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岡田副総理は完全に裏目
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120214/stt12021423470013-n1.htm
2012.2.14 23:43 産経新聞
1月13日の内閣改造から1カ月余り。野田佳彦首相が改造の目玉として「三顧の礼」で迎えた岡田克也副総理の起用は完全に裏目に出てしまったようだ。社会保障と税の一体改革の牽(けん)引(いん)役として発信力が期待されたが、「原理主義者」と言われるだけあって根回しは一切なし。野党は岡田氏の言動パターンを見透かしており、国会ではいいように揺さぶられる。一方、ただでさえ影の薄い藤村修官房長官は岡田氏入閣で気が抜けたのか、存在感を失ってしまった。官邸の空洞化は止まらない。(千葉倫之)
「前幹事長として3党合意はきちんと誠実に履行されるべきだ。これ以上言うわけにいかないので自重するが…」
岡田氏は14日の記者会見で、高校の授業料無償化をめぐる自らの答弁で国会が空転したことについて人ごとのように論評した。
入閣時の触れ込みは「幹事長時代に築いた野党との太いパイプ」だったが、機能しないどころか、むしろ妨げになっている。
消費税増税を国民に訴える全国行脚では、初回の11日に自民党の谷垣禎一総裁の地元・京都府舞鶴市に乗り込んだ。ここで与野党協議を訴えたことは、ケンカを売ったに等しい。
情報発信でも空回りが続く。就任早々、議員歳費と政党助成金の削減をぶち上げたが、与野党から総スカンを浴びトーンダウン。秋波を送ってきた公明党からも袖にされてしまった。
慌てて放った二の矢が「年金抜本改革」に関する財政試算の公表。公明党の要求を受け、ろくに根回しもせずに公表方針を打ち出したため民主党は大混乱。「封印」「公表」と二転三転し、政権のダメぶりを浮き立たせた。
結局、貴重な1カ月間を丸々浪費したあげく、なお与野党協議の糸口さえつかめていない。
岡田氏が官邸入りしたことで思わぬ弊害も出た。藤村氏が居場所を失ってしまったことだ。
「政党間の協議で政府がくちばしを挟むことはありません…」。14日の民主、自民、公明の3党の新たな合意について問われてもにべもなかった。自らが幹事長代理として3党協議に携わったことはすっかりお忘れのようだ。最近の記者会見では「政府として言うことはない」「党にお聞きください」と投げやりな発言が常態化している。
一体改革は岡田氏に任せっきり。「女性宮家」創設に向けたヒアリング準備などは竹歳誠官房副長官(事務)に丸投げ。米軍普天間飛行場移設問題でも外相と防衛相を交えた3閣僚会合を開き調整役となるべきだが、動く気配はない。
国会でも答弁の機会はほとんどない。野党にとって「追及しても地味すぎて得点にならない」ようだが、何の重要案件も抱えていないことの裏返しでもある。
こうなってしまったのは岡田氏が就任時に「官房長官は小官房長官であるべきだ」と切り捨てたこともある。とはいえ、岡田氏を「大官房長官」と思っている人は誰もいない。
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