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平和ボケの産物の大友涼介です。
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11170329729.html
=========== 関連記事 ===========================================
●人間・小沢一郎「最後の大構想」 聞き手・渡辺乾介氏 週刊ポスト2012/01/01・06号 http://amba.to/tHrQet
●小沢一郎氏〜「民主党が変わらなければ、私が動く」週刊朝日2012/01/20号 http://amba.to/xemreK
●「共同通信による小沢氏の一問一答」 2012/02/04(東京新聞) http://amba.to/xZ0rsE
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「いま、小沢一郎が考えていること」週刊ポスト2012/03/02号
<引用開始→
「最後のご奉公です。文字通り『最後』です」小沢一郎民主党元代表は、本誌新春合併号のインタビューでそう語った。その最後の戦いの火蓋がついに切って落とされた。増税、年金改悪、対米従属、大メディア癒着、そして霞が関支配・・・野田政権の最低最悪の政治に堪忍袋の緒が切れた「壊し屋」が挑む決戦の秘策が、今明らかになる。
■「2月17日決起」の大号令〜増税と小沢公判の奇妙な符号
党員資格停止で蟄居させられ、”疑惑の法廷”で被告席に座っていた小沢一郎元民主党代表が、ついに動き出した。
「大改革もしないで増税するのは、国民を愚弄する背信行為だ」
これまでほとんど出なかった大メディア(共同通信)のインタビュー(2月4日)で消費増税への反対論を展開したのを皮切りに、ネット番組やBS放送に相次いで出演し、増税反対運動を強力に展開している。
2月9日には小沢グループ「新しい政策研究会」の会合に約100人を集め、2月10〜13日には自ら塾長を務める「小沢一郎政治塾」を開催するなど、活動を本格化させた。
その理由は足枷となってきた政治資金規正法違反事件の公判が大きな転機を迎えたことだ。
公判では検察の捜査報告書にある元秘書の石川知裕代議士の供述がでっちあげだったことが検事への証人尋問で明らかになった。(※)石川供述は、検察審査会が小沢氏を強制起訴と議決した際の有力な根拠とされたが、それが覆された。さらに検察審査会の審理にあたって検察が小沢氏に有利になる捜査報告書を選別して隠し、提出していなかった事実も発覚している。
※小沢氏の政治資金規制法違反事件の捜査の際、元秘書である石川知裕代議士が「(虚偽記載を)小沢先生に報告し、了承も得ました」と供述したとの捜査報告書が作成されたが、石川氏が録音していた取り調べにはそのやり取りがなく、捏造されたものであることが発覚。取り調べを担当した検事は「記憶が混同した」と弁明した。
弁護側は「虚偽の捜査報告書を根拠にした議決は無効」として公訴棄却を要求している。
公判は裁判所が2月17日に問題の捜査報告書などの証拠採用の判断を下した後、3月9日に論告求刑、同19日に弁護側の最終弁論を経て結審し、4月中に判決が出される見通しだ。
だが、小沢氏は判決を待つつもりはない。側近のベテラン議員はこう語る。
「判決を待っていては消費増税のレールが敷かれてしまう。小沢さんは証拠採用の対応を見極めた後、小沢派120人に増税法案を阻止するための大号令をかけ、増税派に政策論争を挑む覚悟を決めている」
一見無関係な小沢裁判と増税論は、水面下で表裏一体となって進められてきた。増税派が最も恐れるのは野党でもマスコミでもなく、小沢氏だったからだ。
増税論が最初に浮上したのは10年の参院選前。検察の強制捜査で小沢氏が幹事長を辞任し、「小沢排除」を掲げて財務大臣から首相に就任した菅直人氏が突然、消費税率の10%への引き上げを打ち出した。参院選に敗北した菅首相に小沢氏が代表戦で挑むと、なんとその投票日に検察審査会が強制起訴を議決して小沢氏の首相就任を阻止するというわかりやすい展開に。やはり財務大臣から首相に上り詰めた野田佳彦氏は、いっそう増税にのめり込み、昨年10月から始まった公判で小沢氏が身動き取れない間に、党内で「一体改革素案」を決定した。
そして今、財務省を中心とした増税派は、なんとしても小沢判決前に、増税を規制路線にしようとしている。「たとえ罰金でも小沢氏が有罪になれば党内の増税反対派は総崩れになるが、有罪が無理なら判決前に増税路線を後戻りできないところまで進めなければならない」(野田側近議員)
