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小沢犯罪追及のメディアは一体どうする
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2012/2/20 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
それでも公訴棄却にならぬ小沢裁判の謎
◆犯罪の主要の証拠がほとんど無くなったのに「無罪になるとは限らない」と報じる検察ベッタリ大新聞テレビの面目
【デタラメ報道のメディアなど誰も信用していないが、そのとき小沢無罪判決になったら その後の対応は見物だ】
先週17日にあった小沢裁判が大きなニュースになっているが、解せないことが2つある。検察のデタラメは、もはや驚きでもニュースでもない。そうでなくて、この裁判はなぜ打ち切りにならないのか。そこが議論にならないから不思議なのだ。
「ほとんどの証拠が消えた。公訴を棄却すべきだ」
石川知裕元秘書の検察調書などが証拠採用されないことが決まった後、小沢弁護団はあらためてこう主張していた。これがまっとうな考え方。くだらない裁判を続ける意味は何もないのだ。そもそも小沢一郎元代表が強制起訴された事件は、「事件」と呼ぶのも恥ずかしいチッポケなこと。政治資金報告書の土地購入記載を元秘書たちがずらし、それを小沢が指示、共謀したのかどうかという問題。どうでもいい話だ。だれも損をしていないし、一般国民や納税者には何の関係もない。
その上、検察審査会の一般人11人が、小沢「強制起訴」を議決した最大のよりどころが、石川元秘書の供述調書だった。例の「小沢先生に報告し、了解を得た」という調書だが、それが17日に裁判所で「任意性なし」と却下されたのだ。検察審査会の有力な材料にされた捜査報告書も、担当検事の作文だったことが法廷でバレている。何から何まで検察の捏造と改ざん。これじゃあ、起訴そのものが無効。裁判を続ける条件がなくなったのである。
それが明確になった今、何のために小沢裁判をダラダラ続ける必要があるのか。「こんなナンセンスな裁判は打ち切れ」という声が強まって当然なのだ。
【決して自らの非は認めない大マスコミ】
もうひとつの謎は、大マスコミに関することだ。自分たちの情報源であり、小沢潰しでタッグを組んだ検察が、裁判所からコテンパンに批判された。「利益誘導だ、違法だ」とボロクソである。それで唯一の直接証拠が否定され、「小沢無罪」は動かなくなったのだから、大マスコミも反省して当然と思いきや、ケロッとしている。検察だけ批判して、自分たちは知らん顔だから信じられないのだ。
司法に詳しいジャーナリストの魚住昭氏はこう言う。
「メディアが検察情報をそのまま流してきたことで、検察が狙った“小沢=巨悪”のイメージができあがり、それが小沢捜査をゆがめたり、誤った世論を形成させたことは、だれも否定できないでしょう。でも、だからといって、メディアの記者たちは誤報したとは思っていない。間違ったのは検察であって、自分たちは、“○○によれば……”と、当局の見方を伝えてきただけだという言い分。これは客観報道というより、無責任報道なのですが、その認識がない。今後、小沢さんが無罪になっても、メディアが反省し、謝罪の記事を書くことはないはずです」
そういえば、今回の小沢公判の報道でも、最後に必ず「そうはいっても、これで小沢元代表の無罪が決まったわけではありません」と付け加えていた。言うに事欠いて「小沢氏が資金疑惑について説明責任を果たしたとは到底いえない」と書いた社説もあった。驚くべき往生際の悪さだが、ここまで性根が腐っているとなると、この先、何をしてくるか分かったものじゃない。
【まだ続く裁判で判決の4月までの間に司法権力やメディアや官僚利権死守の闇の連帯が何をしてくるか分からぬ無法警察国家のこの国の後進国並み野蛮の現状】
政権交代から2年半、この国の政治は右往左往し、夢も希望もない状況になっている。この混迷と政治空白をつくり出したのが、大マスコミだ。民主党政権が支持され、既得権をひっくり返す改革を次々とやられては困るから、小沢犯罪追及を拡大させて世論離れを仕掛け、内紛と分裂をあおり、政権を弱体化させてきた。検察や官僚組織と組んだ大マスコミの意図的報道によって、この国は本当に無駄な時間を浪費してしまったのだ。
「小沢さん排除の報道がなかったら、日本の政治は大きく違っていたはずですよ。民主党はマニフェスト実行で固まり、自民党政権とは違う政治を目指した。政経塾出身議員が幅を利かすことはなかったし、消費増税をするしかない、TPPを押し付けられるしかないというどん詰まり政治でなく、もう少し期待のもてる形になっていたでしょう。それを考えれば、検察と一体化したマスコミ報道は、取り返しのつかない大罪を犯したことになるのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
最終的に小沢無罪判決になったら、是が非でも大マスコミには落とし前をつけてもらうしかないのだが、そんな気は毛頭ない連中に、何を言ってもムダだろう。むしろ、さらなる悪事や謀略を仕掛けてくることを警戒した方がいい。
【証拠がなくても「有罪」にされる暗黒】
「小沢さんは、石川知裕衆院議員のICレコーダーで命拾いをした。あれがなかったら、予定通りに抹殺劇が進んでいたのだから、怖い話です。それだけに晴れて無罪となり、小沢さんが復権したら、信念に沿って行動を起こすと思いますよ。宣言通り、消費増税はやらせず、野田内閣は総辞職に追い込まれることになるでしょう」(本澤二郎氏=前出)
小沢が無罪になっては困る野田政権は、死に物狂いで最後の小沢潰しを仕掛ける。それに検察やマスコミだけでなく、小沢が怖い官僚組織、司法権力も加担するだろうから、何が起きても不思議じゃない。
小沢裁判が公訴棄却にならず、このまま続いて4月判決なら、それまでの間に“闇の工作”も可能になってしまう。無罪確実なのに「有罪」という事態だって大ありなのだ。
「法律論からいえば、小沢さんを有罪にするのは無理です。有罪にする材料がないからです。しかし、この一連の裁判だけは常識や法律論では語れない。石川さんたち元秘書3人の裁判でも、大事な調書が採用されないにもかかわらず、推認に推認を重ねた登石裁判長によって、あり得ない有罪判決になった。虚偽記載の当事者でない小沢さんを有罪にするのはもっと難しいが、かといって絶対に有罪判決はないと言い切れない不気味さがあるのです」
魚住昭氏(前出)はこう危惧した。
証拠も何もなくても、有罪にされてしまうかもしれない。利権を死守したい連中に葬られる危険が消えない。いやはや、野蛮な後進国並みの無法国家だが、それがこの国の現状であることは間違いないのだ。
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