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増税の真相は亡国官僚の権益拡大 [[緊急インタビュー] もう経済復活は無理なのか 高橋洋一(嘉悦大教授)]
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2012/2/13 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
野田政権と財務省が血道を上げる消費税の引き上げは、百害あって一利なしだ。増税で社会保障が充実するわけでもないし、景気はムチャクチャになってしまう。今やるべきことは、狂気の増税ではなく、デフレ対策なのである。そのために何をやるべきか。リレー連載で亡国政権のデタラメと怠慢を浮き彫りにしていく。
【1ドル=100円にするなんて簡単だ】
私は財務省にいたからわかりますが、2つの派閥があるのです。財政再建至上主義者と経済中心主義者。前者は財政が世界の中心だと考えていて、私に言わせりゃどうかしている。税率を上げることが目標で、そのためにムチャクチャな理屈を持ってくるのです。たとえば、税率を上げれば経済成長するとか、聞いてられないようなことを平気で言う。これに対し、経済中心主義者は財政は経済成長に左右されるものだという認識に立っている。だから、経済成長こそが大事であると考える。
両者はパラレルワールドみたいなもので、だから、お互いの理屈は決して交わらない。人事的に両者のバランスが取れている時代もあったが、近年は財政再建至上主義者が極端に増殖、拡大していますね。財務省は過去大きなスキャンダルに見舞われ、小泉・安倍政権時代は官邸の意向もあって、過去10年以上、なかなか増税を言い出せなかった。財政至上主義者には鬱憤がたまりにたまっていて、それが今、噴き出しているように感じます。
【財政至上主義者の狂気】
彼らはなぜ、税率を上げようとするのか。景気のことなんか考えちゃいないし、それで財政が再建できるとも思っていないでしょう。1997年に消費税を引き上げてからというもの、税収は増えるどころか減っているのが現実なのです。彼らの目的は税収を上げるのではなく、税率を上げること。
そうすれば、消費税引き上げならば、例外品目をどれにするか、という話になる。そこに官僚の権益が出てくるのです。増税には必ず、租税特別措置が伴う。それが官僚の権益拡大になる。だから、増税したいのです。そのために景気が悪化しようが知ったこっちゃない。これほどおかしな話もないが、彼らの世界では、こうした理屈が常識で、今、増税を推し進めようとしている政治家やメディアの人たちは、彼らに洗脳されているのです。
【手っ取り早い金融緩和】
消費税を引き上げることよりも、簡単に景気をよくする方法は何千通りもあります。一番、コストがかからず、すぐに効果が出るのは金融緩和です。日銀がお札をジャブジャブ刷っているような印象を持っている人も多いようですが、間違いです。各国のマネーの伸び率と経済成長率の関係をグラフにすると、ほぼ比例していることがわかります。日本のマネー伸び率は世界の中でも最低レベルで、ゼロ以下。つまり、伸びていない。だから、経済成長しないのです。
円高対策だって、為替介入をやってどうなるものか。為替は通貨の相対量で決まるのです。今、円の総量は140兆円くらいです。ドルは約2兆ドル。140割る2は70で、これで1ドル=70円くらいになる。1ドル=100円にしたければ、円の総量を60兆円増やして200兆円にすればいい。そうすると、半年、1年くらい後に、そういうレベルになっていく。
金融緩和の方法は簡単です。毎年、国は予算書で日銀に国債を直接引き受けさせる枠を決めている。これを増やせばいいし、今年も30兆円の枠があるのです。
そうやって、通貨を増やせば、円安に振れるし、マインドが変わってくる。ハイパーインフレが怖いという人がいますが、だったら、20兆円ずつやればいい。いずれにしても、円高なのにマネーを増やそうとしない日本はどうかしている。他国は円高が自国の利益になるので、何も言わないだけなのです。
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