野田首相がどう見ても勝算のない消費増税をごり押ししているのは、背後にいる財務省が小沢復権を恐れているからに他ならない。
それをよく知っている小沢氏は、「敵の嫌がることをせよ」の兵法通り、判決を待たずに勝負に動いた。
決戦の火蓋は切って落とされた。
小沢氏が増税反対をぶち上げると、野田首相は対抗策として党内締め付けに出た。与野党協議を一回も開かないまま見切り発車で消費増税大綱の閣議決定を急ぎ、ご丁寧にその閣議決定を、先述した小沢公判の重大局面である2月17日朝に設定した。
さらに民主党執行部は翌2月18日から300選挙区で順次、車座集会を開き、「消費税紙芝居」を使って増税キャラバンを始める。これも共同通信の小沢インタビューが報じられた直後の党常任幹事会で突然方針が伝えられたものだ。
政府は既に安住淳財務相、岡田克也副首相らの増税全国行脚をスターとさせており、今度は党主催所属議員全員にそれを強制しようというのだ。
「いったん車座集会に出れば、増税に反対できなくなるから、これは反対派や中間派への踏み絵だ。党のカネで票を減らす増税キャンペーンなど気がおかしくなったとしか思えない」(増税反対派の若手議員)
そうした締め付けに、増税キャラバンの責任者にされた小沢グループの広野允士党広報委員長(参院議員)は辞表を叩きつけた。広野氏が語る。
「車座集会で有権者の意見を聞くという建て前だが、実際は増税賛成派を集めて『大きな政府はなかった』とアピールする”やらせ”です。一般有権者は『民主党は嘘をついた』と増税に反対しており、地元の会合でもそれを肌で感じる。政治理念として増税に反対だから、広報委員長として増税キャラバンに加担するわけにはいかない」
広野氏は辞表を出す前夜、小沢氏に進退を報告した。「小沢さんからは、『おお、そうか。それは政治判断だから重く受け止める』と言われました」(広野氏)
辞任は小沢氏の承諾の上だった。
しかし、増税反対を叫ぶだけでは、増税礼讃の大メディアから「財源はどうする」「無責任」と集中砲火を浴びることは明白だ。
「そんなことは百も承知。増税が必要だという霞が関の嘘を暴かなければ有権者への説得力はない。小沢さんは政策論争で増税派を論破する準備をしている」
小沢側近は自信満々の言い方をした。必要なのは、増税なしでこの国を立て直すビジョンと理念である。小沢氏は反増税の対案を示して、この国の「新しい形」を語れるのか。
■18兆円の財源を生む秘策〜歳入庁創設で財務省を「武装解除」
税は国家の基本といわれる。小沢氏は政権交代前から、増税ではなく、「統治機構の改革」と「総予算の組み替え」によって財源は生まれると主張してきた。
BS11の番組(2月10日放送)でこう語っている。
「政権交代をするときに、統治の機構という言い方をしますが、行政を根本から変えなくちゃいけないと我々は主張したわけです。地域主権というのは明治以来の中央集権、官僚を中心とした行政の在り方を変えることです。そのことを主張して、公平・公正な行政を行うと同時に、無駄に使われているお金を全部洗い出して財源に充てると国民に言ったわけです」
その統治機構改革の象徴が、小沢氏が09年総選挙のマニフェストに盛り込んだ「歳入庁」の創設だ。
<社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体的に徴収する。所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する>
マニフェストにはそう明記されているが、この改革を実行すれば税収面で大きな効果を生むことは間違いない。
どういうことか。
国税庁に税務申告している企業、医療法人などの総数は全国約262万社(10年度末)にのぼるが、このうち厚生年金に加入している事業所数は約175万社(同)。その差、87万社は年金保険料を納めておらず、社員は無年金か、自営業者と同じ国民年金などに加入させられている。これは違法行為である。
歳入庁をつくれば、税金だけ納めて保険料は払わないということはできなくなるから、保険料徴収漏れを一気に解決できる。
民主党議員の勉強会で歳入庁の重要性を説いてきた元財務官僚の高橋洋一嘉悦大学教授が指摘する。
「175万社の厚生年金の保険料収入は年間約32兆円。未加入の87万社の徴収漏れはざっと10兆円と推計される。野田政権が社会保障財源のためといっている増税がなくても、歳入庁をつくって取るべき保険料を取れば10兆円の財源ができる。
