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ドジョウには耳が付いていないのか! [田中康夫 にっぽん改国]
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12/03/15 新党日本 田中康夫 :日刊ゲンダイ
天皇陛下は、国立劇場で政府が主催した東日本大震災1周年追悼式で、深い洞察に富む「お言葉」を述べられました。
「この震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」と。
が、“泥鰌”には耳が付いていないのか、式典直後の会見で野田佳彦首相は「(原発再稼働に向け)私が先頭に立つ」。「(瓦礫処理で)国は一歩も二歩も前に出る。日本人の国民性が試される」と宣いました。
細野豪志環境大臣も、「(被災地以外の地域が瓦礫を)受け入れない理屈は通らない」と連呼。3月7日の衆議院内閣委員会で自由民主党の小泉進次カ議員が「(反対する国民は)ノイジーマイノリティ」、「(賛成する国民こそ)サイレントマジョリティ」と述べるや、「小泉委員には瓦礫の処理について本当に前向きに取り組んで頂いて有り難う御座います」と“エール交換”しています。
「被災3県のがれき撤去率9割に」との見出しを冠し「日本経済新聞」が報じたのは、昨年11月5日です。
「環境省によると、東日本大震災に伴う岩手、宮城、福島3県のがれきの撤去率(仮置き場への搬入率)は」「宮城が99%、岩手は92%で、大半のがれきが住宅地や商業地などから仮置き場へ」「収容が進み、復旧復興に弾みがつく」。「東京電力福島第1原子力発電所事故の影響が強い福島は55%に留まる」。
前回も記すが如く、実質的には兵庫県1県だった阪神・淡路大震災の瓦礫は2000万トン。比するに3県に及ぶ東日本大震災は2253万トン。何れも政府資料に基づきます。更には、阪神・淡路に於ける瓦礫のリサイクル率は50%で、その90%が土地造成に用いられているのです。
「フクイチ」30km圏内の「放射能に占領された領土」と、宮城・岩手両県の瓦礫は冷静・冷徹に分けて考え、後者2県でリサイクル可能な瓦礫は高台造成や堤防建設に用い、残り半分の焼却処分すべき瓦礫は“地産地消”の焼却場建設で地域雇用を創出すべき、と述べる所以です。
にも拘らず、「瓦礫受け入れ自治体に財政支援」「自治体焼却場の減価償却費も国が負担」「将来的な拡充も国が支援」と野田・細野両氏が言明するのは何故か、次週で詳述します。
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