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2012年3月 6日 (火)
財務省「言論統制プロジェクトTPR」、その27年間の凄まじさ
野田首相の近傍には、財務省事務次官・勝栄二郎氏の不可視・不完全なドッペルゲンガーが常にまとわりついていて、野田首相がシロアリ退治に言及しないように常に監視しているように思える。野田首相が誰かに、かつて自分が唱えていた「シロアリ退治論」について訪ねられたとき、首相が思わずそれに答えようとすれば、間髪入れず勝栄不完全ドッペルゲンガーが背後から近づき、チョークスリーパー(スリーパーホールド)の技をかけて喉を絞める。声帯を塞がれた野田首相は一瞬沈黙するが、勝栄ドッペルゲンガーは首相の耳元で、「今は関係ないことを大声で雄弁に語ることによってシロアリの件を煙に巻き、ひたすら増税が必要なことだけを強弁しろ!」と、背後からささやきかけて喉を解放する。これが繰り返されているように見える。野田どじょう操りからくり人形の仕掛けである。
以上、野田首相と勝栄二郎財務事務次官の関係を戯画的に説明したが、そんな風に説明しても、いかにもありそうなことだと思えるほど、野田首相は財務省の考え方に染まっている。大体、国会議員の質問にも「財務省の操り人形だ」とか「財務省に洗脳されている首相ですから、」などという言い方が出ているということは、野田首相の言う「シロアリ退治無き消費税増税&心にもない社会保障一体化消費税増税」が、もうすでに相当数の国民に見透かされていることを意味している。ナチ親衛隊ゲッベルズの繰り返し演説手法を以て、「社会保障と一体の消費税増税」路線まっしぐらを連呼したが、植草一秀氏が拡散させた「シロアリ退治無き消費増税阻止」動画が人々の知るところになった今は、ネットを見ない人でも、野田首相の増税路線がペテン的色彩を帯びていることに気付き始めている。
植草氏が語るように、今や産経新聞やNHKがなりふり構わず、野田首相の増税路線がいかにも既定路線であるかのように誘導操作しているようだが、この無理筋報道の様態に財務省の焦りが見えている。野田佳彦氏が2009年8月の総選挙時で熱弁した「シロアリ退治無き消費税増税阻止」演説は、小沢氏率いる初期民主党の公約に沿った、実に正当なものであった。しかし、彼はどこかの時点で完全に変節し、菅直人前首相と同様に財務省の軍門に下った。今や政権交代時の党是(マニフェスト)を守り抜いている小沢一派や国民新党にしか民主党の大義は存在しない。それ以外の民主党は国賊議員の集まりでしかない。
初期には野田首相のゲッベルズ手法に幻惑されていた国民は、植草氏が拡散させた例の動画によって、ほぼ完全に目が覚めた状況になってきている。またしても財務省は植草氏発の洗脳解除ミサイルの一撃によって致命的な打撃を蒙っている。またしてもと言ったが、それは植草氏が十数年以上も前から、財務省(旧大蔵省)の言論統制プロジェクト・TPR作戦を暴き続けていたからである。魔窟・財務省と同じ側に立つマスコミがそのことを報道しないから一般には周知されなかったわけだが。植草氏は13年前に出した著書『日本の総決算』(講談社)でも、大蔵省による悪質なTPR作戦のことをはっきりと暴露していた。
しかし、それは経済の専門書でもあり、まだネットにおける政治言論が黎明期でもあったことから、ほとんど公(おおやけ)に伝播することはなかった。それでも当時は、財務省幹部連中はTPRの実態を書籍に著した植草氏を不倶戴天の敵と定めて憎悪の焔(ほむら)を燃やしていたと思われる。植草氏が遭遇した東海道線の一件と、その後の二度の国策捜査はすべて官憲の手によるものだが、これを企てた本元の権力官僚は財務官僚ではないだろうか。もちろん同じ穴のムジナとして、最高裁事務総局や知られざる特務機関があると思うのだが・・。植草事件を仕掛けた主犯格が個人的に誰であったとしても、それが実行されるには権力官僚の意志が強く働いていたと思う。
