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http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0301&f=national_0301_155.shtml
自民党時代には文部大臣や通産大臣などを歴任し、民主党政権では財務大臣を担当した衆議院議員の与謝野馨さんが、原発事故に関する東京電力の責任についておかしなことを言っている。2012年2月29日付のウォール・ストリート・ジャーナルに与謝野さんのインタビューが掲載されているのだが、その発言内容は、顔写真と名前を入れ換えたらどちらの発言か見分けがつなかいと思うほど、米倉弘昌会長に似ている。
インタビューはダウ・ジョーンズ経済通信がおこなったもので、タイトルは「与謝野馨氏、東電国有化に反対」というもの。まず、経済産業省が「電力業界を統制しようなんていう色気は出さない方がいい」とした上で、「そういう能力があるとは思えない。技術的に何も知らないのだから」と述べる。さらに、「実際はものを分かった人が仕事をやらないと、失敗する」と続ける。
そして、電力料金の値上げに関しては「どういう格好にしても税金を投入するか、電気料金でいただくかしないと、電力会社は運営できない」と値上げを支持。原発事故の賠償負担については、原子力損害賠償法3条を盾に「免責」を主張。政府が「あの津波が予想できなかったことを東電のせいにしている」「国が全面に立って損害賠償をちゃんとやらなきゃならない。責任だけ逃げた」と述べている。
数兆円規模となる原発事故の損害賠償を東電が独自に引きうけることはできず、政府の支援が必要なのは当然のことであろう。他方、枝野幸男経産相が示すとおり、支援の前提として東電の議決権の過半数を政府が取得する、すなわち東電が(一時的にであれ)国有化されることは、けっして間違った方針ではないと筆者は考える。なぜなら、いまやるべきことは迅速な被害者救済だからだ。その費用を捻出するためには公的資金の注入が必要であり、注入の前提が国有化なのだから。
そもそも動産や不動産など売却が可能な資産をなぜか温存し続けた上、(東電の社員の方々には申し訳ないが)大規模なリストラ策をたてることも、経営陣の刷新もしないまま、このまま責任をほうかむりしていれば済むと考えている節が東電にはある。また、その東電の方針を支持する国会議員や経団連会長がいることが筆者には不思議でならない。東電と国会議員、そして経団連会長をつなぐものは「利権」なのであろうか。
ところで、原子力損害賠償法3条には、原発が事故を起こした際に電力会社が損害を賠償すると明記されている。そして、この3条には「その損害が異常に巨大な天災地変または社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」という但し書きがある。つまり、かの原発事故が「異常に巨大な天災地変」だったかどうかが賠償を免責されるかどうかの判断基準になるのである。
しかし、この基準に明確な尺度がないため、東日本大震災が異常に巨大な天変地異ではないとする政府と、異常に巨大な天変地異だとする東電や与謝野さんらとの見解に食い違いが見られる。ここで重要なのは、そんな法解釈のズレを議論しているあいだにも、10万人規模の被害者(避難者、転居者)は待ったなしで日々の生活をどうにかしなければならないということだ。
繰り返すが、いま必要なのは迅速な被害者救済であり、それを実現するためには公的資金の注入が必至であるのなら、とりあえず東電を国有化する。その上で、あらためて免責に関する法解釈の議論をする。それでいいのではないか。インタビューの末尾で与謝野さんは「今年の夏は大電力不足になる」と述べているが、この発言にしても先の「電力業界を統制」という発言にしても、与謝野さんが政府の陰謀論を述べて溜飲を下げているようにしか思えないのは筆者だけであろうか。
(谷川茂)(情報提供:夕刊ガジェット通信)
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