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「日本一新運動」の原点(99)―「嘘は泥棒の始まり」野田首相と谷垣自民党総裁は政治指導者の資格なし
http://www.it-ishin.com/archives/886
By admin, on 3月 10th, 2012 :【共生共栄友愛社会を目指して】
日本一新の会・代表 平野 貞夫
(「嘘は泥棒の始まり」野田首相と谷垣自民党総裁は政治指導者の資格なし)
閏年の2月29日(水)、愛媛県松山市で愛媛新聞社・政経懇話会で話をした。主催者から与えられた演題は『どうなる野田政権・3月政局の行方』であった。2月中旬、永田町を騒がせた怪文書「今後の政局について(自民党総裁代理と小沢一郎代理の密談内容)」というのが頒布されていた。内容は「解散をさせない方法で内閣不信任案を可決して総辞職をさせ、谷垣首相で選挙管理内閣をつくり、小沢官房長官でどうか」と、私が提案したことになっていた。
マスコミの中には、怪文書は平野がつくったとの噂を流す輩もいて、私も困り果てていた。そんなこともあって、松山では「政権が不安定になると、怪文書で政局が動く。3月政局は怪文書から・・」を結論にして帰京した。自宅に着くと「野田首相と谷垣自民党総裁が極秘会談」とのニュースが飛び込んできた。
公式でも、非公式でも要職の政治家が会談を持つことはよくあること。それが「極秘」ということになれば、政局や政策に重大な影響が出る場合もある。肝心なことは、それが露見したとき政治家としてどう振る舞うか、ということだ。2人とも異常な態度で「会っていない」と否定している。多くのマスコミが裏をとり、会ったことは証明されていて、2人が「嘘」をついていることは明白である。
ところで、議会政治で「嘘」をつくことについて、どんな問題があるのか、議会政治の本質に関わることなので説明しておこう。議会政治はキリスト教文化から生まれたものだ。議会は教会から社会的教会として分離されたのが歴史である。従って西欧では議会で嘘をついたことがわかれば、政治家として失脚する。理由は神を冒涜することになるからだ。言論と多数決による議会政治は、嘘を絶対に許さないことが前提となっている。
日本には「嘘も方便」という文化があり、国会で平気で嘘をつく政治家が多い。否、上手に国会で嘘をつく政治家が出世が早く、同時に失敗も多い。「言うだけ番長」とのニックネームをつけられて政治家もいるが、これも嘘つき政治家の別名といえる。ところで「極秘会談」がバレて、記者会見や記者団に「断じて会っていない」と強弁している野田首相と谷垣自民党総裁は、国民に嘘をついていることになる。これからも、嘘を前提に政治を動かすなら重大問題である。
既に2人とも、国会では嘘を言い続けているようだ。これは大変なことだという自覚がないところに、2人の悲劇と喜劇がある。何故、「極秘会談」が露呈したとき、真実を語らなかったのか。かの、日本共産党の天皇こと、宮本顕治氏は「極秘会談がバレて説明できないとき、絶対にウソをつくな。ノーコメントと言え」と指導していたとのこと。「嘘は泥棒の始まり」では、政治指導者として許されることではない。これからも国会で嘘を言い続けるということになると、わが国の議会民主政治はどういうことになるのか。この問題は、内閣不信任で対応する以前の、「議会政治の本質」に関わる問題だ。考えただけでも背筋が凍る。繰り返しいうが、今の国会議員にこの感性がないから政治がおかしくなるのだ。
仄聞するところによると、2人の極秘会談には財務省の幹部が関わっていたとのこと。そういえば、昨年の民主党代表選挙では、財務省が総力を挙げて野田代表・首相をつくるべく、予算の個所付けなどを匂わせて民主党国会議員に裏工作をしたと報道されていた。これが議会民主政治国家といえるのか。野田も野田、谷垣も谷垣だが、こんな不条理に手も足も出せない与野党の政治家が、永田町に蠢いているのがわが国の悲劇だ。
(いま、消費税を増税すれば国民を苦しめ、国を滅ぼす!)
