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2012年2月29日 (水)
次期総選挙で民主党議員が落選しない必要条件
次の総選挙がいつ実施されるかは未定だが、次の総選挙の最大の争点が消費増税の是非になることは明確である。
野田佳彦内閣は3月に消費増税法案を閣議決定して国会に提出して、今次通常国会で可決成立させることを狙っている。
この方向でものごとを進めるに際して、最初のハードルになるのは、閣議決定である。民主党内での意見のとりまとめが出来なければ、閣議決定ができない。
賢明な国民新党は、すでに消費増税反対の意思を明確に表明している。
閣議決定が実現し法案を国会に提出した場合には、法案が衆参両院で可決されて初めて消費増税が実現する。予算とは異なり、一般法案であるから、衆議院で可決されても、参議院で否決されると、法律は成立しない。
政策決定はこれから本当のヤマ場を迎える。
カギを握るのは、民主党国会議員の判断である。民主党内国会議員の多数が反対に回れば、閣議決定も法案可決も不可能になる。
民主党国会議員が政治活動を続ける意思を持つなら、次の総選挙で、主権者である国民がどのような判断を示すのかを十分に念頭に置いて判断することが不可欠だ。
結論を先に提示すれば、民主党国会議員で消費増税に賛成する議員は、まず間違いなく主権者国民によって、次の選挙で落選させられるだろう。民主党議員はこのことを十分に肝に銘じて消費増税についての判断を決定するべきだ。
これは私の個人的見解だから、否定するのは構わないし、別の見立てを示す人がいても構わない。しかし、ものごとの推移には、大きな法則がある。水が高いところから低いところに向かって流れるように、道理に従うという側面がある。
ものごとのことわり=理を離れる現実は決して長くは続かない。
野田佳彦氏がいま強引に進めている消費増税には、何よりも大切な正統性がない。天の時、地の利、人の和のいずれをも得ていない。だから、必ず破れることになる。民主党議員でその片棒を担ぐ者は、転落の道を辿ることになる。
三つの問題がある。
第一は、野田佳彦氏の消費増税案が民主主義の根本に反していることだ。
野田氏は2009年8月15日の大阪街頭で、消費増税について、どのような考え方を示したのか。2009年7月14日の衆議院本会議で、全衆議院議員の前でどのような考え方を示したのか。
いま、野田佳彦氏が取っている行動が、この両日の野田氏自身の発言と矛盾しないものであるのか。胸に手を当ててよく考えてもらいたい。
野田氏は、「シロアリを退治し、天下り法人をなくして、天下りをなくす。ここから始めなければ消費税を上げるのはおかしいんです」と言わなかったか。
よく分からなければ、YOUTUBE映像が公開されているので、よく確認していただきたい。
2009年8月15日大阪街頭演説
2009年7月14日衆議院本会議演説
2009年8月総選挙で民主党は、
「シロアリ退治なき消費増税阻止」
の公約を掲げて選挙を戦った。自民党は所得税法附則104条を整備して、消費増税を公約に掲げて選挙を戦った。
主権者である国民は、「シロアリ退治なき消費増税阻止」の民主党に政権を委ねた。
2010年6月17日、クーデターで首相の椅子を手にした菅直人氏は、突然、消費税率10%への引上げを政権公約に掲げた。しかし、7月11日の参院選で、主権者はこの提案を一蹴した。同時に、菅直人氏に不信任を突きつけた。
菅直人氏は即時に首相を辞任しなければならなかったが、1年も総理の椅子にしがみついた。
その後、野田氏が首相になった。しかし、民主党と主権者国民との契約は一切変更されていない。主権者国民は「シロアリ退治なき消費増税阻止」の契約を民主党に信託している。
これを野田佳彦氏が反故にする権限はない。
野田氏が自己の信念に従って、どうしても「シロアリ退治なき消費増税」をやりたいというなら、まず、総選挙で民意を問うべきである。それが、民主主義のルールである。「書いてないことはやらない」がマニフェストのルールなのだ。
第二は、消費増税の前提条件がまったく満たされていないことだ。これには内容が二つある。ひとつは、「社会保障・税一体改革」と掲げる以上、中長期的に持続可能な社会保障制度が明確に示され、その確立と消費増税がセットでなければならない。
社会保障制度改革の核心はもちろん、年金制度改革だ。民主党は2009年8月マニフェストに、極めて重大な方針を明示した。国民、厚生、共済年金の分立する制度を一元化し、同時に、すべての国民に月額7万円以上の年金支給を保証する最低保障年金制度を創設することをマニフェストに盛り込んだ。
したがって、消費増税を推進するなら、同時にこの新制度確立の法整備を実現しなければならない。
もうひとつは、野田佳彦氏が「シロアリ退治なき消費増税阻止」の方針を明示した以上、消費増税の前に、必ず、シロアリ退治を実行することが必要不可欠なことだ。
ところが、この二つとも満たされていない。満たされていないどころか、白紙、もぬけの殻なのだ。
第三は、国民にとっては、中長期の社会保障制度も大事だが、日々の生活も大事である。消費増税を実行する場合、それが引き金になって日本経済を破壊してしまっては、元も子もない。不況で税収が減少し、財政赤字が逆に増えるという事態すら想定される。
現在の日本経済は、サブプライム金融危機と大震災・原発事故のダブルパンチで、ノックアウトされた状況にある。
ここから、ようやく立ち上がろうとするときに、年間10兆円の巨大増税を強行すれば、一億総心中ということになりかねない。
自民党議員が消費増税を掲げるならまだ分かる。民主党議員で消費増税賛成に回るのは、主権者国民に対する明白な背信行為である。主権者国民は次の選挙で、絶対に背信者を許さないだろう。
すべての民主党議員はこのことを肝に銘じ、「シロアリ退治なき消費増税阻止」の旗を掲げる小沢−鳩山両元代表の下に終結するべきだ。
お知らせです!
2月25日に有料メールマガジン読者向けに生配信した「サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談」のアーカイブ動画配信が始まりました。
今回は、「日本はどこまで米国に支配されているのか」を議題に、小沢裁判とこの国の警察・検察・司法の闇、対米隷属を続けるこの国の政治・政策運営などの諸問題について、約90分間ノンストップの白熱した議論を行いました。
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