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「貧すれば鈍する」という格言がある。この意味は、「貧乏をすると、生活の苦しさから、精神のはたらきまで愚鈍(ぐどん)になり、普段利口な人も愚かになる」とされている。一般的な解釈では「貧」とは経済的な「貧乏」を指すようだが、必ずしもそれだけではないと思う。窮地に落ち込み余裕がなくなる、即ち心が「貧」すると、矢張り愚かなことを考える。そういう場合に使われる方が多いと思う。
28日の読売新聞ウェブ版に、「民主党執行部は28日から、衆院当選1回の議員らを対象に、社会保障と税の一体改革の全国キャンペーン実施と選挙対策の徹底を呼びかけるための個別面談を行なう。来月上旬には新人議員に限って一人あたり300万円の「活動費」も支給する。(中略)3月中の消費税率引き上げ関連法案の閣議決定と法案提出の前に党内を引き締めたい考えのようだ」と報じた。
これと同じ内容を報じたテレビ朝日の同日午後6時のニュースでは、「増税キャンペーンに対する新人議員の対応によって、この300万円が減らされることもある」とも報じていた。ここで筆者の頭に浮かんだのが、「貧すれば鈍する」という格言であった。心貧しきものが形振り構わずに、消費税増税反対派議員を、税金からの政党助成金を使って、「カネ」で買収しようとしている。そういう構図が見えるのだ。
1週前の23日、24日の両日、朝日新聞は大々的に小沢一郎氏の単独インタビュー記事を報道した。野田首相にとって青天の霹靂であったのだろう。それまで朝日新聞の論調は“小沢バッシング”一色であった。朝日に限らず、大手マスコミは全て“小沢バッシング”だと言った方が正しいと思う。従って、マスコミを通して、小沢氏の言う反増税の正論を多くの人が知ることがないと高を括っていたに違いない。
処が「自民と同じ制度で『カネがないから増税』では国民は納得しない」に始まり、「税と社会保障の一体改革と言うが、社会保障の青写真は全く示していない。それで消費増税では筋道が通らない。国民は絶対に賛成しない」と言い切った。たとえ小沢嫌いの人でも、この記事を読んだ人の過半は、「その通りだ」と思ったはずだ。
少しは政治に関心がある人なら、「補助金と政策経費など優先順位をつける予算が毎年30数兆円はある。統治機構を根本から変えて中央集権から地域主権体制へと抜本改革すれば、二重三重の行政のムダを省ける」との意見に、相槌を打つだろう。民主党議員が選挙区に帰れば、当然この発言を引用し、消費税増税をする前に、まだまだやることはある、まずそれをやるべきだと、突き上げを食うことになる。
1月に実施した政府閣僚による「税と社会保障の一体改革」の理解を求めるタウンミーティングは、はじめから「やらせ」だと見抜かれた。「やらせ」を止めたら、参加者は10〜15名と激減し、しかも「反増税」の声に包まれたらしい。政府閣僚も党執行部も自分達が出来なかったことを、今度は「カネ」の力で各議員に押し付ける。外野から見たらそう見える。
この愚挙を、野田首相は「財政再建をすべき」という世論を味方につけるつもりだ、と言う政治評論家もいる。だがそれは無理だ。多くの人は、首相が【財務官僚に操られて】増税を言っていることを知っている。そして、世論は「財政再建の前にすべきことがある」でほぼ一致している。「不退転の決意」と言った手前、野田首相は相当追い詰められている。だから、こういう姑息な手段を思いついたのだろう。
器の大きさ以上に水を入れることはできない。器が小さくても、政治家は政治信念に揺らぎがなければいい。処が、確たる政治信念が無い上に器が小さいから、菅前首相と同様に野田首相も、首相の座に就いた途端、官僚に依存した。その結果官僚に操られ、「国民の生活が第一」という、政治家なら当然のことを忘れてしまった。税金を使って増税のキャンペーンを行なう。将に「心貧しき」行為である。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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