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“小沢供述は不自然”だけでは有罪難しい
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120224/plt1202240820000-n1.htm
2012.02.24 連載:読み解き鍵で350度視界良好 夕刊フジ
民主党元代表の小沢一郎被告人に係る、政治資金規正法違反事件の第一審裁判が終盤を迎えています。日ごろ、私は一般論として、「被告人の主張が不自然なので有罪ですよね」との質問を受けます。そこで、被告人の主張ないし言い分が、どの程度有罪・無罪の決定に影響を及ぼすか。小沢被告人の裁判ではどうか。本日はこの点を視界良好としたい。その読み解き鍵は、「建築基礎工事の出来次第」。
通常、刑事裁判はまず(1)被告人の主張・供述を脇に置いて、そのほかの証拠で検察側が被告人の犯罪を証明できるか否かの第1段階、その後、(2)被告人の主張・供述内容を検討する第2段階というステップを踏みます。
比ゆ的にいえば、(1)の段階は、建築における基礎工事のようなもの。基礎工事に強度不足などの欠陥があれば、基礎の上に、そもそも壁や床などが造れず家が竣工しません。これと同じく、(1)の段階で検察側が被告人の主張・供述を除いたそのほかの証拠のみで、被告人の犯罪を立証(証明)することに既に「失敗」していれば、被告人の主張や供述を検討するまでもなく無罪になります。
他方、(1)の段階で、検察側が被告人の犯罪を立証(証明)することに十分ではないとしても、「そこそこ成功」していれば、被告人の主張・供述内容が重要となり、それが有罪無罪の結論に影響を与える可能性が高まります。いわば、この場合は、(1)の段階の証拠と(2)の段階の被告人の主張・供述が総合的に考慮されます。
ちなみに、(1)の段階で、検察側が被告人の犯罪を立証(証明)することに「完全に成功」していれば、被告人の主張・供述を聴かなくても有罪認定ができます。しからば、小沢被告人の事件はどうか。私は、(1)の段階で、検察側が被告人の犯罪(収支報告書に嘘の記載をすることにつき秘書と小沢被告人間で気持ちを通じていた=共謀)を立証(証明)することにほぼ「失敗」していると思います。
先日、裁判所の決定で、石川知裕元秘書の「嘘の収支報告書につき、小沢さんに報告してその了承を得た」旨の供述調書(小沢被告人の関与を認め得る直接証拠)が証拠として採用されませんでした。
従って、この裁判で小沢被告人が「収支報告書の記載は秘書に任せきりにして、この裁判が始まった今でも収支報告書を見たことがない」旨の主張をして、それが不自然であると言っても、その不自然な供述だけを捉えて、有罪に持ち込むことは相当難しいと思います。いわば、基礎自体が弱い状態だったと言い得るからです。
■若狭勝(わかさ・まさる) 元東京地検特捜部副部長、弁護士。1956年12月6日、東京都出身。80年、中大法学部卒。83年、東京地検に任官後、特捜部検事、横浜地検刑事部長、東京地検公安部長などを歴任。2009年4月、弁護士登録。座右の銘は「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」。
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