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谷垣自民党総裁は増税、解散、大連立に秋波を送るが野田首相は「増税もできず解散もできず」の公算がますます高く(長谷川幸洋)
http://www.asyura2.com/12/senkyo126/msg/694.html
投稿者 判官びいき 日時 2012 年 2 月 24 日 09:15:16: wiJQFJOyM8OJo
 


政局が動いてきた。鍵を握るのは、自民党の谷垣禎一総裁と小沢一郎元民主党代表である。まず谷垣からみていこう。谷垣は20日の講演で「(民主、自民両党とも)税の骨格に対するベクトルは同じだ。衆院を解散して両方がそういうこと(消費税引き上げ)を掲げて戦えば、どちらが勝つかは別として、足を引っ張るのはやめる流れにもっていかなければならない」と述べた。

これはずばり「増税を認めてやるから解散せよ。後は大連立でいこう」という話である。野田佳彦首相に対して、話し合い解散・増税大連立を呼びかけるアドバルーンを上げたとみていい。実はこれとまったく同じ話を、谷垣は菅直人政権時代の2011年2月にも言っている。当時、コラムでも紹介したが、谷垣は菅との党首討論でこう述べたのだ。

「自民党は昨年の参院選で当面10%の消費税は必要という案を掲げた。次の衆院選マニフェストも当然、それを踏まえたものになる。民主党も方向性はそんなに違わないだろう。選挙の後、勝った方がそれをやって、負けた方も腹いせだなんてことはやめにする。それが、この問題を解決する近道だ」

谷垣は自民党の中で、もっとも早くから消費税10%論を唱えてきた。それを旗印に総裁選も戦った元祖10%論者である。その後を継いだのが与謝野馨元経済財政担当相だ。谷垣は最初から増税賛成なので、政策だけで考えれば、民主党の増税派と大連立を目指すのは自然な選択である。それなのに「マニフェスト違反だから、とにかく解散・総選挙を」と迫ってきたのは、ひとえに党内が増税容認・大連立ではもたないと逡巡したからだ。

解散となれば、議員は小選挙区で民主党と一騎打ちで戦わなければならない。いまさら敵方が苦労して段取りを整えた消費税引き上げ路線に乗って「みなさん、増税が必要です」と選挙カーから演説しても勝ち目がないと考えるのは当然だろう。次の総選挙では、増税に賛成か反対かが最大の対立軸になる。

みんなの党ははっきり増税反対だし、道州制を掲げる「大阪維新の会」も社会保障財源を賄う国税としての消費税引き上げには反対するだろう。そこで増税賛成を貫くのは、とりわけ落選中の議員には大変だ。自民党内には将来の増税を容認しても「その前に歳出削減や行政改革などやることがある」という慎重論も根強い。

鍵を握るのは小沢一郎
話し合い解散となれば当然、密室での談合になる。合意文書も取り交わすだろう。そんな手法がいまどき国民の支持を得られるか。そんな政治的アートの力仕事をやり遂げる陰の立役者が両党にいるか。谷垣は増税大連立に傾きながら結局、腹を固められないとみる。谷垣はブレながらも、最後まで「解散・総選挙を」と叫ぶだけではないか。しかし、それでは政局の主導権を握れない。

そこで鍵を握るのは小沢だ。小沢は朝日新聞のインタビュー(2月23日付け朝刊)に答えて、消費税引き上げに反対する姿勢を鮮明にした。増税路線のまま野田が解散・総選挙に踏み切れば「民主党内閣、民主党自身の終わりだ」と述べ、政界再編の可能性にも言及した。野田にとって、まずは消費税引き上げ法案の閣議決定が最初のハードルになる。そこを乗り越えたとしても、衆院での採決がどうなるか。

民主党・無所属クラブの衆院議席は291。小沢だけでなく鳩山由紀夫元首相も反対姿勢を鮮明にしている。ブレ始めた国民新党が賛成したとしても、小沢グループその他で60人程度が造反すると、増税法案の可決成立は難しくなる。なんとか衆院を通過しても、与党が少数の参院で法案成立は絶望的だ。

