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2012年2月16日 (木)
2月17日日本は重大な局面を迎える
小沢一郎民主党元代表に対する公判が開かれているが、2月17日に重要な局面を迎える。
「小沢氏に報告し了承を得た」との記述がある石川知裕衆議院議員の供述調書を証拠採用するかどうかが判断される。
東京第五検察審査会が小沢氏を「虚偽記載」の共謀共同正犯の疑いで起訴したのは、この石川氏調書の任意性を認めたからである。「任意性」というのは、調書にある署名をした人物の意思に基づいて作成された調書であるのかどうかを指す言葉だ。
ところが、昨年12月15日に開かれた公判で、この石川氏調書について東京地検が作成した捜査報告書に重大な虚偽記載があることが判明した。
東京地検は小沢氏に対する検察審査会の審査要請に対応して、この調書に関して石川知裕氏に事情聴取を行った。その事情聴取に関して田代政弘検事は、捜査報告書に次のような記載を行った。
「私(石川知裕氏)が『小沢先生は一切関係ありません』と言い張ったら、検事から、『あなたは11万人以上の選挙民に指示されて国会議員になったんでしょ。小沢一郎の秘書という理由ではなく、石川知裕に期待して国政に送り出したはずです。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくのと同じようなことをしたら、選挙民を裏切ることになりますよ。』と言われたんですよね。これは結構効いたんですよ。堪えきれなくなって、小沢先生に報告し、了承も得ましたって話したんですよね。」
東京第五検察審査会は、田代政弘検事作成のこの捜査報告書を受けて小沢氏に対する起訴相当議決を行ったとされている。つまり、捜査報告書は石川氏調書の任意性を強く裏付けるものになっている。
このことから、石川氏による「小沢氏に報告し了承を得た」との供述の任意性が認定できると判断し、小沢氏の共謀共同正犯が成り立つと判断したとされているわけだ。
これが昨年12月15日後半で全面的に覆された。
田代政弘検事作成の捜査報告書に重大な「虚偽記載」があることが判明したのだ。判明した決め手になったのは石川氏が密かに収録した録音テープだった。検察による事情聴取に際して、石川氏はその内容を密かに録音した。佐藤優氏のアドバイスによる盗聴だった。
この録音テープには、田代政弘検事作成の捜査報告書にあるようなやり取りは存在しなかった。つまり、田代検事はまったく事実無根の内容を捜査報告書に記載したのである。
しかも、これが、検察審査会が起訴相当議決を行う決定的理由になったのであるから、田代検事の「虚偽記載」の罪状は極めて重い。
さらに、昨年12月16日の公判では、元大阪地検特捜部検事の前田恒彦氏の証言が行われた。前田氏は村木厚子厚労省局長に対する冤罪事件で、証拠のフロッピーディスクを改ざんした罪で実刑判決を受けて、現在服役中の人物である。
この前田恒彦検事が多くの重大証言を行った。
重大証言のポイントは以下の三点だ。
1.東京地検は小沢氏に対して「見込み捜査」を行っていた。東京地検は小沢氏が裏金を受領しているとの見込みに基いて巨大な強制捜査を繰り返し、その過程で、「これは検察と小沢氏の全面戦争だ」と発言していた。
2.実際の捜査では小沢氏が裏金を受領していないことを裏付ける多数の証拠が得られ、この証拠資料ファイルが作成された。
3.しかしながら、検察は、小沢氏の裏金疑惑はシロであることを示す証拠資料集を隠蔽し、検察審査会にも提出しなかった。
つまり、検察が組織ぐるみで、小沢氏に対する検察審査会による起訴相当議決が示されるように誘導したとの疑いが濃厚になったのである。
東京地検は1年以上にもわたる強制捜査の果てに、小沢氏に対して不起訴決定を示した。これを不服だとして再審査請求があり、東京第五検察審査会が審査を行ったとされている。
東京地検は検察審査会に対して、なぜ小沢氏を不起訴にしたのかについて説明する責任を負う。したがって、地検は検察審査会に対して、小沢氏がシロであることを裏付ける証拠資料集を開示して、説明する必要がある。
ところが、東京地検は検察審査会に対して、逆に、小沢氏がシロであることを裏付ける証拠資料集を隠蔽したのである。
そして、それだけでなく、石川氏に対して行った事情聴取に関して、事実無根のでっちあげ「虚偽記載」満載の捜査報告書を提出したのである。
まさに、国の根幹を揺るがす検察巨大不祥事である。
全国紙が連日1面トップで報じる必要がある重大事案である。
ところが、メディアがこの最重大事実をまったく報道しない。
したがって、一般国民は、この重大事実の詳細をほとんど認知していない。
これだけの状況証拠がそろっているのであるから、東京地裁が石川氏調書を証拠採用することはまず考えられないが、重大な関心をもって2月17日後半を注視する必要がある。
証拠採用請求が却下されれば、事実上、小沢氏の共謀共同正犯を裏付ける証拠は存在しなくなる。
残るは、小沢氏が法廷で証言した証言内容の信ぴょう性について、裁判所がどのように判断するのかになるが、心象のみで有罪判決を示すことは、さすがに暗黒裁判所の誉れ高い東京地裁も躊躇せざるを得ないのではないか。
この意味で、裁判はいよいよ重大な局面を迎えつつあるのだ。
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