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国連人種差別撤廃委員会が日本政府に質問状
http://henoko.ti-da.net/e3847538.html
2012年03月14日 :(辺野古浜通信)
暖かい日がしばらく続きましたが、今日は辺野古も冷えています。
国連の人種差別撤廃条約(あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約)は1965年の第20回国連総会において採択され、1969年に発効しました。日本は1995年に漸く加入しました。「人種差別撤廃条約は、人権及び基本的自由の平等を確保するため、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策等を、すべての適当な方法により遅滞なくとることなどを主な内容とします。」(外務省HP)
この条約における「人種差別」とは、「政治、経済、社会、文化的またはその他のすべての公の生活分野において・・・・人種、皮膚の色、門地又は民族的出身に基づくあらゆる区別、除外、制約または優先をいう」と述べています。(第1条) また「当事国は、事情により必要なときは立法を含むあらゆる適切な手段により、いかなる個人、集団または団体による人種差別を禁止し、終わらせる」と述べ、差別を法律で禁止することを求めています。(第2条)
さらに、人種差別の宣伝・扇動、人種差別にもとづく暴力行為やその扇動、そして、これらを目的とした団体の結成や加入、さらに、これらに対する公的機関の関与や援助、など全て犯罪とみなし、処罰することを求めています。(第4条)
条約に違反した事項があれば、個人または団体が直接、人種差別撤廃委員会に訴えることができます。(第9条、14条、15条) そして、訴えを受けた委員会は調停や和解、勧告をだすことができます。(第11条、12条、16条)
2010年人種差別撤廃条約第9条に照らして日本政府への審査では以下のような審査結果が出ています。
21. ユネスコが沖縄の特異な民族性、歴史、文化、伝統、並びに幾つかの琉球言語を確認した(2009)ことを強調し、同委員会は、沖縄の独自性を正当に容認するための日本政府のアプローチを遺憾とし、沖縄の人々が受けている、今なお変わらずに存続する差別についての懸念を表明する。
さらに、軍事基地が他とは不釣り合いなまでに沖縄に集中してることが、その住民の持つ経済的・社会的・文化的な権利に悪い影響を与えている、人種差別の現代的な型に関する特別報告への分析を繰り返す。
同委員会は、沖縄の人々の権利を促進し適切な保護措置と政策を確立するために彼らが受けている差別を調べる目的で、沖縄の代表と幅広い協議に取り組むよう、日本政府に勧告する。
今回、2012年2月10日、、「琉球弧の先住民族会」(AIPR)、「沖縄・生物多様性市民ネットワーク」(OkinawaBD)、「反差別国際運動」(IMADR)の3団体が国連人種差別撤廃委員会(CERD)へ、沖縄県名護市の辺野古/大浦湾における米軍基地建設と東村高江におけるヘリパッド建設の現状を、差別と人権侵害の視点から検証し、早急に対応するように要請したのは「重大な条約違反を防止し、効果的に対応するため」93年に設けられた「早期警戒措置・緊急手続き」に基づいています。
この要請に応え、人種差別撤廃委員会は、辺野古新基地建設計画が、歴史的な琉球先住民差別に当たる恐れが強いとして、日本政府に対し、人権侵害問題の観点から計画の現状や地元住民の権利を守る具体策について説明を求める質問状を出すことになりました。 質問状の期限は、7/31です。
質問状の内容については、また後日、OkinawaBDサイトにアップする予定だそうです。
以下、3月13日、毎日新聞の記事です。
在日米軍再編:普天間移設 国連委、日本に質問状提出へ 「先住民差別の恐れ」
【ジュネーブ伊藤智永】国連の人種差別撤廃条約の委員会(事務局・ジュネーブ)は、在沖縄米海兵隊・普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古(名護市)移設計画が歴史的な琉球先住民差別に当たる恐れが強いとして、日本政府に対し、人権侵害問題の観点から計画の現状や地元住民の権利を守る具体策について説明を求める異例の質問状を出す。
日本政府は7月31日までに回答しなければならない。委員会は8月の次回会期で、日本政府の回答も検討しながら、普天間移設計画が人種差別撤廃条約に違反しているか審査する。沖縄住民の権利を守る方向で移設計画を見直すよう勧告を出す可能性が高い。
これは2月10日、国連の会議に参加資格を持つ非政府組織(NGO)「反差別国際運動」(事務所・ジュネーブ)と、沖縄の琉球文化伝承や自然保護に取り組むNGOが、普天間移設計画を人種差別撤廃条約違反だとして、委員会に通報したのを受けて行われている手続きの一つ。
日米両政府は2月、普天間移設と切り離して米海兵隊のグアム移転を先行させるなど、沖縄に米軍基地負担を残す方向で計画が動き出している。このため、NGO側は人種差別撤廃委員会に「重大な条約違反を防止し、効果的に対応するため」93年に設けられた「早期警戒措置・緊急手続き」の発動を要請した。
委員会は、要請の採否を条約加盟各国から選ばれた5人の人権問題専門家による作業部会で検討。今月6日には18人の委員全員による討議で、NGOの訴えについて日本政府の言い分を確認するため、質問状を出すことを決め、9日付で採択した。
質問状は、条約違反の恐れがある計画として、普天間飛行場の辺野古移設と、在沖縄米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を指摘し、人権侵害ではないのか、住民の訴えに日本政府としてどう対応しているのか、などを問いただしている。
毎日新聞 2012年3月13日 東京朝刊
英語版(The Mainichi Daily News)はこちら
→U.N. panel on racial discrimination to question Japan gov't over Okinawa policy
要請文の英文(原文)と和訳(仮訳)は、こちらをご覧下さい。
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