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本澤二郎の「日本の風景」(978) : ワシントンの罪と罰、最強権力・言論界封じに電通支配(「ジャーナリスト同盟」通信)
http://www.asyura2.com/12/senkyo125/msg/787.html
投稿者 純一 日時 2012 年 2 月 07 日 05:01:06: MazZZFZM0AbbM
 

2012年02月06日

<ワシントンの罪と罰>

 以前は、軽く認識してきた宇都宮徳馬の発言の数々が、今日において的中しているのに驚く昨今である。戦前の軍国主義の正体を父親の陸軍大将からも学んだ。戦後はリベラル派の頂点に立った政治家、というよりも思想・哲学者といっていい宇都宮だ。彼は戦後日本のありようを律したワシントンに乗り込むと、良心的なリベラル派の存在に安堵した。しかし、核軍拡派のレーガンが誕生すると、一転してワシントンの産軍複合体に批判の矛先を向けた。

 A級戦犯容疑者の岸信介を断じて許さなかった宇都宮は、岸路線そのものの中曽根康弘を断罪した。彼の盟友・読売のナベツネは、彼が後見人だったというのに。それでいて忘恩の徒は、葬儀にのこのこと姿を現していた。人非人とはこんな手合いを言うのだろうか。
 宇都宮は岸や中曽根の背後のCIAの存在について、確たる証拠を持たなかったが、彼らがワシントンの闇の権力との連携を警戒したため、三木武夫や鈴木善幸、河野洋平、土井たか子ら平和主義者を仲間にして、核軍縮議員連盟を立ち上げた。

 ワシントンに巣食う、今日でいうところのネオコンに抵抗していたのである。宇都宮こそが対米自立派の第一人者なのだ。それでもブッシュ政権が誕生した。これに小泉純一郎が虜になった。「電通マスコミ」は総力を挙げて小泉を支援した。背景を知ればそれは当たり前のことだった。マスコミはCIAの手先だったのだから。国民に奉仕するジャーナリズムは、戦後も存在しなかったことになる。中南米諸国の指導者も人民も、既にワシントンのネオコンから離脱している。だが、日本は?
 ワシントンの罪は重過ぎよう。


<ロン・ポール善戦中>

 2月6日に少しばかり明るいニュースが届いた。「CIAを廃止する」「海外の米軍基地を撤去する」という公約を掲げて、共和党大統領候補指名争いに挑戦しているロン・ポール下院議員が、同4日(米国時間)のネバダ州の党員集会で、大金持ち1%の代表であるロムニー、保守派のギングリッジに次いで3位を確保した。
 彼は宇都宮のような人物かもしれない。ワシントンの良心を代表している。それでいて、NHK始め日本のメディアはポール陣営のことを全く報道しない。
CIAにとっては最も嫌な候補なのだからであろう。

 恐らくポール追い落としの怪情報も流されているのであろう。しかし、それでも保守的な大統領予備選挙で3番手を死守する。これぞアメリカの良心なのだ。
 考えても見るがいい。陰謀・謀略をやりたい放題のCIAだ。時には反米派の指導者を暗殺する組織・CIAである。それが世界から嫌われているアメリカなのだ。その結果、国民の血税は彼らと連携する軍需産業・軍部に流れ、次々と戦場を生み出してゆく。そうして国内産業は疲弊して失業者を増大させ、市民生活を破壊させている。財政も破綻させた。日本と同様、沈没の瀬戸際にアメリカを追い込んでしまっている。産軍複合体の暴走そのものだ。
 ロン・ポールではないが、良心的アメリカ人誰しもが「いい加減しないか」と怒り出すだろう。そうした市民がポールを支持しているのである。


<官僚と天皇制を温存したワシントン>

 ワシントンの日本占領政策の基本は、軍閥と財閥を解体して9条を明記したものの、戦前の天皇制を存続させた。天皇制の裏方は官僚勢力である。そのために霞が関の戦争責任を問わなかった。昭和天皇と共に赦免した。
 宇都宮は戦後日本の諸悪の根源を「(象徴)天皇制」と断じた。その意味するところは、それによって戦前の官僚・官閥は過去の価値観を踏襲したことにある。ドイツは悪しき過去を遮断して民主主義を確立した。日本は過去を継承して今日がある。
 ワシントンの占領政策の誤り、それは日本国民を新たな悲劇に陥れる罠でもあった。宇都宮が恐れていた政治が岸内閣・中曽根内閣に次いで小泉内閣、目下の松下政経塾内閣で花開いてしまった。


<戦犯人脈を赦免したCIA>

 「天皇制」の存続は、そっくり戦争責任者・戦犯を、戦後の日本の支配層に再投入することだった。「赦免するからワシントンの家来になれ」が唯一の条件だった。戦犯人脈はCIAに忠誠をつくすことで、戦後日本の指導部で大威張りできた。
 岸や児玉誉士夫ら極右の面々である。二人は軍用機疑惑に常に顔を出したが、官憲の捜査対象になることはなかった。CIA一家だからである。日本国憲法も、CIAとその代理人らに対して無力だったのである。
 司法立法行政の3権が占領軍と、その後の実質支配者のCIAの軍門に下ってしまっても不思議ではない。問題はジャーナリズムである。


<最強権力・言論界封じに電通支配>

 数年前、東京地検特捜部長経験の大学教授が「正直なところ検察が一番強力な存在だと確信していた」と口を滑らせたことがある。彼はロッキード事件における総理大臣経験者の逮捕を間近で見ていたからである。
 しかし、そう発言した後に「やはりマスコミが一番強い」と断じた。これも彼の実感である。その通りなのだ。だが?

 民主的な社会ではマスコミの力が最強である。そのことをワシントンは十二分に理解していた。ならばマスコミの天敵を牛耳れば問題はない。マスコミを自在にコントロールする方法は何か。
 それは金である。広告費を押さえれば自由に操ることが出来る。その通りの策略を行ってきた。それがCIAによる電通支配だった。戦後の電通に戦犯を大量に送り込むことで、容易に実現した。
 CIAと電通の関係から、今日のマスコミ報道の中身がどういうものかがわかる。ワシントン批判をしないマスコミ、CIA批判がタブーであるメディア。ワシントンに屈するマスコミなのだ。おわかりだろうか。

 現役時代の筆者には想定さえできないことだった。これこそがワシントンの罪と罰である。CIAの陰謀は目下のところ、パネッタ国防長官をしてイスラエルによるイラン攻撃を公言させて、戦争環境を作り出そうとしている。オバマ大統領は必死で「外交で処理する」と防戦一方だ。産軍体制と一体のCIAとリベラル大統領の攻防が、ワシントンで繰り広げられている。

 このおぞましいアメリカに挑戦する、勇気あるロン・ポールに敬意を表したくなるではないか。東アジアの民は彼を支援すべきなのだ。

2012年2月6日19時55分記

 

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コメント
 
01. パぴぷ 2014年2月18日 11:53:23 : IcIJdAUtS0u0U : E6Df8yCVdP
それで君は国をどのようにしたいのだね。右翼がこう書くならわかるが、


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