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財務省・国税が極秘結成した「小沢一郎・調査班」 週刊ポスト2012/03/09号
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週刊ポスト 2012/03/09号 :平和ボケの産物の大友涼介です。
いくら政敵を煽っても、特捜検察に期待しても、小沢の息の根を止められない。ならば、自らの手を汚しても葬り去ってやろう。「反増税」と「歳入庁創設」を訴える小沢一郎に対し、権力基盤を脅かされた霞が関の首魁・財務省が差し向けたのは、自前の暴力組織「国税」だった。
■特捜OBも「小沢の政治力が増す」
ついに国家権力の中枢・財務省がなりふり構わず牙をむき出しにした。
2月17日、小沢一郎元民主党代表の公判で東京地裁が検察の捜査報告書を不採用にした(※注1)直後、本誌取材班は財務省中枢の不穏な動きをキャッチした。
※注1 捜査報告書不採用・・・2月17日の公判で東京地裁は検察官役の指定弁護士が証拠申請していた小沢氏の元秘書・石川知裕代議士の供述など検察の捜査報告書の大部分を不採用にした。石川供述は検察審査会が小沢氏の強制起訴を議決した際の有力な根拠とされた部分だが、取り調べを担当した検事への証人尋問で報告書がでっちあげだったことが明らかになったためだ。それにより小沢氏が政治資金規正法違反に関与していたとする根拠が失われた。
「財務省上層部が東京国税局の資料調査課に、密かに小沢一郎・調査班を発足させるよう指示を出した」という情報だ。
資料調査課は通称「料調(リョウチョウ)」と呼ばれ、マルサ(査察部)と並んで税務調査に熟練した精鋭部隊。1件の調査に何十人もの調査官を集中的に投入して複雑な資金の流れを短期間で解明する能力を持ち、東京地検特捜部も汚職事件の捜査などで非公式に協力を求めることで知られる。
小沢氏に関わる事件で「料調」の名前が出るのは今回が初めてではない。
2年前の1月、特捜部が小沢氏の事務所を強制捜査した際、押収した資料の分析に資料調査課が協力したとされる。その直後には、。小沢夫人の実家にあたる新潟の中堅ゼネコン「福田組」が関東信越国税局の税務調査を受けて約5億円の申告漏れで追徴課税されていたことも発覚。検察と国税の連係プレーをうかがわせた。
財務省にとって税務調査権を持つ国税庁は権力基盤を支える重要な「暴力装置」であり、これまでも政治家や企業、メディアに睨みを利かせてきた。「料調」が集めた有力政治家の資産、収入、関係会社の税務内容などの「極秘ファイル」は東京国税局の総務課に保管され、政局がこじれたとき、財務省の政策に反対する政治家への恫喝や懐柔に利用されてきた、というのが日本の知られざる政界裏面史である。
国税庁関係者は小沢調査班結成の意味をこう受け止めている。
「今になって料調を動かすというのは、財務省の上層部が、小沢氏に無罪判決が出た場合に備えて脱税容疑の調査に乗り出したことを意味する」
財務省の誤算は、公判の重要証拠不採用をきっかけに、「小沢有罪論」を書き立ててきた大メディアが一斉に及び腰になったことだ。
<特捜の惨敗?小沢氏側「有罪の証拠消えた」>(読売)
<共謀認めた石川議員の調書、地裁が却下、小沢氏公判>(朝日)
注目すべきは検察の立場で小沢批判を繰り返してきた若狭勝・元東京地検特捜部副部長のコメントだった。
「無罪の可能性の高まりで、小沢被告が政界で力を増すことが予想され、政治の動向にも注目が集まる」
公判で小沢氏を血祭りに上げる計画が風前の灯火になった特捜が漏らした”本音”かと思わせた。まるで政治的思惑の国策捜査を自白したような光景だ。
もちろんまだ無罪と決まったわけではない。検察を中心とした法曹官僚たちは最後まで小沢抹殺に全力を挙げるだろう。
この3年間というもの、政権交代直前に小沢氏の秘書を逮捕して民主党代表辞任に追い込み、政権を取った後は小沢氏自身への強制捜査で幹事長を辞任させ、それでも検察が起訴できないとなると検察審査会(事務局は東京地裁)が強制起訴に導いた。秘書たちの裁判では、証拠がことごとく否定されたのに、「推認」を重ねて世にも奇妙な有罪判決が出た。
その焦る検察を尻目に、悪の親玉よろしく動き始めたのが霞が関の支配者である財務省だった。
野田首相を操って消費税増税に突き進む同省は、公判の形勢逆転で、「もう検察は期待できない」と見限った。
財務省は福田内閣の社会保障国民会議から足掛け5年、政権交代をまたいで増税準備を進めてきた。その大詰めになって「消費税法案の採決には反対する」と公言して立ちはだかっている小沢氏に万が一でも無罪判決が出れば、民主党内の増税反対派が一段と勢いを増す。何としても復権を阻止したい動機がある。
