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今週14日火曜日発行のサンデー毎日(2月26日号)を購読した。週刊誌の書評を書くつもりは全くないが、最近のサンデー毎日には、ジャーナリズム魂を感じる記事が少なからず掲載されている。今週号の目玉は「仕組まれた小沢有罪疑惑」である。この記事に惹かれ購入したのだが、「消費増税は必要なし 目からウロコの財源はこれだ」の記事も、国民必読の内容である。
市井の一私人でしかない筆者には、消費税増税反対は言えても、「代わりの財源は」と問われると、それに答えることが難しかった。だが、この記事を読むと幾らでも財源はあるものだと改めて教えられた。この記事では、大学教授やジャーナリストなど6人が財源について述べているのだが、特に「不公平な税制をただす会」事務局長の富山泰一氏と元大蔵官僚武田智弘氏の意見は、まさに「目からウロコ」であった。
富山氏は、日本の財政危機は、社会保障費が膨らんだからだと言われるが、そうではないと言う。原因は、税金を取れるところに“まけてやった”(=減税した)ことだと言う。即ち、消費税導入により所得税の最高税率を65%から37%まで引き下げた(=減税した)ことによる減税を元に戻すことだと言う。09年分の確定申告で試算すると、減税額の合計は消費税率1%相当の2兆2250億円になるそうだ。
さらに富山氏は、別の財源があると言う。それは、「本来払うべき税金を払わす」こと、即ち、税の減免制度である「租税特別措置」をやめるべきだと言う。例えば、企業が株式を時価発行した時に生じる額面を超えた「発行差金」(=差益)への非課税を廃止することで約4兆円。子会社からの株式配当金の80%を益金(=利益)に算入しなくてよいとなっているのを改めることで、5兆円弱の税収増があると言う。
この「租税特別措置」は公表されていないものが多いそうである。その中、分っているものだけで、このような巨額の財源がある。日本の法人税率は高いと言うが、諸外国に比べ、租税減免の「特別措置」が多いとも言われている。富山氏は、この「特別措置」の廃止と、所得税最高税率の引き下げを廃止(=元に戻す)することで、国税16兆7千億円、地方税11兆4千億円、合計28兆1千億円の財源があると言う。
元大蔵官僚・経済ジャーナリスト武田智弘氏の財源論は「資産家の税負担を増やす」というものである。昨年Lサイドコラム欄でも書いたが、マグナカルタの昔より徴税者は納税者に対し義務を負っている。封建領主は民の安全を守るために兵を養った。その費用を負担するのが「税」であった。当然守って貰う財産の多い者が、より多くの税を負担した。これが「税」の本質である。この考えに近い考えだと言えよう。
武田氏は、日銀統計では、国内の個人金融資産は総額約1400兆円。国民一人当たり1000万円を超え、4人家族だと4000万円の貯蓄がある計算になる。だが、そんなことはない。実際は一部の富裕な60歳以上の高齢者層が、金融資産の6割を所有している。その数約400万人。しかもこの世代はお金を使う機会が少なく、資産はなかなか社会に出回らない。だから景気悪化に繋がっていると言う。
個人金融資産1400兆円と、家や土地などの資産を合わせると、日本の国民が保有する総資産は8000兆円を超える。それに対し富裕税1%を掛ければ、概算で80兆円。生活資産(=居住している家屋等)は課税対象外として、半額の40兆円くらいにはなるだろうと言う。富裕税はフランスなど一部の先進国では導入されている。日本でも、戦後の一時期に導入されたことがあるそうだ。
この二人が指摘する財源は、「税は国家による所得の再分配」という税の基本とも合致する。消費税の「取りやすい処から取る」という、弱いものいじめの悪徳代官の思想とは違う。経済成長が続いている時は、その成長からの富の配分が偏っていてもそれは顕在化しなかったのだが、経済成長が停滞すれば、その偏りが現れる。その偏りにより異常に膨らんだ富の部分に課税しようという考えである。
野田内閣は消費税増税に不退転の決意だそうだが、より多くの人に「まだまだ財源はある」ということの情報を発信して行きたいと思う。サンデー毎日のPRをする訳ではないが、この「目からウロコ」の記事を一読されることをお勧めしたい。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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