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反自民の鳩山、非自民の菅、親自民の野田
http://diamond.jp/articles/-/16602
2012年3月15日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授] :ダイヤモンド・オンライン
■“自民党政治”に逆戻りした民主党政権
大震災後1年を経て、あらゆるものが大きく変わった。外から見て変わらないものでも、中身が質的変化を遂げて、変わったものもある。
ところが最も変わっているはずの政治はあまり変わっていない。それどころか、民主党政権の政策は、大震災とは無関係に、自民党政治の延長線上を走っているように見える。
政権交代直後の鳩山由紀夫政権は、それでも独自の道を進もうとしているように見えた。だが、それに失敗すると、菅直人政権から今まで自民党が通っていた道を開き直ったように進み始めた。
問題なのは、本欄で指摘してきた4つの重要課題への対応に、大震災で学んだことが反映されていないことだ。
消費税増税の前にやるべき行政改革は、原発安全行政の実態を見て、ますます緊急性が強まっている。行政のチェック機能が麻痺していることを放置したままでは増税を受け入れる人は少ない。
大震災は、地方や第一次産業の重要性をあらためて教えている。拙速にTPP参加に走ることを考え直すべきだ。
また、原発維持か脱原発か、それもあいまいにしてこれからの経済社会や国民生活を展望することはできない。
■歴代民主党代表から感じる大連立への温度差とその背景
まるで現在の野田佳彦政権の政策は、麻生太郎政権の政策をそのまま引き継いだように見える。なぜそうなったのか。
話題の大連立志向については、民主党指導者にかなりの温度差がある。3人の首相の間にも違いが大きいが、それは過去の政治経歴の影響も無視できない。
鳩山元首相は自民党からの離党者。自民党内にも反発はある。だから自民党との大連立などもっての他と考えている。
それに彼は、小選挙区制や二大政党制への思い入れが強い。3人の首相の中では最も自民党に距離を置いている。
菅前首相は、旧革新陣営の人。長年自民党に敵対してきたが、鳩山氏のように行きがかりがない。だから大震災直後に谷垣禎一自民党総裁に電話で大連立を持ちかけるようなことを平気でする。
野田首相は、保守を自称し、日本新党から政界に出た人。菅、鳩山両氏と比べて自民党に対する抵抗感が少ない。自民党からしても野田首相に対する格別の恨みつらみはないだろう。
端的に言えば、反自民の鳩山、非自民の菅、親自民の野田という印象だ。
最近、仙谷由人氏が大連立に前のめりになっている印象を受けるが、これは菅前首相と同じように旧革新だからだろう。枝野幸男氏もそうなる可能性はある。そもそも旧革新の人には必要以上に政治を政略的に考える人が多い。その点、保守の人のほうが純情かもしれない。
岡田克也副総理は、鳩山氏以上に小選挙区制や二大政党制に深い思い入れがある。原理主義者と言われるゆえんである。もしも、政局が大連立から実質的に合同に向かえば、たった一人になっても彼は反対するだろう。
■“ねじれ国会”は民主党が招いたもの 野党の責任にするのは筋違いだ
結局、こうなったのは“ねじれ国会”のせいである。
参院選で民主党が大敗したとき、私は直ちに衆議院を解散して民意を問うべきことを再三主張した。選挙による空白より、ねじれによる空白と迷走のほうがはるかに害悪だと考えたからだ。
その衆院選で民主党が敗北すれば政権を明け渡せばよい。もし勝てば(勝つ可能性もないわけではなかった)、“ねじれ国会”が続いても、衆院選の結果が“直近の民意”となって、国会運営もかなり円滑になっただろう。
“ねじれ国会”を招いたのは民主党政権の責任。だから、“ねじれ国会”を理由として、与野党協調が進まないことを野党の責任にすることは筋違いである。
民主党というより、民主党国会議員1人ひとりの真価が問われる局面が近づいている。
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