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笠間検事総長の決断 最高検と最高裁の闘争に発展、前内閣の大疑獄事件も視野
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2012年02月23日 世相を斬る あいば達也
少なくとも、笠間検事総長は、東京地検特捜部の一部勢力が、小沢一郎にまつわる強引な捜査に手を染めてしまった粛清人事を済ませ、一件落着と安堵していたのだろうが、今回の東京地裁大善裁判長の「一検察官の違法不当な取り調べとは言えず、調べは組織的に行われた」と断じられるに至り、更なる関係者への捜査を強いられる立場に追い込まれた。
当時の東京地検の佐久間特捜部長のバックボーンだった大鶴基成は尻を端折って検察を早々に去った。しかし、悪名高い捜査手法で多くの無関係な事件関係者を自殺に追い込み、鬼検事の名を欲しい儘にし、将来は検事総長の座を狙っていたわけだから、明らかに人生を挫折させた。検察内部では、検察全体の信頼を地に落とし、引っかき回して逃げ出すとは何と云う男だと、最悪の評判だ。その子分、佐久間元特捜部長も検察組織から放逐され、法務総合研究所国連研修協力部部長と云うセクションでくすぶっている。谷川恒太地検次席検事は精神的におかしくなり、検察内をウロチョロ異動させられているようだ。捜査手法では悪魔と言われる一番手、当時の吉田正喜副部長だ。(現在の処遇不明だが特捜部は当然外されている)
いずれにせよ、検察内部では東京地検特捜部による「特捜226事件」は一定の粛清人事で幕を下ろす筈だったが、前述吉田正喜元副部長の「小沢は検察審査会で必ず強制起訴できる」の発言、及び現実的検察審査会への審議操作誘導証拠提出が、今や仇となっている。地検特捜部の小沢一郎不起訴決定に対し、最後の最後まで粘り、時限爆弾を仕掛け悦に入っていたのが、この吉田正喜元副部長だ。ところが、皆さまもご承知のように「一検察官の違法不当な取り調べとは言えず、調べは組織的に行われた」と大善裁判長に断罪され、一件落着外野で見守りだけの検察庁に炎が舞い込んでいる。笠間検事総長の指揮手腕が今度こそ問われる事態となっている。気がかりはこの3月退任と云う事で、残された期間は1カ月だ。
田代検事を刑事告発した市民団体は、21日に検察に2回目の捜査要請書を提出した。すでに告発は受理され、最高検から東京地検刑事部に回されている状況なので、最高検としても捜査に乗り出すなとは到底言える状況ではない。郷原氏によると、笠間検事総長は、所謂赤レンガ法務省畑の検事総長ではなく、法秩序に気真面目だと云う評価だけに、粛々と検察内部の捜査に乗り出すことが期待される。検事総長として、たしか初めて記者会見にテレビカメラを認めた総長だと記憶している。捜査の進展を見守りたい、と簡単に言いたいところだが、芋づる式に逮捕者続出の恐れもあるだけに、その手綱が注目だ。ウッカリすると、当時の検察幹部で弁護士などに転身した退官者がお縄になるようなハプニングもあり得るのだろう。
ところが、このような正義の方法論とは別に、奇妙な情報も存在する。以下の日刊ゲンダイの記事を読んでいただこう。
≪モミ消された法曹界重鎮のスキャンダルと暗躍した民主党黒幕、小沢強制起訴の接点
最高裁と法務省に絶大な「貸し」を作り…
ほとんどの証拠が地裁に却下され、どう考えても無実確実の小沢裁判がチョットでも法律をかじっていれば、先刻承知の結果だが、なぜ小沢一郎元代表は強制起訴されたのか。検察審査会によるデタラメ議決の背後で、法曹界に顔が利く民主党幹部が関与したとの仰天情報まで浮上している。これが事実なら、日本中を震撼させる政治謀略事件になる。
「コトの発端は2年前、2010年4月のことです。民主党による事業仕分けの事前調査で、法務省が所管する社団法人『民事法情報センター』の理事長の金銭スキャンダルが判明したのです」(法務省事情通)
新聞では小さく報じられただけだったが、法務省や最高裁は上を下への大騒ぎになったという。なぜなら、この理事長が最高裁判事や法務省官房長などを歴任した法曹界の重鎮だったからだ。
当時の報道によれば、理事長がセンター側から無利子・無担保・無期限で1500万円の融資を受けていたことや、前年から理事長の報酬を月額50万円から 100万円に引き上げていたことが判明。さらに、センター敷地内に、理事長をトップとする弁護士事務所が設置されていることなども問題視された。4月16日の衆院法務委員会で、千葉景子法相(当時)は、「極めて不適切。法人の存廃について検討する」と明言したが、その後の対応は、実は別の有力議員に委ねられたという。
「この問題では、法務省が監督責任を問われるだけでなく、理事長が刑事責任を問われる可能性もあった。元最高裁判事が刑事被告人になるなんて、大事件です。対応に困った千葉法相は、法曹界と太いパイプを持つ民主党幹部に相談。その幹部は政権中枢の立場にもあり、事案を預かると、法務省や最高裁事務総局と話をつけて、事件の幕引きを図ったという。それ以来、最高裁にも顔が利くようになったといわれています」(前出の事情通)
