然豹変したのか
消費税アップに突っ走る野田首相について、小沢一郎が「なぜ、このタイミングで野田首相が消費税アップを進めるのか分からない」「国民の気持ちが分かっていない」と漏らしたそうだが、本当にその通りだ。
ただでさえ、日本は深刻なデフレ不況にあえいでいるのに、これ以上、国民負担を強めたらニッチもサッチもいかなくなるのは目に見えている。だから、どんなに大新聞テレビが消費税アップ賛成のキャンペーンを張っても、国民の半数以上は反対のままだ。誰がどう考えても、消費税増税は無理スジなのである。
ドジョウ首相も、ほんの3年前まで消費税アップに反対していたはずだ。09年衆院選の時、〈シロアリ役人を退治して、天下りをなくす。そこから始めなければ消費税を引き上げる話はおかしい〉〈消費税の税収が20兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません〉と声を張り上げていた。「4年間消費税は上げない」と公約していたものだ。
◆「財務省」「財界」「大新聞」に操られている
なのに、首相に就いた途端「不退転の決意だ」「51対49の党内世論でも手続きを踏んでいく」と消費税アップに血道を上げているのだから、どうかしている。分からないのは、なぜそこまで消費税アップに執着するのかだ。
あれだけ消費税アップに反対していたのに突然、野田首相が豹変した裏に一体なにがあったのか。首相のバックにどんな連中がいるのか。
政権交代後、ドジョウ首相が財務官僚に洗脳されたのは間違いない。
なにしろ、「このままでは日本はギリシャの二の舞いになる」「社会保障が持たない」などと、首相が消費税アップを進める理屈は、財務官僚の説明そのままだ。ズル賢い財務官僚にとって、財務副大臣、財務大臣として2年間、財務省で過ごしたドジョウ首相を洗脳するのは簡単だったに違いない。
首相を背後で操っているもう一方の黒幕が「財界」だ。大企業にとって消費税アップは、決して悪い話じゃないのだ。
「国際競争力が落ち、業績が悪化している大企業が切望してきたのが、法人税率の引き下げです。経団連はこの数年、しつこく法人税率の引き下げを要求してきた。でも、法人税を減税する財源はない。そこで消費税増税を実施し、財源を捻出するつもりでしょう。実際、法人税率の引き下げは決定しています。消費税増税で庶民から広く税金を吸い上げ、経済界に還元させる構図です」(政治評論家・本澤二郎氏)
大新聞が消費税アップに賛成しているのも、同じようなカラクリだ。
消費税が10%になった時点で、新聞は非課税になるとみられている。すでに新聞協会は、野田内閣に対して「新聞購読料の消費税率軽減の適用」を求めている。自分たちは消費税アップの影響を受けず、さらに法人税減税によって経済界に余裕が生まれれば、広告も期待できるという計算だ。
大新聞と財界は「国難だから消費税アップも仕方ない」などとキレイ事を口にしているが、一皮めくれば打算と私利私欲。
「財務官僚」「財界」「大新聞」の黒幕たちが、バカ首相を背後から操り、消費税アップで暴走させているのが真相である。
◆富裕層、支配層がニンマリする消費税アップ
しかし、消費税増税で庶民の暮らしをガタガタにし、その裏側で黒幕たちがニンマリしているなんて許されない。
驚くのは、消費税アップには、もっと隠された狙いまであることだ。消費税アップは、日本の富裕層、支配者たちにとって好都合なのだという。独協大教授の森永卓郎氏が、新刊「庶民は知らないデフレの真実」のなかで鋭い指摘をしている。
富裕層が一番、恐れていることは、〈増税の矛先が金持ちに向かってくることだ〉と、富裕層の立場について、次のように書いている。
〈金融資産課税はもちろんいけないが、法人税の引き上げや相続税の最高税率引き上げ、所得税の最高税率引き上げ、そして金融所得を含めた総合課税は、絶対に避けなければならない。増税のターゲットは、絶対に消費税だ〉〈消費税ほど、金持ちに優しい税制はない〉
たしかに消費税は逆進性が強いから、庶民にはキツイが、富裕層にとっては大した痛みじゃない。消費税をアップしたら、デフレが深刻化してしまうが、富裕層は大歓迎なのだという。
〈金持ちにとってデフレは天国だ。一番基本的な要因は、金持ちの持っているお金の価値がデフレで上がるということだ〉〈また、官僚のように、実際に保有している資産はさほどでもないけど、おいしい既得権を握っている人たちにとってもデフレは好都合だ。庶民は、デフレで転職が難しくなったり、リストラをされたりするが、終身雇用の公務員は、リストラされる可能性がないからだ。いまのデフレは、金持ちと既得権を持つ人たちの暗黙の共謀によって続けられている〉
ドジョウ首相は、野党時代の3年前、「消費税アップ反対」の大演説をしていたが、いまや完全に黒幕たちに取り込まれ、やっていることは富裕層の使用人も同然だ。
◆なぜ震災復興、原発事故処理、景気対策をやらない
これ以上、無能なドジョウ首相に総理をつづけさせてはダメだ。野田首相は、黒幕に操られている自覚さえないのではないか。
そもそも、いま政治が取り組むべき課題は、震災復興であり、原発事故の収束であり、デフレ不況からの脱却のはずだ。野田首相も施政方針演説で「被災地の復興と原発事故の収束が最優先課題だ」と明言していた。
なのに、どれもこれも放棄し、消費税アップしか頭にないのだから、どうしようもない。
「松下政経塾の限界なのでしょうが、野田首相は視野が狭すぎます。一国のトップは、山積する課題から、なにが重要か優先順位をつけなければならないのに、首相はその判断さえつかない。誰が考えたって、いま大急ぎで対処すべきなのは、震災復興、原発処理、景気対策に決まっています。ところが『このままでは日本の財政がもたない』と、自分で危機をあおって、消費税アップに突き進んでいるのだから、どうかしています。たしかに財政再建は必要ですが、日本の財政があす、あさって、パンクするはずがないでしょう。何年も先の危機をあおって、目の前の課題から目をそらしているのだから最悪です。これじゃ、現実から逃避しているのと同じです」(政治評論家・山口朝雄氏)
マインドコントロールされている野田首相は、なにがなんでも「消費税アップ」を強行するつもりだ。このままでは庶民だけが泣かされる。本当にそれでいいのか、民主党議員はよく考えるべきだ。
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