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野田首相は、6日の衆院予算委員会での「税と社会保障の一体改革」に関する集中審議で、消費税増税法案に対する与党内の反対論に関し、「私は(与党内が)一枚岩でない、ばらばらという前提に立っていない。侃々諤々の議論をし、民主的手続きを瑕疵なくやっている」と述べ、与党内の意思集約は可能だとの認識を示した、と毎日新聞6日の夕刊は報じていた。
日本経済新聞とテレビ東京が共同して2月17日〜19日に実施した世論調査で、社会保障制度を維持するために、消費税増税が「必要だ」との回答が59%あり、「必要ない」の29%を上回った。だが、政府が17日に閣議決定した2014年4月に8%、15年10月に10%に消費税率を引き上げる案については「賛成」が40%に対し、「反対」は49%と逆転していた。
世論調査をしたのが、日経とテレビ東京である。誤魔化したとは言わないが、他のマスコミの世論調査に比べ、「増税賛成」が何時も数ポイント多いのが特徴であることを考えると、民意は6:4以上の差で、野田内閣が唱える消費税増税に反対だろう。野田首相は、このような民意を無視して、民主党内を「消費税増税」で意思を集約できると言い、今月中に消費税増税法案を閣議決定するとまで予算委員会で述べた。
消費税増税を実行するには、誰もが指摘する3つの課題・壁がある。消費税増税に反対する小沢元代表は、3日のテレビ東京の番組に出演し、消費税増税について「いまは国民の理解を得られない」と主張。この3つの課題・壁を、「改革なくして増税なし」「福祉なくして増税なし」「景気回復なくして増税なし」と表現した。
最初の「改革なくして増税なし」とは、筆者に限らず多くの人が指摘する「シロアリ退治」のことである。「福祉なくして増税なし」とは、一体改革と言いながら、社会保障については何も決めていないことを指している。「景気回復なくして増税なし」とは、デフレ経済により疲弊した現況での消費税増税は、日本経済を奈落の底に落としてしまうので、先ずやるべきは景気対策だということである。
シロアリ退治については、国家公務員給与の7.8%引き下げで誤魔化すつもりなのだろうか。この引き下げは14年3月末までの2年間の暫定措置。14年4月からは消費税率はアップし、給与も旧に復する。増税してシロアリに餌を与えるようなものだ。もともと、この給与引き下げは震災復興財源として、浮上したものであった。しかも週刊ポスト3月16日号によると、次のように書かれている。(以下引用)
そもそも法案にはどこにも給与を7.8%削減するとは書かれていない。「課長以上の給与・手当を10%削減」「係員の給与・手当を5%削減」など、個別に削減率が決められているだけだ。7.8%というのは総務省が記者クラブに説明した数字なのだが、この計算には、当初は削減対象にならない自衛隊員の給与・手当が入っていない。簡単にいうと、「削減対象になっている人の削減率は平均7.8%」という意味で、「公務員給与が7.8%減る」わけではない。(引用終り)要は誤魔化しだ。
次に一体改革と言うのなら、先ず社会保障を決め、それに必要なカネが幾らになるので、消費税を幾ら増税したいとなる。これが筋だろう。処が、社会保障については何も決められていない。大綱に書かれた文章の末尾の表現では、消費税は「引上げを行う」だが、改革は「実施すべきである」、年金は「実現に取り組む」となっている。霞ヶ関・永田町用語では、これは「何も決まっていない」ことを意味するのである。
安住財務相にいたっては、2日の閣議後の記者会見で、社会保障と税の一体改革の関連法案について、「準備が整ったものからどんどん出していけばいい」と述べたそうではないか。つまり一体改革と言いながら、消費税増税と社会保障改革の法案を、同時に国会へ提出する必要はないとの考えを示したのだ。何をかいわんやである。財務省の本音を、間抜けな大臣がポロリと洩らした。そういうことである。
最後の、景気の問題。財務官僚が東大法学部卒であることの弊害である。彼らは昔の悪代官と同じで、民から絞るために法律はあると思っている。「民の竈からの煙」を見る目は全く持っていない。彼らに操られた安住財務相は衆院予算委員会で、自民党田村議員の「現在の経済状況でも消費税率引き上げは可能か」との質問に、「リーマンショックの後や東日本大震災の後のように著しい落ち込みでない今の時点なら引き上げは可能だと思う」と答弁したのだから、どうしようもない。
野田首相は、粛々と民主的に党内手続きを経て、消費税増税法案を国会に提出するそうだが、反対意見の述べる議員の発言を封じ、委員会や幹事会から排除することが、民主的な手順と言うのは間違いである。それは「民主党的」な手順でしかない。法案提出賛成49対反対51となった時、「執行部一任」などと言わないだろうな。その時、密談を頼りに「国会議員の総意を問う」と言い出すかもしれない。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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