しかも、小沢氏はその財務省に大きな”爆弾”を仕掛けようとしている。本誌は前号(※注2)で、小沢氏が国税庁と旧社会保険庁(現・日本年金機構)を統合して歳入庁(※注3)を創設する構想を掲げ、消費税増税反対とセットで財務省の権力基盤である国税庁を解体に追い込む計画を描いていることを報じた。
※注2 「いま、小沢一郎が考えていること」週刊ポスト2012/03/02号 http://amba.to/yVcMgg
※注3 歳入庁・・・国税庁と日本年金機構を統合してできる組織。別々に行われている国税と社会保険料の徴収を一体的に行うことで、年間10兆円とみられる事業者からの厚生年金保険料の徴収漏れを回収できる。民主党の09年マニフェストや社会保障・税一体改革素案にも創設が盛り込まれているが、「国税庁廃止」を嫌う財務省は強硬に反対している。
財務省には何としてもやりたい消費税増税と、絶対潰したい歳入庁創設がある。どちらの成否も小沢氏を政治的に封じ込められるかどうかにかかっている。自ら手を汚して危ない橋を渡るのは、このエリート官庁の流儀ではないが、今回ばかりは特別なのだろう。
思い起こされるのは、竹下派のドンと呼ばれて権勢を振るった金丸信・元副総裁のケースだ。東京佐川急便事件(92年)で金丸氏が同社から5億円の違法献金を受けたことが発覚し、捜部は略式起訴で罰金20万円とした。
ところが、国民から「5億円もらって罰金20万円で済むのか」と検察批判が高まると、東京国税局が脱税事件の調査に動き、特捜部は金丸氏を逮捕した。
財務省はそれと同じ手法で、検察も検察審査会も小沢氏を有罪にできないときは、いよいよ国税を動かして、自ら小沢氏の政治生命を断とうとしているのである。
ただし金丸氏のケースには決定的な違いがある。当時は特捜部が金丸氏との事実上の”司法取引”で微罪にし、それ以上の捜査をしなかったことに国民の批判が集中したため、検察と国税庁は国民の声に押されて改めて政界捜査に乗り出さざるをえなかった。
それに対して、小沢氏への捜査は財務省、検察、裁判所が最初から1人の政治家を排除するために権力を恣意的に行使している。国家権力の暴走という極めて危険な状況なのだ。
4月の判決に向けて、小沢氏が国税庁を潰すか、国税庁が小沢氏の動きを封じるかは、この国が「官僚独裁」の道を辿るかどうかの大きな岐路にもなる。
■4月解散で小沢の手足をもぐ
もうひとつ財務省を苛立たせているのが野田内閣のもたつきだ。
財務省の言うがままに増税に邁進してきた野田佳彦首相が泥沼にはまっている。「消費税法案を3月末までに国会に提出する」と大見得を切ったものの、法案提出には小沢氏ら党内の増税反対派の激しい抵抗が予想される上、強引に提出しても、自民党や公明党との協議がまとまらない限り成立は不可能だ。
しかも、自公は増税協議のテーブルに着くことさえ拒否し、国会では与野党対立で来年度予算案の審議が大幅に遅れて14年ぶりの暫定予算の編成が必要な情勢になっている。予算成立が遅れれば復興震災にも国民生活にも支障が出る。支持率は急降下だ。
野田首相や岡田克也副総理が冷静なら、支持率20%台の政権がねじれ国会で大幅増税法案を成立させることなど、針の穴に象を通すより難しいとわかるはずだ。
それでも、財務省は野田首相に社会保障・税一体改革素案を閣議決定させ、「与野党協議に期待しているが、年度内に法律を出す」(藤村修官房長官)と成立の見通しもない見切り発車で法案提出を決めさせた。小沢氏との対決に勝利するためには総理大臣すら私兵に使う傲岸不遜が見える。
財務相経験者である谷垣禎一・自民党総裁は、「首相が小沢氏と一対一で話し、『(消費税増税に)反対なら出て行ってください』と整理しないと、政治の力は生まれない」と、与野党協議の条件に「小沢排除」を突きつけた。誰の”耳打ち”があったのだろうか。
野田首相は、自公が解散・総選挙を条件に消費税法案に賛成する「話し合い解散」に一縷の望みをつないでいる。財務省は首相に「小沢を検察か国税が排除すれば、自公との話し合いの状況ができる」、そう囁いて操っている。
その裏で、財務省は自民党にはまったく別の工作をしていた。野田首相への問責決議案の提出だ。そのうえで今国会での消費税法案成立を断念し、「4月解散、5月20日総選挙」の日程が勝栄二郎財務次官の腹にあるとされる。
自民党参院国対幹部が得意顔で解説してみせる。
