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原発事故対応における当時の菅政権への問題指摘は、今後も続いて出てくるだろう。しかし、これは菅前首相だけの問題ではない。もちろん菅前首相の責任が重いことは言うまでも無いが、当時の枝野官房長官をはじめとする官邸のメンバーの責任も問われなければならない。彼らが菅前首相の暴走を止められなかった責任は重い。
加えて彼らには「情報隠蔽」「安全デマの拡散」に関する疑いがもたれている。これらについても検証が必要だ。加えて当時の岡田幹事長をはじめとする民主党執行部が積極的に原発事故対応に取り組まなかったことも忘れてはいけない。(殆んど何もしなかった。)本来、政府と政権与党が一緒になって取り組むべき最重要課題であったはずだ。
「何事においても責任を取りたくない。」という当時の民主党政権の体質が如実に表れていると言っても過言ではないだろう。そもそも、指摘されている点の根本原因が何処にあったのかを民主党内部で検証することが必要だろう。「前政権における原発事故対応」を政府と党の立場から総括する必要がある。
そして「反省すべき点は真摯に反省する」ことで、この経験を生かし次の改善に繋げるという作業が重要になるはずだ。党独自に検証し反省するという姿勢が見られない点に民主党が抱かえる問題の本質が伺われる。
問題の本質と考えられる点の一部を取り上げてみよう。
@菅前首相及び、その周辺のメンバーに「他人の意見に真摯に耳を傾けるという姿勢」が欠けていたのではないか。
A震災・原発事故を利用し「自分達の実績を売り込みたいという功名心」が、心の片隅にあったのではないか。
B自分達だけの成績にしたいが為「多くの支援の申出や助言などを排除」したのではないか。
C自分達の能力を過信しすぎていたのではないか。
D責任を取ることを過度に恐れてはいなかったか。
というような疑念と感想を持たざるを得ない。小沢さんが協力する意向を伝えたにもかかわらず、一切の聞く耳を持たず、批判する人間は全て排除するという体質に最大の問題があったのではないだろうか。幾つかの事故調査委員会が立ち上がっているが事故対応だけに限定せず多角的な視点からの検証をお願いしたいものだ。
(読売新聞)
「福島原発事故独立検証委員会」が27日、民間の立場から公表した東京電力福島第一原子力発電所事故に関する報告書では、菅首相(肩書は当時、以下同)の指揮の問題点や、政府の危機管理の不十分さが数多く指摘されている。報告書は首相官邸の初動対応について、「(昨年3月)15日に対策統合本部が設置されるまで、菅氏に対する原子力災害時のマニュアルや関連法制について事務的な説明が一度も行われなかった」と指摘。首相秘書官らが六法全書のページを慌ただしくめくりながら、原子力災害に関する基本法制を一から確認していたことを明らかにした。
菅氏の官僚に対する対応のまずさも記されている。菅氏が「全然俺のところに情報が来ないじゃないか」といら立ちを表明するたびに、関係省庁が大急ぎで説明資料を作成し、報告に上がろうとするが、説明を開始してまもなく、「事務的な長い説明はもういい」と追い出されるパターンの繰り返しだったとしている。
菅氏は官僚不信を強め個人的な人脈を頼って携帯電話で外部有識者から情報を収集。官邸スタッフには菅氏とブレーンの携帯電話でのやりとりの内容が明かされず、スタッフの1人は「何の責任も権限もない人たちが、密室の中での決定に関与するのは問題だ」と証言。枝野官房長官も「常に(任命を)やめた方がいいですよと止めていた」と明かしている。報告書は、東電による原発からの撤退申し出を拒否したことや、東電本店に乗り込んで対策統合本部を設置したことを例に、菅氏の行動力や決断力について、評価もしている。(2012年2月28日09時13分 読売新聞)
上記の記事の中の 「(昨年3月)15日に対策統合本部が設置されるまで、菅氏に対する原子力災害時のマニュアルや関連法制について事務的な説明が一度も行われなかった」とする点については異論がある。官僚側にも問題はあるが、官邸内において役割分担もできず、完全な機能不全に陥っていたことの方が問題だろう。
官邸を仕切る立場である枝野官房長官が官邸と官僚を掌握できず、的確な判断による的確な指示も出せず、只、寝ないで記者会見ばかりしていたことの方が問題としては大きいと思うのだが・・。(自分の露出機会を増やし、目立とうとした疑いがもたれる・・・)
本来なら記者会見は他の誰かに任せ、迅速な情報の収集と分析に基ずく的確な指示を関係者に出すことに集中すべきであったはずだ。その枝野氏が、原子力行政を管轄する経済産業大臣であることに大きな違和感を覚える今日この頃である。
http://haru55.blogspot.com/2012/02/blog-post_29.html
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