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強き指導者の条件
政治評論家 森田実
http://gekkan-nippon.com/?p=2956
『月刊日本』2012年3月号
マスコミが作りだした増税路線
―― 解散総選挙が現実味を帯びてきており、新党構想もささやかれ始めている。現在の政治状況をどのように見ているか。
【森田】現在の政治状況を理解するためには、『太平記』を読むことをお薦めする。『太平記』には、「太平」というその名とは裏腹に、鎌倉末期の日本においてどれほど秩序が乱れ、成り行き任せの政治が行われていたかが描かれている。
残念ながら平成の御代も同様である。「平成」とは「太平を成す」という意味だが、現在の社会状況は混迷を極めており、大震災の復興は全く進んでいないにも関わらず政治家たちは政局に明け暮れている。「太平記」ならぬ「平成記」の時代を私たちは生きているのだ。
また、政治家たちは地元の集会に出て国民の声に耳を傾けることよりも、テレビに出て知名度を上げることを優先し、大手マスコミの作りだす世論ばかり気にしている。
しかし、テレビや大新聞が作りだす世論ほど疑わしいものはない。彼らは視聴率を稼ぐためにセンセーショナルな報道ばかり繰り返す。しかも、このデフレ不況でマスコミもまた経営が困難な状況にあるため、ここ最近は、「このままだと日本もギリシャのようになる」といった国民の不安をあおるような報道に磨きをかけている。
マスコミが作りだした風≠ヘ、増税をしたい民主党にとっては幸いであった。そのため、野田政権はここぞとばかりにこの風≠ノ乗り、「社会保障と税の一体改革」という名の下に大増税路線を突っ走っているのだ。
民主党が増税しようとしているのだから、本来であれば野党が増税反対を掲げることで政策の対立軸ができてしかるべきである。
ところが、第二党である自民党もまた増税に賛成であるため、民主党に対する批判は中途半端なものに終始している。増税は必ず国民の反発を呼ぶので、今のうちに民主党が増税してくれれば、自民党が政権を奪取してから増税して支持率を落とさなくて済む、といった下心が見え隠れしている。
民主党と自民党しか存在しないのであれば、こうした体たらくでも国会を運営できるかもしれない。しかし、卑しい政局を繰り返す既存政党に対して、国民はほとほと嫌気が差している。代わり映えのしない政治家の顔ぶれに飽き飽きし、新たな指導者を求めている。
こうしたことが、ここ最近の新党構想を後押ししているのだ。具体的に言えば、橋下新党、石原新党、河村新党である。特に橋下新党の勢いは目覚ましく、もはやそれを無視して政治について語ることができないほどの力を持っている。
次の総選挙では、こうした新党が第三勢力として国政に乗りこんでくることは間違いない。その時、彼らは「反増税」の旗を掲げてくるだろう。既存政党が増税を掲げて批判されているのだから、これを使わない手はない。そうすれば、第三勢力は必ずや勝利を収めることになるだろう。
「大阪維新の会」躍進の理由
―― 橋下新党の勢いには目を見張るものがある。なぜ橋下市長はあれほどの力を持つことができたのか。
【森田】その理由の一つに、『週刊文春』や『週刊新潮』などによる橋下批判が挙げられる。私も最近関西テレビで仕事をしているのでよくわかるが、あの記事は大阪府民の虎の尾を踏んだ。あの記事により、「大阪のことに東京の連中が口を出すな」という意識が急速に芽生えた。彼らの中にある反・東京≠ニいう深層心理を呼び起こしてしまったのだ。
また、先ほども述べたが、テレビ局の経営状態は非常に悪化している。特に、地方のテレビ局の経営は本当に厳しい状況だ。彼らは視聴率を上げてくれるスターを必要としていた。それが橋下市長だったのだ。
このもくろみは見事に成功した。もはや大阪では橋下市長に対する批判はほとんど聞こえこない。
―― 橋下市長は次期衆院選をにらんだ政策方針作りなどの動きを見せている。
【森田】大阪維新の会は必ず国政に進出してくる。というのも、堺市の竹山修身市長が橋下市長の大阪都構想からの離脱を表明したからだ。
現在の堺市議会議員52名の内、大阪都構想に賛成しているのは維新の会12名と公明党12名だけで、それ以外は強く反対している。そのため、法案を提出しても否決される可能性が大きい。竹山市長は橋下市長の全面的な支援の下で当選したのだが、こうした議会の状況を見て現実的に判断したのだろう。
大阪に留まっていては大阪都構想を実現することは難しい。そのため、橋下市長はどうしても中央の権力を使う必要があるのだ。
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