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「日本一新運動」の原点―94
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2012年02月14日 日本一新の会・代表 平野 貞夫
(「時間((とき)のゆくまゝ」を待ってはおられない)
2月5日(日)、私が相談役を努めている「真言宗豊山派 紅龍山布施弁天東海寺」で節分の豆まきに行ってきた。布施弁天という名で、古くから関東の民衆に親しまれているお寺である。弘化14年(823)に嵯峨天皇が国家安寧の勅願所として、空海に建立を命じた名刹である。その後、平将門がこの寺の妙見菩薩を信仰し、腐敗した平安貴族政治の改革を目指した場所でもある。住職はじめ、近隣の市長さんやお寺の総代さんたちと、1200年にわたる時の流れ≠語り合った。
午後7時過ぎに自宅に帰り、妻と夕食をとりながらあるBSテレビをつけると、ハンフリー・ボガード主演の名画『カサブランカ』を放映していた。ナチスの独裁主義に抵抗するさまざまな人間の心の葛藤を見事に映画化した作品だ。遙か遠い昔の青春時代に感動して観たものだが、何十年を経ても新鮮に感じる不思議な魅力があった。一人ひとりの人間が、人間としての思想と愛に拘った生き方を大事にしていた。それは、自由≠阻害する形≠ェ見えていたからだと思う。現代は、人間の自由を阻む正体は見えにくい。そしてまた、正体を知ろうとする人間も少なくなった。『カサブランカ』のバック音楽時間のゆくまゝ≠ェピアノで流れるのをなつかしい思いで聴いていると、続けざまに三人の記者から携帯に掛かってきた。
要件は小沢元民主党代表の共同通信インタビューで「造反宣言」をしたとのこと。よく聞くと「革命的改革をしないで消費税増税をするのは、国民を愚弄するもので背信行為だ」などと発言したとのこと。(小沢さんは)すぐにでも離党するのではないか、との問い合わせだった。
「小沢さんが何時もいっていることだ。民主党の理念に造反しているのは野田首相や民主党執行部ではないか。ものごとの筋道を考えて報道しろよ!」と注意しておいた。ところが翌六日、報道された新聞やテレビでは「小沢氏造反」であふれていた。どう考えても、野田首相の2015年に10%という消費税増税論は、政権交代した民主党を正当づけることにはならない。それどころか暴論≠ニいえる。消費税増税のために副総理となった岡田克也氏なんか、マニフェストで「任期の4年間、消費税増税はしない」と公約したことを、「増税の法律を制定しないとは言っていない」との言葉遊びで、マニフェストには違反しないと国民を愚弄している。かの中曽根元首相でさえもこんな手法は使わなかった。野田・岡田という政治家はどこまで卑劣な人間なのか。わが国が危機的事態で、絶対的に消費税増税が必要と思うなら、マニフェストを堂々と変更して増税の理由を具体的に明確に説明すべきだ。野田首相は国民を納得させる説明をまったくしてはいない。それどころか野田増税政治に対する国民の不信が急速に高まっている。岡田副総理の社会保障のための増税正当論も、年金問題を得意げに出したため政府の増税論が破綻し、辻褄合わせに苦慮している有様だ。こんな人物を総理・副総理とするわが国の政治文化に問題があるといえるが、その前に民主党参議院議員を9ヶ月ぐらいやっていた私自身の責任もあると反省している。
彼らが、何故こうも狂気の政治をやっているのか。それは歴史という時の流れに対する感性を持ち合わせていないからだ。映画『カサブランカ』の時代には、人々は難事があっても「時間が解決してくれる」という思想があった。ファシズムが荒れ狂っても、デモクラシーが勝利するという楽観主義があった。ところが21世紀も10年を経た現在、この楽観論が通用しなくなっている。「時間のゆくまゝ」を放置していたなら、独裁主義やファシズムに支配される国家社会となる。
