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核戦争に発展する怖れのある21世紀の戦争・テロを根絶する為には、人類の思想革命即ち人類の思想的な進化が必要不可欠であると言うこと。
2001年9月11日、米中枢同時テロの発生により、世界は大きく揺れていたが、遂に、ブッシュ米国大統領は、2001年10月7日、ホワイトハウスでのテレビ演説で、米英軍がアフガニスタンで米中枢同時テロの報復攻撃を開始したと正式発表すると同時に、米国民に対して「テロとの戦いが長期戦になる」とし忍耐を求めた。
テロ発生の主な原因として考えられる事は、先ず、米国が今日まで行ってきた、あまりにも自国の国益重視の外交政策の展開、いわゆる「覇権主義」に基づく不公平な外交処理の姿勢が挙げられる。世界ではじめて民主主義(国民主権主義)を根付かせた米国国民の勇気と努力は賞賛されるべきであるが、覇権主義は国際社会から排除されなくてはならない。更に、植民地体制清算の諸問題と見る事が出来るいわゆる「南北問題」や、冷戦後米国が強力に推進している経済政策いわゆる「グローバリゼーション」に起因する、資本主義経済体制下に於ける富裕と貧困とのあまりにも大きな乖離の存在、を挙げることが出来る。
今回のテロは、イスラエルの最大の擁護者である米国を憎むイスラム原理主義勢力の仕業と言われている。彼等は、ユダヤ資本の多くが集まるニューヨークを、ジュー(ユダヤ人)ヨークと呼んでいるとも言われている。イスラム原理主義者にとって、最も憤りを感じさせることは、サウジアラビアをはじめ、アラブ諸国の「米国の手先イスラエルの侵略に対して団結して抵抗しょうとしない米国への従属国ぶり」ではないだろうか。
我が国においても、終戦の際、米国が真に新生日本の民主化を望むのであれば、「人の上に人なく、人の下に人なし。」とする民主政治の平等主義に、基本的に馴染まない天皇制を廃止すべきであったのに、平穏裏に占領政策を実施するために昭和天皇を利用した事。更に、その後の朝鮮戦争勃発を契機に、本来、米国の押し付けにより誕生した日本国憲法9条の立法趣旨に反して、自国の戦略目的遂行のために、自衛隊の母体である警察予備隊を設立させた事などは、米国の覇権主義の顕著な証左に他ならない。
2001年9月20日夜、ブッシュ大統領が、連邦議会で行った演説は、「全ての証拠がビンラディンが率いるテロ組織・アルカイダにつながっている」と述べて、徹底した報復作戦の開始を宣言した。これに応えて、小泉純一郎首相は後方支援のための「自衛隊派遣」など7項目の対応策を発表した。法哲学を持たない内閣法制局の法匪連中が小泉政権と結託して、この機会に又もや屁理屈をならべて、憲法を改正しないまま、「テロ対策特別措置法」を拡張解釈することで、誤魔化しの手法でなし崩し的に、自衛隊の海外派兵や集団的自衛権の行使を事実上合法化することが予想されるが、憲法を冒涜する事は即ち法治国家日本の崩壊を意味することを日本国民は肝に銘じるべきである。(提言1参照)
ここに、日本国民は、憲法前文1項に謳われているとおり、日本国における主権者は、総理でもない、閣僚でもない、国会議員でもない、裁判官でもない、勿論天皇でもない、我々日本国民一人一人が、主権者であることを忘れてはならない。そこで、主権者である国民は、あらゆる機会を通じて、内閣であれ、国会であれ、裁判所であれ、片時も監視の目を緩めてはいけない。少しでも憲法違反の疑いがあるような行動を採った場合には、直ちに之を止めさせなくてはならない。これは国民の権利であると同時に義務である。権利と義務とは、表裏一体をなすものであるから、権利の行使だけでは駄目である。義務の履行を怠ってはならない。
如かして、今回の無差別テロは、「国際平和・安全への脅威」であることは勿論であるが、人道的見地からも絶対に許されない卑劣極まる蛮行である。将来的には核兵器や生物化学兵器を用いてのテロ活動が予想される。これは人類の滅亡を意味する。よって全世界の叡智を結集して、テロ発生の禍根を根絶する必要があることに異論を唱える者は居ないはずである。
