http://www.asyura2.com/12/senkyo126/msg/774.html
Tweet |
http://60643220.at.webry.info/201202/article_7.html
2012/02/24 23:00
きょう(24日)の朝刊オピニオン面に小沢一郎氏のインタビューが掲載されている。消費税と政界再編をテーマに、1面の3分の2をつぶしての特大インタビューである。
つい昨日まで悪罵を浴びせ続けてきた天敵朝日の取材に応じるとは、なんと小沢さんは太っ腹なんだろうか、あるいは逆になんてお人好しで鈍感なんだろうか。その真意を巡ってネットメディアに論評が飛び交っている。
一番多いのは「朝日はついに白旗を掲げた」「朝日はまず小沢氏に釈明と謝罪をせよ」「無罪が確実になった」などというもので、当方もそういうコメントに異論はないが、ご本人はもっと次元の高いことを考えているはずである。つまり、野田政権がこのまま増税路線に突き進んでいけば民主党はつぶれ、日本は大混乱に陥る、そのような流れを阻むためには、あらゆる機会をとらえて国民に訴えていかなければならない、メディアから求めがあれば堂々と取材に応じるのが政治家としての義務でもある、と。
インタビューの内容は、これまで週刊誌やニコニコ動画で語ってきたことだから、新鮮味も衝撃もないけれど、このままでは日本はとんでもない危機と悲劇に遭遇することになる、という小沢氏の強い思いは、はっきりと読み取れた。以下に、見出しのすべてと、とくに重要と思われる発言個所を引用する。
(引用開始)
*************************************************************************
インタビュー見出し
◆このまま選挙なら民主党は惨敗だ、安定政権作らねば
◆自民と同じ制度で「カネがないから増税」では、国民は納得しない
◆「統治機構」「自立」、維新の八策に同感、旧体制壊さないと
インタビュー抜粋
――自民党を離党して19年。細川政権で小選挙区制を決めたのは政権交代可能な政治体制をつくることでした。それが失敗だったという指摘があります。
「それは全くの間違いだね。中選挙区制は日本人的なぬるま湯の仕組みだが、対照的に小選挙区制は一番政権交代のしやすいシステムだ。自分たちの代表を一人選んで自分の意思表示をきちんとするという意味で、その目標と意義は全然変わっていない。民主党から人心が離れている中、まともな政党ならすぐに政権を取れる制度だ」
――菅政権は参院選で敗北し、「ねじれ国会」でいよいよマニフェスト(政権公約)は実行できなくなりました。
「それはウソだ。私が自民党幹事長の時も『ねじれ』だった。それでも、野党が一番嫌がるPKO法案を提出し、結果的に成立させた。全部ねじれのせいにしてはいけない」
――東日本大震災では地元の岩手が被災しました。すぐに沿岸の被災地に入るべきではなかったですか。
「それは本質的な問題ではない。情緒論だ。まず復興予算を手当てするのが僕の役割だ。現に知事はしょっちゅう来て、話をしている」
――震災3カ月で菅内閣不信任案に賛成しようとした理由は。
「僕は原発が水素爆発した直後から『メルトダウンしている』『全ての情報を公開しろ』と言い続けてきた。政府が認めたのは何カ月も後だ。そういう隠蔽(いんぺい)体質、役所も含めてきちんと整理できなかったのはトップの責任になる。何よりも国政選挙(参院選)に負けたのに辞めなかった。首相が何人目などというのは関係ない。選挙の責任者が負けても居座るのは、議会制民主主義に禍根を残す。これらのことで(菅内閣は)国民の信頼を失っていた」
――自由貿易論者なのに環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を批判していますね。なぜですか。
「日米首脳会談の首相発言をめぐって日米で発表が食い違ったように、米国への発言と国内への説明を使い分けてはいけない。両方から信頼を失う。そのこと自体がもはや、交渉の当事者能力がないということを露呈している。難しいことはできるだけ米国に任せた方がいい、という考えが根底にあるからだ。米軍普天間基地の移設問題もそうだが、日本がどういう役割を果たすかを明示しないと米国と対等に話せない。その交渉能力と体制が問題なんだ」
――野田佳彦首相は消費増税に突き進んでいます。
「国民に税負担を強いる前にやることがある。自民党と同じ制度に乗っかったまま、『カネがない。だから増税』では国民は理解しない。税と社会保障の一体改革と言うが、社会保障の青写真は全く示していない。それで消費増税では筋道が通らない。国民は絶対に賛成しない」
