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対米自立を阻む東京地検特捜部
『月刊日本』論説委員 山浦嘉久
http://gekkan-nippon.com/?p=3261
『月刊日本』2010年1月号
きれいはきたない、きたないはきれい
(fair is foul, and foul is fair)
シェークスピア『マクベス』
イタリア・ファシズムのイデオローグであり、厚生経済学者であるヴィルフレート・パレートは、経済において全体の数値は、全体を構成するごく一部が決定していることを明らかにした。ここに一本のホースがあり、水が流れている。ホースの一部を指でつまむと、排出される水量は減る。指でつまんだ部分がホース全体の排水量を決定しているわけだ。
この考え方はシステム設計にも応用され、ボトルネック理論として知られている。砂時計をイメージすればわかりやすいが、ネックとなる部分が全体の効率を下げることになっている。効率化のためには、ボトルネックを探し出し、適切に処理することが大事になる。
本誌今月号で平野貞夫氏、中村慶一郎氏が指摘している通り、わが国は歴史的大転換期を迎えている。この転換を明治維新に比することもできるが、徳川幕府が滅亡した原因の一つに、財政破綻がある。貨幣経済の浸透に対応できないまま米本位制に固執し、財政赤字が膨れ上がった末に滅亡したのである。そして、明治新政府の最初の大仕事は、国家の赤字をチャラにすることであった。
現在、わが国の財政赤字は一千兆円に迫り、この巨大な赤字を抱えて自民党は滅亡した。この赤字は常識的に考えて、返そうと思っても返せる額ではない。歴史の反復から考えると、国家と民族の繁栄のためには、新政権はこの赤字を吹き飛ばすような、明治維新に匹敵する大胆な転換が必要である。
ことは財政問題に及ばず、内政、外交とも、戦後64年間、わが国を呪縛していたポツダム政治体制を払拭し、真の独立国家として日本は再生せねばならない。
鳩山新政権は、毀誉褒貶はあれども、日本の自立という方向に踏み出しており、その方向性においては間違っていない。歴史は今や大きくうねり始めている。現下の混乱は、ポツダム体制から覚醒せんとする、目覚めの苦しみなのだ。人よりも長く眠っていた者は、その目覚めは人よりも苦しいものになるものだ。
わが国が自立と自尊の道に踏み出し、新しい政体を模索する上で、ボトルネックとなっているものがある。それこそが東京地検特捜部である。
東京地検特捜部は戦後、GHQの指導の下、隠匿退蔵物資事件捜査部としてスタートした。いわば生みの親がアメリカなのであり、特捜部は孝子として、親のために尽くしてきた。その最たるものがロッキード事件による田中角栄の政界追放であった。昭和49年、ジャーナリストの立花隆が『文藝春秋』誌に発表した「田中角栄研究」が引き金となったのだが、この取材には大量の人員と金が動員された。立花グループは土地登記を一件ずつ検証し、角栄と関連会社の関係をすべて洗い上げた。しかし、現在に至るまで、一介の、当時は無名のジャーナリストであった立花がどこから取材資金を得ていたのかは明らかになっていない。そもそも、立花は角栄追及の原稿を依頼されたとき、「あんな程度の男に時間は割けない」と、角栄を無学歴、無教養な男と蔑んでいたのである。ところが一転し、潤沢な資金を駆使して、膨大な「角栄研究」を上梓した。「角栄研究」を元に地検特捜部は大はしゃぎして角栄を追及し、退陣に追い込んだ。
角栄が追放された原因は、アメリカの機先を制して日中国交正常化を行い、トラの尾を踏んだからだという解説もあるが、もっと大きく言えば、田中角栄が、今月号の青木理氏の言う、汗臭く、泥にまみれながらも這い上がってきた土着の「きたない」政治家だったからだと言えよう。アメリカが望むのは、日本土着的な政治ではなく、アメリカの指示通りに、キレイにスムーズに動く政治なのである。そして、土着の「きたない」政治家が駆逐されてきたのが戦後ポツダム政治体制であり、そのお先棒を担いだ買弁売国権力こそが、東京地検特捜部である。検察の正義とは、アメリカの正義そのものである。
現場の検察官がアメリカを意識して捜査をしているとまでは言わないが、彼らは意図せずしてアメリカを利している。それが地検特捜部の遺伝子なのだ。始末が悪いことに、彼らは自らの権力に酔い、しかも正義を行っていると信じているから、自らを省みるということを絶対にしない。酒の酔いはいつか醒めるが、権力に酔った者は醒めることを知らないのだ。
わが国がアメリカのくびきから脱し、戦後ポツダム政体を払拭するには、東京地検特捜部こそがボトルネックであることに気づかねばならない。そして、ポツダム政治的発想は捨て去り、「きたない」政治家こそ、わが国の繁栄と国民の幸福をもたらすのだと認識せねばならぬ。回天の秋にあたり、東京地検特捜部を指弾することこそ、我ら国民の責務なのだ。
やめよ離騒の一悲曲 悲歌慷慨の日は去りぬ
吾等が剣今こそは 廓清の血に踊るかな
*本稿は編集部の許可を得て投稿しています。
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