米国人は一般論としては、陽気で正義感が強く好感が持てるが、反面米国の政治家には腹の据わった、悪く言えば腹黒い人物が多く見受けられる。例えば日本のハワイ奇襲に関して述べると、米国民の大半が当時は参戦反対の立場を執っていたにも拘わらず、多数の米国民(2,273人)を犠牲にしてまで、日本の真珠湾奇襲を事前に了知していながら秘匿且つ受忍して、米国民を参戦に奮い立たせた、フランクリン・D・ルーズベルト米国大統領(1882〜1945)や原爆を投下せしめて30万人を超える広島・長崎市民を虐殺した、トルーマン米国大統領(1884〜1972)の非人道的な行為には驚愕の他はない。他方、人道主義者のジョン・F・ケネディ米国大統領(1917〜1963)などは、すぐに暗殺されてしまうのが米国の実像である。
今日の米国政界は、新保守派と言われる頭脳集団と、それを支える多数のキリスト教原理主義者が、外交や国防、情報機関を支配し、イスラエルに対する支援と米国による世界支配を進めているものと見受けられる節がある。因みに、ブッシュ大統領はキリスト教原理主義を信奉するキリスト教徒である。厳格な政教分離の必要性を痛感する所以である。
更に、今回のテロも、米国の軍産複合体を維持するための黒い力や、石油資源の利権に絡む思惑が、背後で働いている嫌いがある。今後の国際情勢の推移をしっかりと見つめることで、テロ発生のメカニズムを洞察する必要がある。因みに、戦争が公共事業の米国は戦争を必要としているが、日本は必要としていない。
如かして、テロ根絶の具体的な方策であるが、先ず報復の連鎖を断つ為には、軍事行動の前にテロの首謀者特定作業や防止策の論議及び一般民衆への被害を最小限度に抑える議論が国連を中心に、もっと熱心に行われるべきである。そして、日本がそのリーダーとしての役目を果たすべき時である。テロに公正な処罰を求めるのは当然であるが、国益を最優先させる米国の世界戦略がテロ集団を育ててきたのも事実であるし、テロは米国への恨みの集積に他ならない。米国のパレスチナ問題に対する公平な外交政策や、難民対策並びに世界の貧困の差の解消を、米国を含めて各国が今回のテロを反省材料として、今後真摯に行わない限り、武力の行使だけではテロ根絶は不可能である。例えば、パレスチナ国家を創設してイスラエルとパレスチナの共存共栄を図る事は今日の緊急課題である。
なお、中谷防衛庁長官が湾岸戦争の轍を踏むべきではないとしきりに主唱しているので、湾岸戦争(1990年8月〜1991年4月)に付言する。当時、米国側から、守ろうとしているのは、ペルシャ湾の航行安全であるから、掃海艇や輸送船を出してくれ、湾岸に日の丸を見せてくれとの要請があったにも拘わらず、結局は、日本円で1兆5000億円の金員の支出に留まったがために、戦勝パーティにも招待されなかった。但し掃海に関しては停戦後、6月5日から海上自衛隊によるペルシャ湾の掃海作業が実施され成果を挙げた。(註、ショー・ザ・フラッグとは本来は旗幟を鮮明にして欲しいの慣用句である。誤訳した嫌いがある。)
巷間これを例えて、町内会でドブさらいをすることになった。各家庭が人を出した。町内で一番の金持ちだけは、「家訓により、そのような泥仕事には参加出来ない」と断る。ただ「皆さんの服が汚れたら、クリーニング代は負担しましょう。」に同じであると。そのとおりかも知れないが、例え話の中の「家訓」がどのくらい厳格に守られていたかが問題である。日本が家訓に相当する憲法9条を遵守して、自衛隊を設立せず、若しくは、解散させていれば、世界の良識は日本の立場を充分に了承したであろうが、日本は、憲法9条を無視して、自衛隊を設立育成してきた事実がある。よって、日本は肝心なときには自国の都合のよいように、憲法9条の遵守を盾に、国際協力を拒む姑息な国家であると、国際社会から蔑視されるのも、憲法9条を冒涜し続けた当然の報いである。軍隊である自衛隊が、危険な場所には行けないとか、武器弾薬を輸送できないとか、とんちんかんな議論を国会で為さざるを得ないのも亦当然の報いである。
世界に誇るべき平和憲法を戴く日本は、軍事的な貢献は憲法を改正しない限り不可能であるから、軍事分野以外の貢献を真剣に考慮するべきである。例えば軍事報復の結果生じる難民、負傷者に対し、アフガニスタンに近いパキスタンのペシャワルに国際救援隊や医療機関、NGOを大規模に展開するべきである。そして軍事報復終了後のアフガニスタンに、国連主導に依る主権在民の新しい民主主義国家が建設されるよう、日本は国連と連携を図りながら、APEC(アジア太平洋経済協力会議)で国際公約した復興支援に、最大限の努力をなすべきである。前時代的な、ザヒル・シャー元アフガニスタン国王を担ぎ出すような愚挙をなさしめてはいけない。軍事以外で貢献出来ることに全力を注ぐ事により、これが日本が出来る国際貢献であることを世界に訴える他は無い。