さらに国民総背番号制度を導入すれば税の捕捉率が高まり、5兆円ほど税収増になる可能性がある。それに加えて、日本の消費税制にはインボイス(仕入れ時に消費税額を記入する書類)がないから捕捉漏れが起きている。インボイスで税務署が捕捉漏れを防げば、消費税5%のままでも約3兆円の増収になる。合わせて18兆円だから、増税の必要は全くありません」
それなのに歳入庁設置が進まないのはなぜか。
財務省が嫌がっているからである。巨大な税務調査権を持つ国税庁の存在は、財務省を頂点とする官僚支配の「裏権力」の源泉になってきた。
国税庁の幹部は財務省キャリアで占められ、政治家でも民間人でも、財務省の政策に反対する者を税務調査で恫喝することは、日本の裏面史だった。最近も、国税当局が大新聞に次々に税務調査をかけ、その直後からメディア全体の論調が増税賛成へと急傾斜したことを本誌は報じてきた。
国税庁解体は、財務省の”秘密警察”を武装解除する意味があるのだ。だから霞が関改革に繋がる。
実は、野田政権の税・社会保障一体改革素案にも表向き歳入庁創設の方針は盛り込まれている。だが、財務省が絶対反対の立場をとっているため具体的な検討は全く進んでいない。
「財務省は、国税庁を旧社保庁(日本年金機構)と統合すると人事コントロールができなくなる。税務調査権という伝家の宝刀が使い難くなるから絶対に阻止したい。英国では99年に国税庁と社会保険徴収庁を統合して歳入庁を創設した。検討開始から実現までわずか2年、間接部門もスリム化できた。当時米国留学中だった私がこの英国の歳入庁創設をレポートして本省に報告したら、暗に、”二度と持ち出すな”と口止めされたほどです」(高橋氏)
政治主導を掲げる小沢氏が歳入庁の創設にこだわる理由はここにある。そして、財務省に支配された野田政権が歳入庁構想を棚上げしている理由も、ここにある。
■旧体制派の税金優遇にメス〜増税はまず大企業と宗教法人から
小沢氏はよく、目指す制度改革を「旧体制の垢を落とす」と表現する。旧体制で力を握ってきた霞が関や大メディアがそれを嫌がるのは当然だが、その一味には経団連を中心にした旧態依然の大企業もいる。
経団連が、景気を冷え込ませる消費増税に賛成しているのは、「大企業への補助金」といわれる消費税の輸出戻し税があるからだ。
「税率を5%上げれば輸出戻し税も2倍に増えて財界の主要企業は儲かります。この特権を見直せば、税率を上げなくても税収は増えるし、財界はもっと冷静に増税の影響を考えるようになる」(小沢グループ議員)
説明が必要だ。
消費税は流通段階で価格に転嫁され、最終的に消費者が負担するが、海外の最終消費者からは税を取れないという理由で、輸出製品には仕入れ段階で課せられた消費税を企業に還付している。これが輸出戻し税で、還付額は年間3兆円。自動車、電機など大手メーカーは、納める消費税より還付金の方がはるかに多く、輸出上位10社でざっと1兆円近くが戻されている。
税理士の湖東京至元関東学院大学法科大学院教授は、税制の矛盾を指摘する。「政府は消費増税分をすべて社会保障に回すという。現在の5%の消費税も基礎年金、医療、介護の財源という建て前です。そうすると、輸出大企業は社会保障財源から補助金をもらっていることになる。『租税は各人の能力に応じて負担されるべき』という租税立法上の原則に照らしても、輸出戻し税の還付金制度は廃止か停止すべきです」
もうひとつ、旧体制で不平等税制の恩恵にあずかってきたのが宗教法人だ。
宗教法人はお布施や賽銭など宗教活動の収入は非課税で、不動産の固定資産税なども免除。保育園や墓地経営などの「非収益事業」も非課税、物品販売や飲食業、駐車場などの収益事業は課税対象だが、所得の2割が控除され、通常より低い法人税が適用される。
小沢氏が幹事長だった鳩山政権時代には、政府税制調査会で当時の増子輝彦経済産業副大臣が「宗教法人の税制には問題が多い」と提起するなど、宗教法人税制の見直しが論議されかけた。しかし、菅政権、野田政権では、消費増税に公明党の賛成が必要になるため、政府税調の議論から消えたのである。
「宗教法人への課税強化は難しいというが、実際には国税は、小さな寺の住職が檀家からお布施として米をもらったことを所得だとみなして課税したケースもある。一方で巨大宗教法人に関しては、所有する会館を選挙活動に貸し、明らかに課税事業の貸席業を行っていたとしても調査をしない。法改正しなくても、きちんと税務調査するだけで課税強化はできる。それをしないことが行政の不公平です」(浦野広明立正大学法学部客員教授)
小沢氏が自信たっぷりに「増税せんでも財源はある」と繰り返し発言しているのは、そうした算盤勘定をしているからだ。ただし、旧体制の抵抗は厳しい。