「勝次官は民主党内がここまで混乱し、野田政権と自公の信頼関係もない状況では消費税法案成立は難しいと判断している。やはり増税には民自公の連立で衆参ともに過半数の安定政権が必要になる。それなら野田政権をズルズル延命させても益はなく、野田首相の最後の役目は解散・総選挙で民主党政権を終わらせ、政権組み替えの捨て石になってもらうことだ。
どうやって解散させるか。3月末に消費税法案を国会に提出すれば、野田首相は後へは退けない。そこに自公が4月中旬の予算成立直後、参院で首相問責決議案を可決する。その後は一切の法案が成立しないから、野田首相は総辞職か解散・総選挙で信を問うしかない。消費増税に政治生命を賭けるとあれだけ言った以上は『消費税で信を問う』解散に踏み切るだろう。4月中旬解散、5月20日総選挙が財務省が検討している最短の日程で、選挙の後、自民、公明、民主で消費税増税の連立政権を組む」
それだけではないだろう。総選挙になれば小沢支持が多い新人議員の多くは議席を失う。小沢氏の手足をもぎ、そのうえで官僚に従順な政治家を糾合して大連立を仕掛けようという究極の霞が関シナリオが、それに乗った政治家にさえ見破られないとは情けないばかりだ。
すでに勝シナリオは動き始めている。
自民党の溝手顕正参院幹事長、脇雅史参院国会対策委員長は予算成立後の野田首相への問責決議案提出を公言し、野田政権に強硬姿勢を見せている。
同時に、財務省とパイプの太い林芳正自民党政調会長代理と民主党の櫻井充前財務副大臣という増税派の2人がこの2月から民自両党の参院議員約20人ずつを集めて連立を睨んだ勉強会「日本型国家を創る会」を開いた。この勉強会のバックには勝次官がいるとみられている。
■反増税派の団結は絶対阻止
なぜ、勝次官は解散・総選挙を急ぐのか。
背景にあるのは、橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会や、河村たかし名古屋市長の減税日本、みんなの党など政界第3極の勢力拡大である。
特に台風の目になりそうな橋下氏の維新八策には、「国民総確定申告制」「特措法の原則廃止」「年金制度の一旦精算」「保険料強制徴収」をはじめ、霞が関と真っ向から対立する発想が基軸にある。
第3極の地方政党は総選挙を睨んでこの3〜4月から相次いで政治塾を開催し、候補者養成を始める。維新政治塾には3000人以上、河村政治塾にも1000人近い応募者が殺到するなど、旋風を巻き起こしつつある。
次の総選挙は否応なく増税が争点となるが、どちらも増税を掲げている野田民主党と自民党では政策的対立軸にはなり得ない。むしろ、小沢氏ら民主党の反増税派、あるいは自民党の増税慎重派が第3極と共同歩調をとって候補者調整ができれば、増税連立派 VS 反霞が関連合の新たな選択肢が有権者にクローズアップされる可能性がある。国民がどちらを選ぶかは火を見るより明らかだ。
そうした事態を避けるには、第3極勢力や小沢氏が準備を整える前に、解散・総選挙を打つ必要がある。
維新政治塾は3月下旬、河村政治塾と大村秀章愛知県知事の東海大志塾は4月開講だ。「4月解散、5月20日総選挙」であれば、いくら促成栽培でもまともな候補者選びはできないという計算がある。
狙われる立場にあるみんなの党の渡辺喜美代表は財務省の早期解散戦略を百も承知で警戒している。
「財務省が野田政権では増税は無理だと判断して早期解散を仕掛ける可能性は十分にある。その場合、自民党と民主党はガチンコで戦うふりをしながら、裏では総選挙後の増税連立を話し合う談合選挙になる。野田首相は解散で増税のレールを敷いたということで名誉の退陣だろう。しかし、選挙時期が先になるほど維新の会や我が党の準備が整い、総選挙で勢力が増え、増税にストップがかかる。財務省が地方政党、民主党内の反増税派の準備不足の隙を突いて解散を狙うとすれば3月末から常在戦場になる」
去る2月16日夜の小沢氏、鳩山由紀夫元首相、輿石東民主党幹事長の3者会談で、「鳩山さんは輿石幹事長に『このまま増税路線をとれば大変なことが起きる』と釘を刺した」(鳩山側近)という。
野田首相があくまで官僚の私兵となって民主党が国民に約束したマニフェストと戦うのであれば、小沢勢力が”オリジナル民主”を名乗って野田降ろしに動く、という最後通牒だ。
野田氏らが警告を聞き入れて改心すれば、今こそ官僚支配に終止符を打つチャンスだが、そんな度胸はないだろう。であるなら、国会も霞が関も財務省と小沢勢力が胸突き八丁で対峙する緊張に包まれる。そして、小沢氏の背後からは、財務省の隠密部隊「国税」が音もなく忍び寄っている。
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