野田・岡田という政治家は、昭和時代に消費税制度を導入する苦難の歴史を学んでいないことが最大の問題である。さらに消費税という税制度が、どういう性格と問題を持っているかさえ知らないようだ。巨大メディアに煽動され、劣化した官僚の既得権を守る手法に踊らされている実体を国民は知る術がない。私は、野田政権の消費税増税強行策を「消費税増税ファシズム」と名づけたい。
社会心理的な暴力装置化した巨大メディアは、不況で激減した企業広告費の肩代わりに、政府などの広報費の増加を期待する。それは裁判員制度の政府広報費の巨額さをみれば自ずとみえてくる。彼らは政府が増税で財政を膨らませることに全面的に協力する。既に巨大新聞には消費税増税の政府広告費が巨額の税金で浪費されている。
既得権の拡大を生業とする官僚群は、とにかく自分たちの使う予算を増やそうと腐心する。国民のためとか、社会保障の充実というのは御為倒しで、各省とも露骨な予算の抱え込みが始まっている。さらに、消費税増税に熱心な政治家の背後には、マネーゲーム金融企業の腐臭がプンプンとしている。野田首相は就任早々の国際会議で唐突に「財政再建のための増税」を言い出した。マネーゲーム屋の仕掛けがあったとしか考えられない。かくして「消費税増税ファシズム」に日本国民は攻撃されているのである。こうなれば「時間のゆくまゝ」と事態の解決を待ってはおられない。彼らの悪業を追求しその企みを阻止せねばならない。
(消費税増税には革命的改革が必要だ)
わが国に「一般消費税制度」を導入するには18年間の時を要した。政府が導入を固め準備を始めたのは昭和45年であった。日本人の生活慣習に合わないことや、特に逆進性=所得に低い人たちへの負担率が高いこと=に議論が集中し、国政選挙で何回も問題となり、昭和時代の最後の年に漸く「消費税法」として国会で成立した。
ごく僅かの消費行為を対象外として、ほとんどの生活必需品を含め、ほとんどの消費活動に3%の課税をすることになった。3%という低税率からスタートしたものの、収入の低い生活者にとっては厳しいものであった。当初から、社会保障制度整備などのため消費税の抜本的見直しを行った上で税率を上げることは想定されていた。さらに消費活動に課税する租税が税制の主体となることが予想されており、そのためには、政治・行政・財政が国民の信頼を得られるような抜本的改革案が国会審議中に政府から提示されていた。
小沢一郎という政治家が『日本改造計画』を構想して、新しい日本を創ろうとした時期は消費税制度が発足した直後であった。官僚支配の政治を打破し、国民主権にもとづいて国会が健全に機能する政治改革。そして国民が幸せを実感できる可処分所得を多くするため、消費税率を上げ、所得税を半減するなど税制の抜本改革を断行しようとした。明治以来の官僚国家を、国民による「自立と共生」国家に作り替える革命的改革をやろうとした。
税率3%で始まった日本の一般消費税は、改革らしい見直しはまったく手つかずのまま、平成9年には税率5%に上げた。折からの不況とアジアの金融危機が重なり、思惑は外れ財政の悪化をさらに深刻にした。日本の政治は消費税導入の際、国民に約束した政治と行政と財政の抜本改革を怠ってきた。それは消費税が国民のため健全に育つためには絶対に必要な条件であった。
野田政権が企む、生活必需品も含む一律10%の消費税は、国際的に見て生活者には極めて高い税率である。民主党の消費税増税に拘る国会議員たちよ、真面目に国民のことを考えているのか。岡田副総理は消費税増税は民主党内で議論を尽くし、党内手続きは終わったと断言しているが、形だけを整えて正当性を主張する癖はやめた方がよい。
君たちは政権交代の約束を破って、マネーゲームに誘導され国民生活を崩壊させ、国家財政をさらに悪化させる道を、何故に突っ走ろうをするのか。租税の主体となるべき消費税への国民の信頼を失わせることは、日本を破滅に導くことになるのだ。消費税増税には「国民の生活が第一」のために、革命的改革が必要であることを忘れてはならない。
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