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週末の3月9日に、小沢裁判の検事役を務める指定弁護士による論告求刑が予定されている。何度も書いたように、法曹界の人でなくとも少しは法律に詳しい人なら誰もが、本裁判は「公訴棄却」が妥当と見ている。だが、指定弁護士は、何が何でも有罪の論告をするようだ。そこで、彼らの論告内容の是非を考える上で参考になる、ある刑事裁判の興味深い判決を紹介したい。
新宿歌舞伎町の路上で警察官の職務質問受け、交番に連行され、身体検査をされた男性が、その直後の尿検査で、覚醒剤反応が出たため逮捕された。その男性被告の裁判の判決が先月27日東京地裁で下された。ここまで読まれた方は、100人中100人が有罪だと思うだろう。だが、東京地裁の伊藤雅人裁判長は、無罪を言い渡した。詳しく新聞を読むと、その理由と「裁判の本質」がよく分かる。
新聞報道によると、交番に連行された男性を、警察官3人が両腕を抑え、ズボンを脱がし身体検査。その直後の尿検査で覚醒剤反応が出たため逮捕・起訴された。男性は公判で「覚醒剤を使用した覚えはない」と否定。判決では、「令状なしに身体検査する差し迫った状況は一切なかった」と指摘。令状なしの身体検査は違法と断定し、尿検査の鑑定書は違法に収集された証拠に基づいており、証拠能力はないとした。
この判決を「そんな馬鹿なことがあるか。有罪だ」と考える人もいるだろう。だが、三権分立下の民主国家での裁判とは、こういうことなのである。三権分立は、主権者国民の基本的人権を、国家権力から守るためにある。裁判とは、警察と検察(=行政権)が法律に従って、公訴手続きを正しく執行したかどうかを裁くものなのである。即ち、司法権・裁判所が行政権をチェックする。これが裁判の本質なのである。
この裁判と比較すると、一連の小沢裁判が裁判の本質から遠いものだと分る。最初の「尿検査で、覚醒剤反応が出た」との情報が、「西松建設のダミー団体から違法献金を受け取った」に当たる。これで多くの人は「小沢は悪い奴」と刷り込まれた。その後の公判で「小沢クロ」を否定する証拠や証言を、マスコミがほとんど報道しなかったのは、有罪と思わせた第2段の1節だけしか報道しなかったのと同じことである。
次に「警察官3人が両腕を抑え、ズボンを脱がし身体検査」を、伊藤雅人裁判長は、令状なしの身体検査は違法と断定した。一方大善裁判長は、石川氏を取調べて作成された検察調書を「威迫による調書」と断定し、証拠として採用しなかった。この調書が石川氏と小沢氏の共謀を示すものとして、検察審査会は「起訴相当」の決議をしたのだから、これで「起訴相当」の根拠が無くなったことになる。
2月17日の裁判所による証拠採否の決定後、指定弁護士が「池田調書が証拠採用されたことで、これを間接証拠として有罪にする」との趣旨の発言をした。確かに池田調書には任意性があり、信用できるとされた。だがそれは「尿検査で覚醒剤反応」が正しいというのと同じである。池田氏は、謀議があったとされる時期には、陸山会の会計とは無関係であった。05年の報告書を作成した06年に関与しただけである。
ましてや検察審査会に、石川氏が言ってもいないことを、検察官が捏造した報告書が提出されたのである。指定弁護士が、弁護士法第一条(弁護士の使命)「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」を遵守するなら、有罪の論告はあり得ない。逆に、刑事訴訟法338条第4号「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるときは公訴棄却」に基づく論告をするべきなのだ。
これに加えて公判では、弥永筑波大学教授が「会計学上、陸山会が買い上げた土地が本登記された05年1月7日に、土地購入代を記載したことが正しい」と証言。これで訴因が否定されたことになる。こちらは、刑訴法339条第2号「起訴状に記載された事実が真実であっても、何らの罪となるべき事実を包含していないときは公訴棄却」に該当するのである。さて、指定弁護士の論告はどうなるのだろうか???
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=1
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