植草氏は確かに橋本政権の増税路線や小泉政権の構造改革路線を舌鋒鋭く批判してきた。だから、その時々の政権に恨まれることはあったと思うが、よくよく考えてみると、植草氏はかなり以前から大蔵省(財務省)を一貫して批判し続けている。政権が何代変わっても彼の大蔵省批判は常に変わらずに続いていたのである。警察官僚、検察官僚、司法官僚といえば、そのものずばりの権力官僚であるが、実はこれら権力官僚の総本山に君臨する真の権力官僚こそ財務官僚なのではないだろうか。財務省主計局は国家予算の総元締めであり賭博場で言えば胴元に当たる。国家の胴元に一番強い権力が集中すると考えることは理に適っている。つまり国家ヤクザの総元締め・大親分が財務省ではないだろうか。相次ぐ国策捜査の元凶はここにあるのかもしれない。
植草氏は初期から一貫してこの権力官僚の総本山(魔窟)に噛みついていた。これだけの長期にわたって財務省を噛み続けている知識人を神州の泉は他に知らない。しかも、よくよく考えてみれば、財務省の存在意義(レゾンデートル)は、各省庁に予算を配分するというよりも、はっきり言えば、シロアリ帝国に予算を配分することが主たる仕事になっているように思う。そのためにできるだけ効率よく国民から税金を吸い上げることだけが財務省存続の動機と目的になっている。この存在論的な理由から、財務省(旧大蔵省)はTPR(タックスの宣撫作戦)を発案し実行に移してきた。ここで非常に恐ろしいことに思い当たる。
神州の泉は、パロディストのマッド・アマノ氏からお借りした冒頭のフォトモンタージュを初めて目にしたとき、そのあまりのユーモラスな絵柄に思わず笑ってしまったが、すぐにこの絵柄が意味することが、実に恐ろしい背景を持っていることに意識が移った。考えてみると、一国の総理大臣を手玉に取って完全な操り人形にしてしまう財務省とは恐ろしい組織である。今や国会でも、ネットでも、出版メディアでも、野田首相が財務省のパペット(操り人形)だという話は、完全に常識化している。植草氏が拡散させた例の「シロアリ退治動画」は、財務省が短期間で一人の政治家をここまで完璧に洗脳してしまうことを明瞭に物語っている。
財務省はただの官僚の巣窟であり、洗脳などとは無関係だと思うかもしれないが、彼らは極めて頭の良い連中の集合体であり、その気になれば高度な心理作戦を発案して実行に移す力がある。その一つが植草氏が暴露したTPRである。では何が恐ろしいのか。植草氏は1999年に刊行した『日本の総決算』(講談社)で、「TPRとKBK」という項を設け、自身が85年から2年間大蔵省に勤務した体験を通じて、言論統制プロジェクトTPR(タックスのPR)の内情を暴露していた。(P48〜51)税制のための広報活動とは銘打っているが、その実態は増税のための大々的な宣撫工作と言えるものであり、情報統制プロジェクトであった。ちなみにKBKとは「課税ベースの広い間接税」(K課税、Bベース、K間接税)という意味の隠語だったそうである。
TPR、具体的には政官財各界における四千人のリストを作り、その全員に大蔵省幹部が説得に行くというスタイルであった。同時にこれは思想検閲・言論統制の意味合いもあったらしいのだ。恐ろしいというのは、この言論統制プロジェクトが一過性ではなく、現在まで継承されているという事実なのである。このTPRプロジェクトが1985年に始まったとしても、2012年の今年まで、実に27年も継続しているということになる。権力官僚の総本山に集う、頭のいい連中が洗脳活動を27年間も続けているのである。継続は力なりである。ここに蓄積された洗脳のためのノウハウがどれだけ物凄いものであるかは、推して知るべしであろう。田中角栄クラスの胆力の大きさを持つ政治家以外は、苦も無く操り人形と化してしまうだろう。
植草氏がこのことを知らせてくれなければ、われわれはいつまで経っても財務省という魔窟の正体は見抜けなかっただろう。その意味で植草氏は、いまだに財務官僚の熾烈な憎悪を受け続けていると考えられる。明らかに財務官僚は植草氏を不倶戴天の敵としてロックオンしている。しかも、今回の「シロアリ退治動画」の拡散はその植草氏によって為されている。これが財務官僚が筋書きした「社会保障と一体化した消費増税」作戦の洗脳の悪夢を解除する決定的な効果をもたらした。だからこそ「おのれぇ!またしても植草か!」と財務官僚は臍(ほぞ)を噛んでいるはずだ。多くの人々がこの事実を把握して欲しいと思う神州の泉である。
2012年3月 6日 (火)
(この作品はマッド・アマノ氏からお借りしています)
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