――でも日本は借金まみれです。どうするのですか。
「予算編成は自民党時代と同じ各省の積み上げ方式で、政策の優先順位は全く入っていない。補助金と政策経費など優先順位をつけることのできる予算が毎年三十数兆円はある。いらないものを廃止すればよい。統治機構を根本から変えて中央集権体制から地域主権体制へと抜本改革すれば、二重三重の行政のムダを省ける」
――首相が消費増税を掲げて衆院を解散するとの見方もあります。
「全員道連れにして自殺するような行為だ。現実に支持率がどんどん落ちてきたら、やれるものではない。ただ、首相は何とか(消費増税が)いけると思っているのではないか。気楽にしているようだから」
――野田首相に会ってアドバイスする考えはありますか。
「僕は助言する立場ではない。(党員資格停止で)党大会にも呼ばれていない。党費だけは払わされているけどね」
――仮に選挙になった場合は。
「やってみたら、惨敗だ。私が先頭に立って戦って勝ち取った政権だから、何とか成功させたいんだが、今年やっても来年やっても、このままでは民主党は勝ち目がない。心配なのは、過半数を取れる政党がなくなることだ。そうなったら、何も決められずに、日本は大混乱に陥る。そこへ大不況が来たら悲劇だ」
――それを避けるには。
「民主党が変わらずに(消費増税へ)突っ込むことになれば、民主党内閣、民主党自身の終わりだ。国家が混乱しない方策を考えないといけない」
――どんな方策ですか。
「野田首相が解散するしないではなく、国民の支持がなくなり、国民が『選挙やって出直せ』となってくる。9月までには解散・総選挙になる」
――民主党がダメなら、政界再編を考えるんですか。
「民主党がどうなるかによる。選挙前にやらないとダメだ。選挙で安定した過半数の政権ができる結果を出すようにしないといけない。とにかく、国民が一番支持できる政権をつくらなければならない。なかなか大変だ」
――党を割ることもありますか。
「歌を忘れたカナリアはいらないんじゃないの。僕らはまだ歌を忘れずに歌っている。野田さんがもう一度考えを変えてピシッとしてくれることを望む」
――17日の公判で、小沢さんの関与を示す元秘書らの供述調書が証拠不採用になりました。先が見えてきたと思いますか。
「全部終わってから話す。まだ刑事被告人の立場だからね」
――国会での説明責任を果たすべきだという声は根強いです。
「司法の場にあるのに立法府が干渉するのはおかしい。東京地検特捜部が2年間も強制捜査をやって、徹底的に調べた。国会の質問どころではない。聞きたければ検察庁に行って聞いてもらいたい」
――今年70歳を迎えられますね。最後の仕事は何ですか。
「政権交代で議会制民主主義のレールは敷けたと思っていたが、どうもうまくいかない。民主党がダメでも、自民党がしっかりしてまた政権を取る力があれば、民主党をたたき直してまた挑戦すればいいが、自民党もおかしくなっている。政権党だったからそれらしく見えただけなのか。困ったもんだねえ。政権交代を前提とする議会制民主主義を定着させ、あとは次の世代にたいまつを引き渡す。そのためにいい年して、もうちょっと頑張らなければと思っている」
(聞き手 与党担当キャップ・松田京平 政治部次長・藤崎優朗)
*************************************************************************
(引用終わり)
太っ腹でお人好しの小沢氏とは対照的に、口先番長こと前原政調会長は産経記者の取材を拒否したために、メディアからバッシングを受けているんだとか。ペンの暴力だか言論の自由だかなんだか知らないが、勝手にケンカをすればいい。小沢氏と前原氏の差は、月とスッポン、鯨とメダカ、獅子とタヌキ、太平洋と瀬戸内海ほどの違いである。このインタビューは、小沢氏の器の大きさをあらためて教えてくれた。
ところで、オピニオン面のインタビューはふつう、聞き手も論者も「です、ます」調でやり取りをしているが、小沢氏は「だ(である)」調にされている。小沢氏の朴訥でぶっきらぼうな口調だけは忠実に再現し、強面ぶりを印象づけようという魂胆が見え隠れしている。写真もなんだか不機嫌そう。小沢氏関連の報道で駆使してきた騙しのテクニックは、記者と編集者にまだしみついているのだろう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK126掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。