連休明けの5月8日、民事法情報センターは突然、解散した。社団法人の解散がこんな短期間で行われるのは異例だ。会員や利用者の困惑は並大抵ではなかったというが、理事長のスキャンダルは事件化することなく、瞬く間に収束した。
一連の経緯を疑惑視しているのが、元参院議員平野貞夫氏だ。20日発行のメルマガで次のように告発している。 〈法曹界の 重鎮の刑事責任人や社会責任をもみ消し、不問にした千葉法相の責任は重大である。千葉法相ひとりの判断で決めたことではなく、民主党政権の有力閣僚は、動きがあったとの情報があり、真相の究明が必要なのである〉 〈理事長を不問として問題をもみ消した有力閣僚は、最高裁と法務省に絶大な「貸し」をつくったことになる。その貸しを政治的に利用したのか、しなかったのか〉
折しも、この事件直後に管政権が誕生。小沢排除が進み、ついには得体の知れない検察審査会によって強制起訴されてしまったのである。 *起訴の大前提が失われた小沢裁判で、仮に有罪判決が出るようなことがあれば、それこそ、黒幕≠フ存在が疑われても仕方ない。≫(日刊ゲンダイ)
以上なのだが、此処では検察審査を実質的に取り仕切る、今や日本の司法を捻じ曲ている元凶とまで言われる“最高裁事務総局”が顔を出している。仮に、S谷やE田等が上記の揉み消しに関与しているとなると、話は最高検だけで問題を処理出来ない複雑さが生じてしまうのである。最高裁事務総局と最高検察庁の権力闘争、或いは事態の進展如何では、時の官房長官、法務大臣の犯罪とか、内閣総理大臣の犯罪と云う、前代未聞の大疑獄事件になるかもしれない。何とも奥の深い小沢一郎事件である。事の序でなので、もう一本の記事を載せておくので、関連づけて読むことをお薦めする。
≪小沢事件で特捜検事が捕まるゾ 裁判所が断罪 組織ぐるみの違法捜査
デタラメ調書がことごとく却下されたことで、「小沢一郎との全面戦争」をブチ上げた特捜検察の“敗北”は決定的となった。返り討ちにあった検察の威信は失墜、世間から痛烈批判を浴びているが、謀略捜査の“代償”を払わされるのはこれからだ。小沢捜査に突っ走ったチンピラ検事や上層部が一斉逮捕される可能性が出て来た――。
地検特捜部が真っ青になっているのは、調書が全面却下されたからだけではない。田代政弘検事のヤクザまがいの取り調べについて、裁判所が「違法不当な取り調べは組織的に行われた」と断じたからだ。
すでに田代検事は「虚偽有印公文書作 成」などの罪で市民団体から刑事告発されているが、一介のヒラ検事が、独断でこんなムチャクチャができるはずがない。本人も裁判で「上司の指示で」と言ったように、組織ぐるみだったのは明白だ。元東京地検検事で名城大教授の郷原信郎氏がこう言う。 「裁判所から『組織的なものだった』と認定された以上、検察組織もこれを放っておくわけにはいきません。捜査に乗り出さざるを得ないでしょう。虚偽の調書で検察審査会をダマしたわけですから、組織ぐるみで偽計業務妨害罪となる可能性もある。裁判所の判断によっては公訴棄却もあり得ます。検事についても、虚偽公文書罪で刑事告発されている田代検事だけでは済まないでしょう。政治的影響を考えると、3人の特捜検事が逮捕された大阪地検の証拠改ざん事件とは比較になりませんからね。捜査対象はもっと上の方にまで及ぶと思います」
大阪地検の一件でさえ、フロッピーを改ざんした特捜のエース・前田恒彦検事のほか、直属の上司だった大坪弘道特捜部長、佐賀元明副部長までが逮捕・起訴されている。小沢捜査に置き換えれば、田代検事と同じく、石川知裕議員にメチャクチャな取り調べをした当時の吉田正喜副部長、捜査を指揮した佐久間達哉特捜部長ら現場の上司、そのさらに上から指令を出していた検察幹部の逮捕まで視野に入ってくる。
笠間検事総長も覚悟を示唆
実際、検察トップの笠間治雄検事総長が、それらしいことをほのめかしているという。
「笠間氏は最近、周囲に『腹を決めた。辞めるまでに無駄死にはしない』と話しているそうです。3月の退任までに今回の不祥事の後始末、つまり暴走検事たちの摘発を考えていると思われます。もともと笠間氏は、10年12月の検事総長就任の前から、小沢捜査には反対していた人物です。彼が『無駄死にはしない』とまで言っているのだから、相当なことが起こるでしょう」(司法関係者)
田代検事を刑事告発した市民団体は、きのう(21日)、検 察に2回目の捜査要請書を提出した。すでに告発は受理され、最高検から東京地検刑事部に回されているから、近く捜査が始まるのは確実。逮捕者がゾロゾロ出れば、特捜部は壊滅必至だ。≫(日刊ゲンダイ)
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