http://www.asyura2.com/12/senkyo127/msg/419.html
Tweet |
AIJ投資顧問が年金資産約2000億円を消失させた事件は、この国が抱えている悪業のすべてを凝縮しているような事件だ。たとえば、年金資金の運用を投機性の高い金融商品で行なう事を認める(それどころか積極的に進める)ような年金制度が果たして正しいのかという問題がある。
もしこの国の年金制度が確かなものであれば財政的に弱小な中小企業がその年金財源をリスクの高い金融商品に委ねるようなことはしなかったはずだ。たとえば年金運用投資顧問会社の実体だ。AIJ投資顧問の損失は氷山の一角であることが明らかになった。多くの天下りを受け入れて杜撰な運営が放置されている投資顧問会社は他にもあまたある。
そこに群がるシロアリが杜撰な運営をし、儲けを私物化して破綻に拍車をかけたこともこの国のお決まりの病巣だ。そしてきょう3月9日の朝日新聞の大スクープである。朝日新聞は報じている。AIJの資金運用の実態が海外の証券監視当局や年金の専門誌などから疑問視され、そのことがはやくから日本の証券取引等監視委員会や金融庁に情報提供されていたにもかかわらず対応してこなかったという。
金融庁はいうまでもなく、証券取引等監視委員会もまた財務官僚の天下り機関という事実上の政府機関だ。政府の責任は大きい。オリンパス事件でも明らかなように、外国人からみればこの国で行なわれていることは国際基準から見ておかしいことが多い。その事を海外から指摘されてもすぐに対応しない。
その怠慢、行動の遅さはもちろん問題であるが、もっと問題なのは、それに手を打とうすれば悪事がばれる、利権を手放すことになる、だから手を打とうとしないということだ。その結果の破綻である。オリンパスのような私企業の場合は自己責任で済ますことができるし、責任者は罰せられる。しかし年金問題は公的制度からくる問題だ。その破綻が国民に及ぼす影響ははかり知れない。そして権力者たちは誰も責任を取らない。今の日本のすべての悪業が凝縮した事件であるという理由がそこにあるというゆえんである。
http://www.amakiblog.com/archives/2012/03/09/#002210
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK127掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。