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財務省が画策する日銀総裁への財務次官天下り (植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/12/senkyo126/msg/398.html
投稿者 祈り 日時 2012 年 2 月 17 日 21:20:51: HSKePa2Cm.aPs
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-6dae.html
2012年2月17日 (金)
財務省が画策する日銀総裁への財務次官天下り


 日銀は2月14日の金融政策決定会合で、事実上のインフレ目標と追加の金融緩和を決めた。株式市場は素直に好感して大幅高を演じたが、市場の評価は必ずしも高いものではない。
 
 長期化するデフレに対して、政策運営関係者からは日銀の積極的な政策運営を求める声が強い。
 
 しかし、これらの批判は必ずしも正鵠を射るものでない。
 
 日銀が誘導する短期金利はほぼゼロに近く、短期金利の引き下げは限界に達している。1999年以来、量的金融緩和政策が論議され、実際に日銀は量的金融緩和政策を実行してきたが、必ずしもその成果は上がってきていない。
 
 金融政策の論議に精通していない国会議員などが、だれの差し金であるか、金融政策を批判する論調を強めてきたが、客観的に評価して、日銀は十分に行動してきたし、日銀に過度の役割を期待すること自体に無理がある。
 
 日銀批判の源泉は財務省にある。そもそも、2000年ころから頻繁に使われ始めってきた「デフレ」なる言葉も、日本経済低迷の原因を日銀に押しつける狙いで流布されてきた言葉であると考えられる。
 
「デフレ」の第一義は「物価下落」である。「物価」を所管する政策当局は日銀であり、「デフレ」なる言葉で経済の低迷を表現することにより、その責任を日銀に向かわしめるとの深謀が存在してきたことを否定できない。


 そもそも日本が直面してきた「デフレ」の内実は、単なる物価下落ではなく、経済の深刻な低迷、金融市場の不安定性にその中核がある。
 
「デフレ」を深刻化させてきた主因は、金融政策ではなく財政政策である。バブル崩壊が始動して以来、日本経済は何度か本格浮上のチャンスを得てきた。1996年、2000年など、株価も上昇し、自律的な巡航速度での経済成長が期待できる局面を得た。
 
 ところが、この重要な景気局面で政策運営を誤り、日本経済を撃墜、再悪化させてきたのは日本銀行ではなく、財務省であった。
 
 1997年に強行した超デフレ政策、2000-2001年に強行実施された森政権、小泉政権の超デフレ政策が、浮上しかけた日本経済を再撃墜してしまったのである。
 
 この政策運営に対する客観的評価、事実に即した反省、教訓を得る姿勢がなければ、同じ過ちを再度繰り返すことになる。


 財務省は1997年の日本経済悪化の原因が財務省主導の超デフレ政策にあるにもかかわらず、その責任が財務省にはないとの、でっち上げ研究報告書を作成してきた。
 
 1997年の大増税実施局面で、最も強くこの政策を批判した経済専門家は私だった。私は経済企画庁の懇談会にも正式の委員として出席し、超デフレ政策のリスクを事前に的確にした。
 
 私が最も強く警告したのは、日本の不良債権問題の深刻さであった。不良債権問題の処理が進展していない局面で超デフレ政策を強行実施し、株価下落を誘導するなら、資産価格の急落が引き金を引いて、日本経済が金融恐慌的な状況に陥る可能性が高い。このリスクを回避するためには、財政政策の緊縮度合いを緩和する必要があると主張した。
 
 1997年4月以降の現実は、事前に私が警告した通りのものであった。事態の進行が私の警告通りのものになると、経済企画庁は何の説明もなく、エコノミストとの懇談会そのものを中止してしまった。
 
 その後、数年警戒してから、財務省が財務省の責任を回避するための「でっち上げ研究会」を編成したが、当然委員に組み込まれるべき私はメンバーから外された。御用学者だけを集めて、財務省に都合のよい研究報告書をまとめたのである。


 結論から言えば、デフレ脱却に向けて日銀に可能な対応策は限られている。金融超緩和政策の継続は必要だが、金融政策だけでデフレを脱却することは不可能である。現在のような局面で経済活動の方向を転換するには財政政策の活用が不可欠であり、財政政策で緊縮策を採用しつつ、デフレの原因は日銀にあるとして日銀に批判を集中させることは適正でない。
 
 財務省の狙いはもうひとつある。2013年春に任期満了を迎える白川方明日銀総裁について、その留任を阻み、財務事務次官経験者の武藤敏彦氏を次期日銀総裁に就任させたいとの強い意向がある。そこで、白川日銀体制を批判して、武藤氏の日銀総裁就任を側面援護しようとしているのだ。
 
 しかし、日銀総裁の職責を十分に果たすには、金融政策に関する高度に学術的な見識が不可欠である。財務事務次官にはそのような資質のある者が選任されていない。金融政策運営上の専門的な学識において、白川方明現総裁を凌駕する人材を見出すことは困難である。
 
 日銀人事を適正に考察するなら、白川総裁の続投が順当である。
 
 金融政策論議に際しては、このような日銀人事上の各種思惑が絡んでくることに十分な留意が求められる。
 
 日銀の金融緩和政策継続の意思表明は歓迎するべきことであるが、これだけでデフレが解消されるわけではない。財政政策が適切に運営されることが不可欠であり、この視点を税制改革論議にも十分に反映させることが必要である。