参院で否決されるか60日以内に採決されなければ、衆院に法案が戻ってくる。3分の2以上の多数で再可決できれば成立だが、いまの勢力図をみれば、それも不可能だ。結局、谷垣が話し合い解散で党内をまとめ、野田政権と話をつけない限り、増税法案は成立しない。

解散・総選挙が避けたいのが小沢のホンネ
さて野田は増税法案が成立しなかったら、解散に踏み切るだろうか。そこは大いに疑問である。野田は「増税に政治生命を賭ける」と言ってきたが、いざだめになっても野田は自ら退陣や解散を選ばないとみる。なぜかといえば、野田という人物は自分の政策に命を賭けてきた政治家とは思えないからだ。

有名なシロアリ演説が象徴するように、野田は自分の言葉に酔って演説するのは得意だが、肝心の政策を180度ひっくり返しても平気という感性の持ち主である。そんな政治家が増税に失敗したくらいで、自ら権力を手放すとはとても考えられない。すると解散させるには、野党が衆院で内閣不信任案を可決成立させて、野田に内閣総辞職か解散を迫る以外に手はない。野党が自力で不信任案を可決するには議席が足らないので、ここでもやはり小沢グループが鍵を握る形になる。

小沢の本音は増税阻止だが、けっして解散・総選挙ではない。小沢グループは新人が多く、解散して再びバッジを手に出来ると見込める議員は少ないからだ。野田内閣の増税法案に反対しても、増税さえ阻止できれば、野党が出す内閣不信任案には反対するだろう。以上をまとめると「増税できず解散もなし」という見通しが高くなってきた。ひと月前、月刊誌『FACTA』のメルマガ(1月24日配信)で、私は「増税できず解散もなし」の確率を20%としたが今回、その確率を50%に引き上げる。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31892
 

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コメント
 
01. 2012年2月24日 09:30:19 : 2wI5gJuOkE
>小沢の本音は増税阻止だが、けっして解散・総選挙ではない。小沢グループは新人が多く、解散して再びバッジを手に出来ると見込める議員は少ないからだ。

小沢は腹をくくっているよ、、、
 解散総選挙になれば消費増税反対で新党を結成し選挙戦を戦えばよい。
増税推進派の選挙区へ刺客を送り込めばよかろう、、、
郵政解散の時は選挙民に痛みがなかったから小泉が勝利を収めたが、消費増税となれば、9割方反対なんじゃなかろうか、、、


02. 2012年2月24日 10:01:30 : FUviF2HWlS
>小沢グループは新人が多く、解散して再びバッジを手に出来ると見込める議員は少ないからだ。

小沢一郎氏の考えていることは、小沢グループの新人議員の一掃ではないだろうか?

現在の小沢グループの民主党議員が全員落選しても、新小沢グループを橋下氏の維新政治塾の新人候補で入れ替えれば、新小沢グループが政権を担うことは明らかだ。

小沢一郎氏の考えていることは凡人の想定の範囲外だ。


03. 2012年2月24日 11:03:51 : UGkQGgI9jI
長谷川幸洋氏のおっしゃっていることは、だいたいあたっていると思う。
小沢氏の考えは「解散断固阻止」だ。
そして、できれば、「党内政権交代」で局面転換を図るということだ。
それに失敗した場合は、橋下維新の会と連携して、小沢・橋下新党あるいは小沢・橋下連合をつくるということだ。
両にらみの戦略だ。

小沢氏、倒閣初めて言及 数の力に限界説
「断固、解散阻止」−。最近の小沢氏の主張はこの一点につきる。・・・
民主党が政権に居続けることと、党内で自らの影響力を維持することが小沢氏の命題だ。
衆院解散になれば、小沢氏はその両方を失うかもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120224-00000100-san-pol
>「断固、解散阻止」−。最近の小沢氏の主張はこの一点につきる。
まずは、解散阻止。そして、「党内政権交代」。

