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橋下大阪市長は、市役所職員のメールを当事者に事前に通知することなく無断で「検閲」を行なった。この行為は内部通報者によってマスメディアで取り上げられることになったのはご存知の通りだ。もしも内部通報者が現れなければ、橋下市長による市職員のメール無断検閲は直接の関係者以外誰にも知られずに文字通り「秘密裏」に行なわれるところだった。
今回のメール無断検閲についてマスメディアから理由を問われた橋下市長は、「組合員が不正な行為を行なっている疑いがあり、問題を明らかにするために市職員に無断でメール内容を収集した。事前に通知すればメールが削除されてしまう。組合員の不正行為を暴くのは大阪市民が望んでいることだ。僕は大阪市民の期待に応えたまでだ。全然問題ない」と答えた。
理屈で考えれば橋下大阪市長の言っていることはまことに合理的であり、かつ効果的である。事前に通知すればメールが削除されてしまうというのはその通りだろう。だが理屈の上で合理的ではあっても人間は理屈だけで動いている訳ではない。大阪市役所では私用メールは禁止されていたというが、メール内容を監視するという規定が市役所になかったため、家族や友人との間の連絡用にメールを使ったことのある職員は相当数にのぼるだろう。中には他人には知られたくないごくプライベートな内容のメールも含まれているはずだ。
そういったセンシティブなメールも橋下大阪市長による検閲の対象となったことになる。もちろん規則で私用メールが禁止されているのだから、プライベートなメールをした者が悪いと切って捨てることは簡単である。橋下大阪市長も当然そういう考えのはずだ。そうでなければ無断でメール内容を調べるなどという行為はできない。ということは今回のメール検閲によって、市職員の少なくない人々が個人のプライバシーを侵害されたと感じているだろうことは想像に難くない。と同時に私用メールをしていたことが市の上層部に知られたことで、自分に不利益が降りかかるのではないかと不安でたまらないだろう。何しろ大阪市長は厳罰主義を公言している橋下徹である。
今回の無断メール検閲によって市職員は精神的に萎縮するとともに無力感も感じているはずだ。上には批判的な事は言えない。言ったら現在の地位に居続けることができるか判らない。今回のような行為は大阪市職員を萎縮させるとともに、上には従順なイエスマンとなるように精神的な圧力をかける結果をもたらさずにはおかない。橋下大阪市長は市職員全員を上に従順なイエスマンだけに変えたいのだろうか。そうではないはずだ。しかし橋下大阪市長のやっていることはそうした結果をもたらすものだ。
批判的な事は一切言わず自己保身に走るイエスマンの集まり。そう変化した組織がまともな行政サービスを大阪市民に提供できるとは思えない。橋下徹大阪市長のやっていること。これからやろうとしていること。それは橋下徹個人の思惑とは正反対の結果となる。厳しい規則と厳罰主義で臨めば大阪市職員が浄化され、市民のために働くようになるだろうと考えている橋下徹は、一人ひとりの市職員が今どんな思いでいるのかまったく分かっていない。
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