・・・・・  

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コメント
 
01. 2012年2月17日 21:53:18 : 3wo4uMAHnQ
なんだ、植草はいまだに日銀が銀行券ルールを操作し
金融緩和などやっていなかったことが分からないのか。全然、勉強が足りないな。
財政政策がうまく出来なかった点については同意できるが、
金融緩和が効かなかったなんて冗談じゃない。
当時、日銀がやっていたのはナンチャッテ金融緩和に過ぎない。
具体的に植草の指摘を反証すればこういうことだ。日銀のサイトにある通り
日銀は量的緩和政策の採用時(2001年)に
“これまでの「長期国債買い切りオペは銀行券に対応させる」という考え方を守り、
銀行券発行残高を長期国債保有残高の上限とする明確な歯止めも用意しました”
ということを発表したわけだが、さて、この『明確な歯止め』の意味するところは何か?
もちろん将来における貨幣供給量に確固たる上限を設けたものに他ならないのだ。
当時、デフレ・スパイラルが深刻に危惧されていたにもかかわらずにだ。
これにより日銀がデフレ・ターゲットを意図していたことは明らか。
内規にすぎない銀行券ルールを撤廃し、長期国債買い切りオペを増額すれば
デフレ脱却は十分可能だ。日銀はやるべきことをやっていない。

『新しい金融調節方式Q&A』2001年 3月19日 日本銀行
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako02/k010319c.htm

問5:マネタリーベースを操作目標としないのはなぜですか。
答 :マネタリーベースは、日本銀行当座預金と現金から構成されていますが、
このうち9割を占める現金の発行量は家計や企業のニーズで決まってくるもの
で、日本銀行が短期的にコントロールすることは困難です。一方、日本銀行当
座預金であれば、日本銀行が日々のオペレーションを通じて、ある程度コント
ロールすることが可能です。なお、最近の銀行券の伸び(前年比6%)を前提
とすると、日本銀行当座預金を5兆円程度に増やすことにより、マネタリーベ
ースの前年比伸び率は、最近の約3%(2月)から、半年後には7%程度に高
まるものと見込まれます。

問6:日本銀行はこれまで、長期国債買い切りオペの増額に反対してきたのではないですか。
答 :今回、新しい金融調節方式の実施にあたり、長期国債買い切りオペを増
額するのは、あくまで、資金供給オペの未達( いわゆる「札割れ」 )が多発
するケースなど、所要の資金供給を円滑に実施するうえで必要と判断される場
合です。したがって、今後も、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的と
して長期国債買い切りオペを増やすということは考えていません。このような趣
旨を明らかにするため、今回、これまでの「長期国債買い切りオペは銀行券に対
応させる」という考え方を守り、銀行券発行残高を長期国債保有残高の上限とす
る明確な歯止めも用意しました。

問7:インフレーション・ターゲティングを採用したということですか。
答 :通常、インフレーション・ターゲティングと呼ばれる手法は、(1)中長期的
に望ましい物価上昇率を目標として設定し、(2)先行きの物価上昇率が望ましい物
価上昇率から乖離すると予想される場合に政策変更を行う、という方法です。
日本銀行は、現在の日本では、中長期的に望ましい物価上昇率を数値で示すこと
は難しいと考えており、インフレーション・ターゲティングについては、引き続き
検討事項として位置付けています。今回の措置は、あくまで、通常は行われないよ
うな政策を、現実の消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼ
ロ%以上となるまで続けることをコミットしたものです。その意味で、いわゆるイ
ンフレーション・ターゲティングではありませんが、物価が継続的に下落すること
を防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備するという日本銀行の断固たる決
意を示したものです。


02. 2012年2月17日 23:07:48 : tLmjV2v4sA
なるほど、短期金利がゼロ=流動性のワナ=貨幣市場においてLM曲線が水平=金融政策が無力、というのが今の状態なわけか。欧州の経済危機もあるし、財産を貨幣のままで保有しようとするような状況ではベースマネーを増やしても規模が大きくなりにくい。これが悩みといことか。

03. 2012年2月18日 00:08:20 : sUpHQ8Q75g
植草氏の主張は正しい

日銀の金融政策と政府の財政政策は車の両輪だ
日銀の金融政策と政府の財政政策の方向性が一致していなければ
無意味であるばかりか弊害でしかないということだ

亡国政府・官僚は国民のうち裕福な層には減税しておきながら
貧しい層からは容赦なく税を取り立てようと躍起になっておる
富裕層の可処分所得が増えても増加分の大半は蓄財に回り
貧困層の可処分所得が減ればその分消費が減ることを承知の上でだ

富裕層の蓄財に回った分が市中に還流されるのであればまだしも
銀行の貸出条件厳格化という謳い文句で市中への還流ルートを細めた
市中から吸い上げた現金が市中に還流せずに
マネーゲームという名の賭博場(主催:油堕菌)に流れる仕組みを作った
その張本人である売国奴ケケ中は死罪に値するノダ

亀井静香氏の言う通り
子鼠とケケ中の売国奴コンビがやった政策と全く反対のことをやる
それしか国民経済を上向かせる手はないノダ


04. 2012年2月18日 00:46:12 : rWmc8odQao
「2013年春に任期満了を迎える白川方明日銀総裁について、その留任を阻み、財務事務次官経験者の武藤敏彦氏を次期日銀総裁に就任させたいとの強い意向がある。そこで、白川日銀体制を批判して、武藤氏の日銀総裁就任を側面援護しようとしているのだ。」

トンデモナイ財務省。では白川氏再任ということで。でも、来年の春は政治はどうなっているやら。皆目見当もつきませんな。
ひとまず白川氏が正しいとして「デフレ克服には潜在的な成長率を高めることが必要。それには企業、銀行、政府、日銀が協力して役割を果たすことが必要だ」の発言は、すこぶる分かりにくいですなぁ。
「今、各々がやっていることを、さらにがんばってやるだけ」ということでしょうか。それでは何も言っていないと同じように思えてなりません。
もうちょっとヒントくれよと思いましたね。

植草氏、がんばってください。応援しております。


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