野田首相と谷垣自民党総裁の「極秘会談」の内容は、消費税増税と衆議院解散の談合であったことに間違いはない。昭和63年、消費税制度導入に関わった1人として、当時の竹下首相を思い出し、消費税増税への「6つの懸念」を述べておこう。
(1)日本の消費税率は本当に低いのか。
税率7%を形だけで各国と比較すると、確かに低い。しかし、わが国はわずかな例外を除き生活必需品も一律5%である。多くの国では生活必需品は非課税としている。これを10%に増税すれば、日本中の生活に苦しむ人々にとっては、世界で最も高い税率となる。わが国では現在、年収200万円以下の世帯数が1300万世帯、生活保護180万世帯といわれ、人口数にして4千万人近くになる。この人たちが生きていく術をどうするつもりか。野田さん、谷垣さんわかっているのか。
(2)消費税増税をしないと国債が暴落するという主張は本当か。
増税論は財政再建を名目に、野田首相が国際的約束をしたものだ。ヘッジ・ファンドなどを悪用して、増税を正当化するとは言語道断である。不況時での増税は税収全体が減少することは歴史が証明している。マネーゲームなどが仕掛ける国債のカラ売りなどは、政策的に防止できる。この種の脅かしは、増税論者の裏にマネーゲーム資本がいる傍証だと私は思う。
(3)不況下の消費税増税で財政収入はよくなるのか。
平成9年に橋本政権で消費税率を3%から5%に上げたとき、どんなことが起こったか。所得税をはじめ、総税収が約2兆円の税収減となり、さらなる財政赤字となった。アジアの金融危機と不況が重なった時期ではあったが、この歴史の教訓を増税推進派はよもや忘れたわけではないだろう。現在の世界同時不況や円高問題、国内の長期デフレ、加えて、東日本大震災・福島原発災害などの国難に直面し、政治的には不況脱出策が緊急に求められているこの時期に、大増税を強行するとは「狂気の沙汰」としかいえない。さらなる財政の悪化で、国債カラ売りの、マネーゲーム資本に積極的に荷担するのが野田政権かと疑いたくなる。財務省は悪質な金融資本の手先となったのか。
(4)社会保障と一体化の消費税増税というが、本当に社会保障は良くなるのか。
消費税を福祉目的税として、社会保障を充実させるという政策思想は、20世紀後半の時代には正しかった。所得税による所得再配分の役割が失われたことを補完するため、適切なものであった。しかし、21世紀となってグローバル化・高度情報社会化・マネーゲーム化という資本主義の変質、わが国では少子高齢化・各種の格差・環境破壊などが重なり、問題はきわめて深刻である。大きく国家社会が変化する状況で、国民の負担のあり方を根本的に改革することが必要である。
「社会保障との一体改革」という国民に甘い言葉で消費税を増税しても、逆に財政を悪化させては社会保障を後退させるだけだ。21世紀の「国民の生活が第一」という新しい資本主義社会を創造するため、20世紀的既存制度に囚われずに大胆な改革を早急に断行すべきである。この改革の中で、国民に対する納税教育を含め、新しい社会での負担の思想と方法について国民的合意を行うべきである。
(5)新しい国民負担の合意ができるまで、国家財政を確保することができるのか。
新しい国家体制の財政構造を改革するに5年間を要するとして、その間の財源確保は、現行の諸制度で行わなければならない。専門家の意見にあるように、所得税や消費税の徴収に関する不公平さの是正、歳入庁の設置による企業年金制度の健全な運用、さらに、一般・特別会計にわたる行財政の徹底した改革と、多岐にわたる二重行政の改革により財源の確保は可能である。
(6)政治家や官僚が身を切るとの条件で進められている消費税増税論に問題はないか。
北欧などの高い税率の消費税を施行している諸国で共通しているのは、政治・行政・財政の健全さと、透明性に裏付けられた政治への信頼である。国民から信頼される政治と行政が行われることが絶対的条件である。わが国で増税容認論が、国会議員の定数削減と歳費カットや官僚の給与カットと、次元の異なる問題に単純化され、テレビ受けの良い筋違いの感情的な世論づくりがされていることは、政治ではなく茶番だ。
もっとも重要な視点は、崩壊した20世紀の排他的競争資本主義の体制を、「国民の生活が第一」という「自立と共生資本主義」に改革することを前提とすることだ。そのために、国民の負担をいかに公正・公平にした制度をつくるかにある。マネーゲーム資本主義を続けるための便宜的まやかしの消費税増税を、断じて許してはならない。
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