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先週から始まった衆参両院の予算委員会での質疑応答を通し、「税と社会保障の一体改革」とは、筆者が予て書いてきたように、「一体改革」を騙った消費税増税案であることが明らかになった。7日の参院予算委員会の様子を偶々視聴したのだが、みんなの党・小野議員が「社会保障の何が改革されたのか」と質問し、政府の答弁が答弁になっていないので、最後は「増税と社会保障とは全く関係ない」と指弾した。
1日水曜日の衆院予算委員会でも、公明党石井議員が消費税5%アップの使い道について、政府の説明が二転三転していることを取り上げ、「まず5%の増税ありきだ」と指摘したが、当にその通りである。石井議員は「社会保障の充実」に使われるのが1%、「社会保障の安定化」に使われるのが4%と、政府は説明を変えたが、この4%には、赤字国債の穴埋め7兆円も使われることになっているとも指摘した。
そもそも、民主党の「税と社会保障の一体改革」のプロジェクト会議で配られた資料には、「消費税率5%アップの内、1%しか社会保障費用に充当しない。4%は財政の赤字補填に使う」と書いてあった。このことをこのPT会議に出席していた山田正彦議員・元農水相が“the Journal” 誌上に暴露したのが、昨年12月25日である。だが、ほとんどのマスコミがこれを無視した。
そしてマスコミは「消費税を上げ、持続可能になるよう社会保障制度を再設計することは、国民に安心を与え、民間経済を元気にさせるために欠かせない」というような論調(毎日新聞12月13日社説)で、消費税さえ上げれば現在の社会保障制度が維持できるかの如き「幻想」を振り撒いていた。それでいて、社会保障制度の「何がどう変わる」かについて報道して来なかった。否、出来なかったのだろう。
多くの人は、「税と社会保障の一体改革」とは、予て民主党が掲げている「最低保障年金月額7万円」を柱とした社会保障制度が導入されると思っていたのではないだろうか。衆院予算委員会では自民党田村議員が、参院予算委員会ではみんなの党小野議員が「多くの人はそう思っている」と指摘した。そして、この年金制度改革が「一体改革」に含まれていないことが、予算委員会で初めて確認されたのである。
それでは一体、社会保障の何が改革されるのだろう。野田首相、岡田改革担当相そして小宮山厚労相の3人が答弁に立ったが、そこで明らかにされたのは、基礎年金の国庫負担分として消費税増税分1%を充当する以外【一体改革の中には年金は含まれていない】ということだ。残りの4%は毎年増える社会保障費への充当「等々」とか、少子化対策としての子ども手当の充実「等々」と、常に「等々」との答弁であった。
基礎年金の国庫負担分に充当すると言っても、国庫負担が、従来3分の1であったものを09年から11年の2年間だけ、暫定的に2分の1に増やし、その財源として埋蔵金を充当していたものを振り替えるだけの話である。この負担割合が2分の1になったからと言って【年金給付額が増える訳ではない】。給付なき負担増なのである。お金に色が着いていないので、この分が他に転用されるということだ。
このように使途不明に近い「一体改革」でありながら、増税前にやるべき歳出削減については、僅か60億円程度の歳出削減にしかならない国会議員の定数削減を述べた以外は、抽象的な答弁でしかない。しかも呆れたことには、震災復興対策として2年間限定の国家公務員の給与削減7.8%を、あたかも公務員が身を切るかの如き話にすり替えたことだ。
参院予算委員会で、自民党片山議員から「消費税増税前に、これだけは必ずやる」、逆に言えば、「これをやらなければ消費税増税はやらない」ことを具体的に挙げよと迫られたのだが、野田首相はそれにまともに答弁できなかった。つまり、これまで挙げた政治改革(=議員定数削減)、特別法人数を4割削減と特別会計数の削減以外には何も具体的なことを挙げなかった。そうではなく、挙げられなかったのだろう。
野田首相は、答弁中に「絶えざる歳出削減」を行なうと言うが、それが行なわれないから、歳出が膨張しているのだ。震災復興の第4次補正予算の約2兆5000億円のうち、復興に使われるのは僅か5000億円。残りの2兆円は各省庁の基金の積み立て増に使われている。このことについて詳しいことは、いずれ述べるとして、かように、歳出の方は底の抜けたバケツなのである。それでいて消費税増税はないだろう。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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