それがダメなら、最後の手段としての小沢・橋下新党だ。

倒閣、政界再編を示唆=増税解散阻止へ「動く」−小沢元代表
民主党の小沢一郎元代表は23日、衆院議員会館で開いた自身が会長を務める勉強会で、
「『増税で選挙だ』とか(野田佳彦首相が)強引になった時には、自分たちが動くことがある」と述べた。
首相が消費増税を争点に衆院を解散する可能性が大きくなった場合、
首相退陣や政界再編を目指して行動することを示唆した発言だ。
内閣不信任決議案への同調などが念頭にあるとみられるが、具体的対応には触れなかった。
元代表は「国の仕組みを変えると約束したことについて
(首相には)目を覚まして努力してもらいたいということが全ての前提だ」と語り、
消費増税方針を撤回するよう重ねて要求。
解散・総選挙に突入すれば「過半数を取れる政権ができるとは思えない。
政治、国民生活が混乱に陥る」との見方を示した上で、
「無為に座視しているわけにはいかない」と、解散阻止に全力を挙げる考えを示した。
そのための方策としては「国民の生活第一というものを柱に据え、
政権を構築し直すことにわれわれが思いをはせなければならない」と強調、
倒閣運動も想定して結束を呼び掛けた。 (2012/02/23-21:27)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012022300786
>解散阻止に全力を挙げる考えを示した。

「来月いろいろ動く」=石原新党構想は酷評−小沢元代表
 民主党の小沢一郎元代表は23日夜、都内の日本料理店で衆院当選1回議員らと懇談し、
「来月、いろいろ動く」と語った。
野田佳彦首相は3月中に消費増税関連法案を閣議決定し、国会に提出する方針。
政局がヤマ場を迎えるだけに、出席者が「何が動くのか」と尋ねたが、
元代表は「そんなことを聞くなよ」とけむに巻いた。
 出席者によると、元代表は石原慎太郎東京都知事を党首とする新党構想に関し
「駄目だ。ちょっとうまくいかないと思う」と酷評。
橋下徹大阪市長率いる地域政党「大阪維新の会」が発表した次期衆院選公約「維新八策」については、
「あれだけで人気が出る」などと指摘する一方、
「彼らは議席を持っていないので、こっちが固まっていれば主導権が取れる」と述べた。 
 出席した議員からは「民主党を離党したい」との声が飛び出したが、
元代表は「とにかく結束していれば(党内の)主導権はそのうち取れる」とたしなめた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012022301012
>出席した議員からは「民主党を離党したい」との声が飛び出したが、
>元代表は「とにかく結束していれば(党内の)主導権はそのうち取れる」とたしなめた。

まずは、野田首相を降ろして「党内政権交代」を目指す。

新党は最後の手段。
つまり、野田首相が解散に踏み切った場合だ。

その場合は、公約実現云々はあきらめ、生き残るために橋下維新の会と提携するしかないだろう。

たしかに、橋下市長の政治手法や政策には疑問に感じる点も多い。
しかし、ベーシックインカム・負の所得税・脱原発・積み立て年金など、賛成できる政策もある。
なんといっても、選挙に強い。
総合的判断すれば、小沢派が生き残るためには、橋下市長の欠点に目をつぶり、橋下市長と組むしかないだろう。
小沢派(国民の生活が第一派)が次期総選挙で壊滅してしまったら元も子もないのだから、やむを得ない。

■民主・小沢元代表、「船中八策」を評価
民主党の小沢元代表は大阪の橋下市長が次の総選挙に向けた公約の骨子としてとりまとめた「船中八策」について、
「自立」や「責任」などに触れており、「あれだけで人気が出る」と評価しました。
23日夜、自らのグループの1回生議員らと会談した小沢氏は、
橋下氏がとりまとめた「船中八策」の目標として、
「自立」や「決定」、「責任」などの言葉が掲げられていることを指摘し、
「あれだけで人気が出る」などと評価したということです。
また、自らが反対する消費増税の党内論議を巡ってはグループが「結束していれば主導権を握れる」と述べた上で、
「来月はいろいろ動く」と漏らして、自らも積極的にかかわっていく考えを示唆したということです。(24日00:56)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4960722.html
小沢派(国民の生活が第一派)は野田首相に辞任を迫って「党内政権交代」を目指すと共に、
維新の会に合流するあるいは維新の会と選挙協力する準備も進める。
維新の会を真ん中に挟んで、「小沢派−維新の会−みんなの党」連合だ。
(もちろん、みどりの党が結党されれば、これと連携してもよいだろう。)

両にらみの戦略だ。この戦略が現時点ではベストだろう。


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