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2012年3月13日 (火)
野田内閣の消費増税は財政再建につながらない
消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革で、民主党は増税法案など関連法案の事前承認手続きを14日に始めることを決めた。
野田内閣は党の了承を得て、3月中に法案を閣議決定し、国会提出する考えだ。
しかし、党内の増税反対論はきわめて強い。
野田氏は昨年末の「素案」決定段階で、論議を尽くして最後は拍手で決まったと主張するが、実際には、執行部が論議を打ち切り、一方的に「執行部一任」を宣言し、一部の参加者が拍手をしただけである。
多数の反対者が反対を叫ぶ怒号に包まれるなかで、論議が打ち切られただけである。
これは、民主主義政党の意思決定ではない。独裁政党のものごとの決め方である。
TPP論議の際も同じ方式が取られた。党内の意見集約ではTPP交渉参加反対の意見が多かった。それにもかかわらず、野田氏が独断でTPP関係国との協議に入ることを一方的に決めた。
現在の野田民主党に党内民主主義は存在しない。
このような首相は国民にとっての敵である。日本国憲法前文にある、「国政は国民の厳粛な信託による」との基本規定が無視されている。
世論調査でも、民主主義の根幹ルールを踏みにじる野田内閣の消費増税暴走に対する反対主張が過半数を超えている。
野田内閣は消費増税提案を撤回するべきだ。
民主党の党内論議で、民主主義の根幹ルールを尊重し、民主主義のルールに則って最終結論を出す必要がある。
過去の財政収支推移表から、
1997年度の橋本政権の消費増税
2000-2003年に実施された森・小泉政権の緊縮財政
2003-2007年の景気回復の下での財政収支の変化
の3つの事例における財政収支を確認にいただきたい。
1997年度の橋本政権による大増税のケースを見ると以下の通りの現実が生じている。
橋本政権が実行した政策は、消費増税5兆円、所得増税2兆円、社会保険料引上げ2兆円、公共事業削減4兆円の、合計13兆円のデフレ政策だ。
この超緊縮財政政策の実施により、日経平均株価は22,666円から12,879円に大暴落した。不動産価格も大暴落し、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行などが相次いで破たんし、半ば金融恐慌の状況に突入した。
税収は1996年度の52.1兆円が、99年度の47.2兆円にまで減少した。国債発行額は、96年度の21.7兆円が99年度の37.5兆円へと激増した。
2000年度から2003年度の森・小泉政権の超緊縮財政では、小泉政権が「つぶす企業はつぶす」の方針で企業破綻処理を加速し、「国債は絶対に30兆円以上出さない」の方針で超緊縮財政を実行したのだが、日本経済は予想通り、最悪の状況に陥った。
日経平均株価は2000年4月の20,833円から2003年4月の7,607円にまで暴落し、失業、倒産、経済苦自殺の苦しみが日本を覆った。
税収は2000年度の50.7兆円から2003年度の43.3兆円に減少し、2001年度当初予算で28.3兆円だった国債発行額は2003年度に35.3兆円に急増した。
三つ目の事例が2003年から2007年の変化だ。大銀行救済で日本経済は極めて緩やかな景気回復軌道を歩んだ。その結果、税収は、2003年度の43.3兆円から2007年度の51.0兆円へ増加し、国債発行額は2004年度の35.5兆円から2007年度の25.4兆円へと大幅に減少した。
こうして、過去の事実を検証すると、経済情勢の変化を無視した緊縮財政政策は財政収支改善に有益どころか、有害であることが明白である。
民主党内の意見集約では、適切な政策運営のあり方について、事実の検証に基づく正当性のある論議が求められる。
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