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株式日記と経済展望
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松下政経塾出身の政治家が主要ポストを占める時代になった。しかし
彼らの業績が本当に「パァッ」としない。ほとんど官僚の言いなり。
2012年2月6日 月曜日
◆無税国家への道 1月30日 経済コラムマガジン
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松下政経塾出身の政治家につい述べる。筆者は、01/7/23(第217号)「日本を滅ぼす松下政経塾」他で、松下政経塾出身の政治家の問題点を指摘した。野田首相を始め今の民主党の幹部は、その政経塾出身者が目立っている。政経塾出身者の関係者は、民主党に多いが自民党やみんなの党にもいる。
政経塾出身者の一つの特徴は、選挙戦術に長けていて選挙に強いことである。特に選挙区制が中選挙区制から小選挙区制に変わって、選挙区内での獲得投票比率を上げることが必要になって彼等の存在が大きくなった。昔のような固い支持基盤を持つだけの立候補者には厳しい選挙制度になったのである。固い支持者がいても浮動票をかなり取らない限り当選が難しくなった。
その点政経塾出身者は大衆を相手にするのが得意である。例えば小選挙区制に変わって選挙に関わるマスコミの影響が大きくなったが、彼等はマスコミに対しても「そつ」がない。また政経塾出身者には見栄えが良い者が多く、見栄えが良くない場合でも演説がうまかったりする。
彼等は政経塾で選挙戦術を得たり情報を交換していると見られる。例えば毎朝バス停を掃除をするというのも選挙戦術の一つらしい。野田首相の毎朝の辻立ち演説もこれに似ている。
たしかに彼等には、二世議員や高級官僚のような確固とした支持者や支持組織を持たない者が多い。そのせいか自民党からは選挙に出られず、日本新党のような振興政党から出馬せざるを得なかった。しかし小選挙区制に変わったことが彼等に幸いした。
ここまで政経塾出身者だけを取上げてきたが、政経塾出身者以外の若手政治家も政経塾出身者に似てきている。政治家の「松下政経塾化」である。彼等もテレビ映りを気にして、またマスコミへの対応もうまい。襟を立てたファツションの女性議員や小泉元首相の息子もその一人であろう。
たしかに彼等と逆のような古いタイプの政治家も残っている。しかし彼等は閣僚に抜擢されたりすると、脇が甘いので色々な問題発言をする。これによってマスコミの格好の餌食となって、国会で問責決議を出されそうになる。
松下政経塾出身の政治家が主要ポストを占める時代になった。しかしこれらの政経塾出身の政治家の業績が本当に「パァッ」としない。ほとんど官僚の言いなりと見られてもしょうがない状況である。本当に何のために政治家になったのか解らない人々ばかりである。
もっとも彼等は政治を行うために政治家になったのではなく、政治家になる事自体が目的だったのではないかと考えれば理解できる。また偏差値時代に育った彼等にとって、より偏差値の高いポストに就くことが重要である。地方議員より国会議員、また同じ知事でも大きな県の知事を目指す。つまり野田氏は総理という最難関校に合格したようなものである。ひょっとすると彼等にとって「増税」が政策として一番難しく偏差値が高いと思い込んでいるので、これに挑戦しているのかもしれない。
たしかに彼等は実社会での経験がほとんどない。その彼等が毎朝バス停を掃除をしているようでは、しかるべき政治ポストに就いても何もできないのが当然であろう。彼等の周りを「海千山千」の人々が取り巻いているのである。そのうち人々も政経塾出身の政治家の「内容のなさ」に気付くであろう。
松下政経塾出身の政治家のもう一つの特徴は、増税にこだわりが強いことである。筆者は、政経塾出身の宮城県知事が震災復興の話より復興税にこだわっていたことに驚いた。また政経塾出身者の多くは消費税増税を訴えている。ただし政経塾出身であっても松原仁大臣のような例外はたしかにいる。
筆者が不思議に思うのは彼等のこの増税へのこだわりである。そもそも松下幸之助氏が松下政経塾を設立した主旨は「日本再編計画ー無税国家への道」であったはずである。どちらかと言えば「小さな政府」の実現である。どうも今日の政経塾出身政治家が目指している「無税国家」とは法人税と所得税の話であり、その分消費税を上げると言うことであろうか。
(私のコメント)
昨日の「株式日記」では、「政治家が弱体化したのは小選挙区制で有力政治家も落選するようになったからだろう」と書きましたが、小選挙区制では風に乗れば、地盤看板かばんが揃った有力政治家が落選して、新人の野党候補に票が集まって落選してしまう。新人の国会議員が多くなるのはいいように見えますが、小泉チルドレンのように次の選挙ではほとんどが落選して生き残りは少ない。
小選挙区制では固定票を持った人よりも浮動層の票を集める候補者が強いようだ。だから投票率が高くなると野党が大勝して政権交代が起きやすくなった。さらには党首の人気でも浮動層の投票は変わるから党首選びが大切になる。しかし民主党も自民党も人材が払底してしまって総理が務まるような人材がいなくなってしまった。
そんな中で松下政権塾出身の政治家が総理になり各大臣にも選ばれるようになり、松下政権塾時代がやってきたように見えます。しかし野田総理の政治姿勢は官僚に丸投げしたままであり、マニフェストに対する認識が甘いのは、政経塾出身者は政策に意外と弱いようだ。松下政権塾は大学を卒業してそのまま塾生となる人が多くて社会経験が無い人が多い。
宮沢総理の頃までは、官僚出身の政治家が総理への近道でしたが、最近では松下政経塾が総理への近道になったようだ。小選挙区制では二大政党に公認されないと無所属ではなかなか当選が出来ませんが、政経塾出身者もなかなか公認がもらえずに政界進出は難関でしたが、新党ブームと小選挙区制で塾生が立候補して当選できるようになり、現在では37名が松下政経塾出身者だ。うち26名が民主党議員であり10名が自民党議員だ。
経済コラムマガジンにも書かれているように、「その点政経塾出身者は大衆を相手にするのが得意である。例えば小選挙区制に変わって選挙に関わるマスコミの影響が大きくなったが、彼等はマスコミに対しても「そつ」がない。また政経塾出身者には見栄えが良い者が多く、見栄えが良くない場合でも演説がうまかったりする。」というように選挙に強い人材が選ばれている。
まさに松下政権塾は政治家へのエリートコースにもなりましたが、野田総理をはじめ前原氏や原口氏や松原氏や玄葉氏など大臣を輩出するまでになった。しかし彼らの業績としてはぱっとしたものが無く野田総理の官僚丸投げ政治は失望させるものだ。特に野田氏は松下政経塾一期生として期待が高まりましたが、現実の政治は予想以上に厳しいようだ。
政治家への道としてエリート養成機関を出てきたのだから政策に強いはずですが、官僚たちに理路整然と説明されると説得されてしまうようだ。官僚が東大法学部の出身者が多いのに対して松下政経塾では私立大学出身者が多い。東大法学部へのコンプレックスがあるせいなのだろうか?
自民党のような世襲の国会議員が多くなるよりかはましなのですが、政治家になること自体が目的化してしまって、総理になったとたんにマニフェストの事など忘れて官僚と横田幕府に丸投げ政治では松下政経塾の名を汚すものとなるだろう。彼らはテレビの前では颯爽としてカッコが良いのですが、現実の政治に突き当たると態度を変えてしまう。
前原氏にしても、発言した事に対して最後まで責任を持たずに逃げてしまう。偽メールにも簡単に引っかかってしまうしポスト野田政権の後を継ぐのは心配だ。
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