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2012年3月 3日 (土)
民主主義の手続き無視NHK大越健介の支離滅裂
消費増税の是非が国政の最重要テーマに浮上している。
メディアが実施する、人為的な操作が加えられた世論調査でも消費増税には反対意見が賛成意見を上回っている。
メディアが消費増税について論評するのは自由だが、この国の政治制度を踏まえた論評を展開すべきである。
消費増税反対の主張は三つの視点から提示されている。
第一は、野田佳彦氏が推進する消費増税提案が、民主主義の適正な手続き=デュープロセスに反しているとするもの。
第二は、現在の経済情勢を踏まえたときに、現段階で消費増税を決定することは弊害が多いとするもの。
第三は、政府の財源調達方法として、消費増税での調達は正しくないとするもの。
この三つの視点のいずれか、あるいは、いくつかの組み合わせから、消費増税反対の主張が提示されている。
メディアが報道でこの問題を扱う際には、放送法第四条を遵守する必要がある。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
第四項に、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」が定められている。
消費増税反対は主権者国民の多数意見であり、各視点からの消費増税反対主張はそれぞれ筋の通った考え方に裏打ちされているもので、消費増税の是非について報道する際に、消費増税反対論を尊重して扱わないのは、放送法第四条第二項にある、「政治的に公平であること」との定めに反している。
NHK「ニュースウォッチ9」のキャスター大越健介氏は、番組に出演した谷垣禎一氏に、民主党の消費増税推進の執行部と自民党が連携して、消費増税を決めてしまえということを、強引に誘導していたが、明らかに放送法第四条に違反する行為である。
番組視聴者は、直ちに大越健介氏の番組降板をNHKに要請するべきである。
番組に出演した谷垣禎一自民党総裁の発言内容の方が、大越氏の発言内容よりもはるかに正当なものである。
谷垣氏は民主党のなかが二つに割れていることを指摘している。
これについて、大越氏は、消費増税に賛成している野田執行部と、自民党が協力して、消費増税を通してしまえとの主張を繰り返したが、特定の主義主張に乗る発言だけを報道番組の司会者が繰り返すのは不適正だ。
谷垣氏は、2009年マニフェストを踏まえれば、小沢−鳩山ラインが提示する消費増税反対の主張が、民主党マニフェストに則ったものであることを正当に評価している。
その上で、内容からすれば、野田氏が提唱する消費増税は自民党提案に近い、と言うよりも野田氏が自民案にすり寄ったわけで、自民党案に賛同する姿勢を示すものだが、民主主義の手続きとして、野田氏がマニフェストを正式に変更して、総選挙で民意を受けたうえで法制化すべきだと主張する。
正論そのものである。
それを、なぜ、単なるNHKの一職員である大越氏が、食ってかかって、国民は民主党内のごたごたについては十分認識しているのだから、自民党と民主党野田執行部で消費増税をどうして決められないのかと自己主張を展開しなければならないのか。
意味が分からない。
裏側に、財務省のTPRがある。財務省がNHKに対して、消費増税推進の偏向を強要しているのだろう。
しかし、そのような理不尽な強要に積極的に応じる大越健介と言う人物は、最低のモラルの持ち主であると言わざるを得ない。人間としての良心を持つべきだ。
現在のNHK制度では、NHKは国民に対してまったく責任を負っていない。NHKを支配するのは経営委員会であり、経営委員会委員は内閣が選任する。NHK予算は国会が承認するが、国会の決定権を持つのは政府与党だから、NHKは政府・与党の顔色だけを窺えば良いことになる。
民主党は2009年8月総選挙で、「シロアリ退治なき消費増税阻止」を政権公約に掲げて戦っている。その選挙で民主党に政権を委ねたのは主権者国民である。
民主党は議会制民主主義のなかに位置付けられる政党であり、しかもいまは、政権政党として、総選挙の際に主権者国民と交わした契約=マニフェストを守る責務を負っている。
このマニフェストを放棄して、別のマニフェストに従って政策運営をしたいというなら、衆議院を解散し、新しいマニフェストを明確に提示し、総選挙を行う必要がある。
谷垣禎一氏の主張が正しいのであって、野田民主党執行部と自民党が結託して消費増税法案を可決成立させてしまえなどという主張に、正当性はかけらもない。
NHKの解体的改革は喫緊の課題である。放送法を改正して、NHKの政府からの独立を制度的に確保しなければならない。
大越健介氏のような、正義も大義もなく、ただ、上司から命令された偏向報道を喜んで実行する者だけが要所で起用されるなら、NHKの存在は害悪でしかない。
NHKの解体的改革、NHKの再編が急務である。
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