■バカ高公共事業を政治家が支えた利権関係はこれだ〜「競り下げ」という「予算圧縮」の魔法の杖
増税派の仙石由人政調会長代行は昨年末のテレビ番組で、小沢氏が無駄削減や行政抜本改革を主張していることを「行革を今からいくらやっても2兆円、3兆円は出てこない」と批判した。
予算の圧縮は無理というのが、大メディアを含めた増税派の常套句だ。
しかし、それも嘘だ。イギリスなど欧米諸国の入札制度改革を視察してきた民主党反増税派の村井宗明代議士は、入札方式を変えて「競り下げシステム」を導入するだけで、大幅に予算カットできると主張する。
現在の一般競争入札は、業者が1回だけ札を入れ、一番安い業者が受注する。それに対して「競り下げ」は、落札したい業者が何度でも価格を下げて応札することができる。欧米では「リバースオークション」と呼んでいる一般的な制度だ。
「予算の無駄で一番大きいのは物品やサービスの官民価格差です。鉛筆1本でも政府や公共機関は民間よりはるかに高く買っている。行政刷新会議で昨年4月から試験的に44件の調達に競り下げを導入したところ、厚労省のポスターの印刷費は1枚当たり22円から11円と半額になり、同省の報告書の印刷代は3分の1、農水省の消火器は4割近く下がった。内閣府のトイレットペーパーは1個62円から36円です。政府の一般会計の直接発注だけで年間12兆円の予算がある。同じ品目を同じ数量買っても、調達方法を変えれば莫大な財源が出てきます」(村井氏)
イギリスでは10年、政府歳出削減のためにリバースオークションを導入。調達コストを14%も引き下げた。米国のオバマ政権も調達契約改善計画を設定し、年間400億ドル(約3・3兆円)の削減を目標にしている。
かつての年金官僚や道路官僚の無駄遣いを見ても、日本の政府調達価格は諸外国よりさらにバカ高い。12兆円の国の直接発注に競り下げを導入し、イギリス並み14%削減なら1・7兆円、半減なら6兆円が浮く。さらに国が自治体に補助金など出している間接発注がざっと30兆円。特別会計の発注も30兆〜40兆円とみられ、自治体の直接発注を合わせると、毎年100兆円規模で役所のバカ高発注が繰り返されている。そこのメスを入れれば1割カットで10兆円、2割なら20兆円が毎年削減できるのだ。
それがわかっている筈なのに、野田政権は、なぜ増税に走るのか。
そこに立ち塞がっているのも旧体制派だ。
政府や自治体の調達は、業種や品目ごとに「官公需適格組合」が組織され、官公需法で、「組合を国等の契約の相手方として活用するように配慮しなければならない」(第3条)と定められている。配慮せよという努力規定に過ぎないが、この組合が力を持っている。
村井氏が本格導入に踏み込めない理由をこう語る。「政治献金のほとんどは官公需組合に加盟している企業からです。与野党の大半の議員は組合加盟企業の支持を受けているから、敵に回したくない。競り下げ入札の導入には組合の猛烈な批判があり、党幹部からも、『お前が競り下げと騒ぐから、官公需組合が怒るじゃないか』と腰の引けたことを言われました」
小沢氏が企業・団体献金の全面禁止を主張してきたのも、そうしたしがらみを断つことが改革の前提だと知っているからだ。が、その方針も岡田副首相が幹事長時代に撤回してしまった。
小沢氏は本誌新春合併号で、民主党政権の予算編成をこう批判した。
「我々は総選挙で、特別会計を含めた国の総予算207兆円を全面組み替えて、国民主導の政治と地域主権の社会を実現すると国民に約束して、政権交代を認めてもらった。その理念、主張を全く忘れちゃって、今までと同じやり方で予算編成を行っている」
民主党政権はこの3年間、過去最大の予算を組んできた。政権交代した直後の鳩山内閣は事実上、自民党政権時代の予算を引き継いだものだったが、菅ー野田政権の2回の予算編成では、既得権勢力に切り込むことができずに官僚に迎合した結果、自民党時代の政策の上に民主党の政策を積み上げたため、予算規模がどんどん膨らんだのである。
増税派ができない入札改革の実行は、小沢氏のいう総予算の組み替え、既得権を切り崩して「公正・公平な社会」をつくるための試金石だ。それをやれば、「予算削減は無理」という増税派のデマを暴くことができる。そして、野田政権と財務官僚ができないと決めつける「財政確保」と「予算圧縮」が可能となれば、「年金試算」の公表をめぐって「消費増税しなければ実現できない」とされた「最低保障年金」についても、実現の道が開けるのである。
←引用終了>
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