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週刊メールジャーナル（会員制経済情報誌『現代産業情報』２月１５日号より転載）様より。
「自作自演の天下りみたいなものじゃないですか！」
２月９日の衆院予算委員会で、鹿野道彦農水相のグループに属する樋口俊一代議士秘書の田中公男氏が、農水省顧問に就任して農産物の中国輸出促進を目的とした社団法人「農林水産物等中国輸出促進協議会（促進協議会）」の設立に尽力、
昨年７月に設立されると、代表理事に就任した経緯を、
こう批判したのは、自民党・稲田朋美委員だった。
本来、農水省顧問は、事務次官経験者など高級官僚ＯＢに与えられるポスト。
そこに、農水省とは縁もゆかりもない田中氏が、「大臣のお声がかり」で就任、中国政府相手に「政府関係者」の立場で接触、目的を達すれば、公設秘書も農水省顧問も辞めて、代表理事に就任、展覧館販売（後述）の窓口を独占すると
いうのだから、「自作自演」を批判されても仕方あるまい。
田中氏と促進協議会の問題は、今年に入って「野田総理訪中をめぐって起きた官邸内の内部紛争」と、題された怪文書が出回り、その詳細に記された「鹿野派利権」に興味を持った捜査当局が「近く最終判断を行なう」と、
民主党・有田芳生参院議員が、１月１３日、ツイッターで呟いたことで、騒ぎが大きくなった。
実際、警視庁が、この問題に興味を持っているのは確かだ。というより、怪文書は「鹿野派攻撃」「田中攻撃」を目的として作成されたものでなく、
警視庁の依頼によって、この問題に精通した人物が作成した。それだけに詳細を極めている。
農産物の中国輸出そのものは、否定されるべきではない。
日本のコメは、中国の富裕層の間で「贈答品」として用いられており、二極化する中国でコメだけでなく日本の高級志向の農畜産物が受け入れられる余地は、十分にある。
そこで、北京空港の近くにある「農業博覧館」を借り、この施設でコメ、牛肉、野菜、果物、加工食品などを展示、「売れ筋」を中国で販路に乗せようという計画だった。
鳩山家に近く、中国パイプを有する田中氏が、このプランを発案、鹿野グループに属し、コメどころの新潟が選挙区の筒井信隆副農相に話をつないで、
中国との交渉が一気に進み、２０１０年末、筒井副農相が訪中、中国有数の国有企業「中国農業発展集団（中農集団）」の劉身利会長と「覚書」を交わした。
翌年１月、鹿野農水相の招きで劉会長らが来日、各種農業施設や農業者大学校を視察、都内のホテルで「中国輸出促進会議」が開かれ、
「当面、年間２０万トンのコメ輸出」が約束されたという。
だが、すべての動きが、「3.11」でいったんストップする。福島第一原発事故
が放射能を撒き散らし、その影響を危惧した中国は、日本の農産物に対する厳しい輸入規制を敷き、「輸出気運」は急激にダウンした。
本来なら、ここで促進協議会の動きも見直されるべきだろう。だが、田中氏は走り続ける。
顧問の肩書きで中国に乗り込んで交渉を進め、７月には社団法人を設立、自ら
代表理事に就任、展覧会場のスペースを年間２億円で予定通り確保、さらに今
年２月２０日のオープンに向けて、２億円をかけて内装工事を発注したのだっ
た。
疑惑が生じるのは、ここである。なぜ、田中氏はムリをするのか。
農水省関係者がこう解説する。
「田中氏は、中国輸出を狙う農産物の会社、医療法人、製薬会社など様々なところに声を掛け、カネを集め、準備もしてきたので、今更、引き返せない。怪文書は、受注建設会社からのキックバックも示唆している。様々なシガラミに、絡み取られてしまった」
密かに進めていたのだから、問題は時間をかけて解消すればよかった。必要とされる４億円のうち、田中氏は基金への出資などで１億４０００万円を集め、
とりあえず家賃として送金しており、残りは待ってもらっている状態だという。
「輸入規制」がいつまで続くかわからないが、「窓口独占」のうえ、被災地以外のコメが認められ２０万トンが軌道に乗れば、思惑通りに法人機能が果たせよう。
しかし促進協議会の事務所が、鹿野グループを支援する医療法人の所有物件であることが象徴するように、「鹿野利権」であることが表面化してしまった。
基金に資金提供した企業の中には、「話が違う！」と、怒りの声をあげるとこ
ろもあるし、国会問題となったことで、警視庁の内偵にも力が入る。
拙速のうえに自ら代表に就任するなど、利権作りに習熟していない民主党の甘さもうかがえ、疑惑がさらに大きくなるかどうかはともかく、民主党野田政権の“お粗末さ”を、さらに知らしめる結果となった。
（私のコメント）
本当にお粗末な話ですね。自分たちの利権ばかり追求していて、恥を知りなさい。
そういえば、昨日、６０歳代の両親と３０歳代の親子が、餓死したという悲惨なニュースがありましたね。
国会議員は、自分の利権や金集めをしている時間があったら、餓死する国民を助けられる仕組みを考えてくださいよ！
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