さて、テロ(terrorism)とは、組織的暴力を意味し、特定の政治目標を掲げる場合が多いが、高度科学技術時代のテロは多様性を帯びてきた。地下鉄サリン事件のような生物化学兵器テロ、コンピューターネットワークに侵入し社会全体を破壊しかねないサイバーテロ等、今回のテロを含めて今後多様化することが予想される。テロ防止策の根本は、テロを生み出さない社会を創ることに尽きる。
因みに、イスラームのいわゆる「ジハード」はアラビア語のジャーハダ(彼は努力した)から出たもので、クーウード(怠慢、無気力、ぐうたら)の反語である。本来広義には、人生に前向きに全力投球で取り組む、つまり畢生の力を振り絞って働く事を意味するとされている。ジハードを狭義に限定した場合には、「聖戦」と訳されているが、これは、不正不義邪悪な、思想・行為・社会状況・国家事態、に対して敢然と身を挺して闘争する事を言う。勿論聖戦に於いては、非戦闘員特に婦女子の殺傷は禁止されており、反撃行為には比例の原則の適用があるとされている。
更に、今般の米中枢同時テロは、実行犯が、誤ったジハード思想に完全に洗脳された確信犯である事が、人類にとって最大の問題点である。我々は戦時中の日本の特攻隊員を思い起こさずにはいられない。幼少より軍国主義教育を受けて、八紘一宇(はっこういちう)を夢見る狂信的な神国主義思想に完全に洗脳された純真な若者達は、一途に祖国日本の安泰を願って、爆装した飛行機を操縦して米艦に突入したものである。自己の貴い生命を犠牲にして、天皇の為・祖国日本の為・日本国民の為・家族親族知己の為に、自ら志願し且つ悦んで従容として戦場の華と散ったのである。(提言4参照)
これは、教育による洗脳・マインドコントロールの凄さと怖さを立証する歴史的な事実である。平和憲法を戴く日本国民は、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献するべき使命を持つものであるが、この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。若かして、教育は、人間を洗脳・マインドコントロールする力を持った「もろ刃の剣」である事を、吾人は肝に銘ずるべきである。人間はいつたい何の目的でこの世に生まれて来たのか?21世紀の教育は正に、この原点に立ってなされなくてはならない。
ここに、地球規模の問題を考える国際組織、インターアクション・カウンシル(IAC)の専門家会議の発表によると、戦争・テロの最大の犠牲者は子供達であり、5歳から14歳の子供のうち2億5千万人が働かされている。2千万人が紛争などで家を追われ、戦場に送り込まれる子供兵士は30万人にのぼる。教育を受けられずにいる児童は数知れない。なお、専門家会議の試算によれば、世界の軍事費の4日分で、地球上のすべての子供が読み書きの機会を得られるとのことである。戦争・テロ根絶の必要性を痛感させられる所以である。
再度述べると、今後の戦争・テロは、核兵器使用や生物化学兵器使用に発展することが予想されるが、これは、人類の滅亡を意味する。如何なる理由であれ、戦争・テロを正当化するが如きイデオロギーを、地球上から払拭する必要性が強く求められる所以である。この目的達成のためには、偏狭な祖国愛・民族愛ではなくて、崇高な人類愛に基づく、世界平和を究極の目的とした、イデオロギーの確立即ち思想革命(人類の思想的な進化)の樹立こそが、21世紀の人類に課せられた最大の命題であることに、吾人は覚醒せざる可からず。
日本国憲法の基本理念である、国民主権主義・基本的人権尊重主義・絶対平和主義は正に人類の思想進化の台頭と見る事が出来る。近代憲法が打ち立てた重要な原則の一つである政教分離の原則(憲法20条・89条)も亦然り。更には、カトリック系過激派組織・アイルランド共和軍(IRA)の武装解除への進展も、人類の思想進化の一例と見る事が出来る。
今日の自然科学は、ミトコンドリアDNAの解析により人類のルーツを探求した結果、「現在地球上に生存している、現代人共通の祖先は、20万年前アフリカに現れた、一人のアフリカ人女性である」と言う科学的な結論を出している。
人は皆、造物主(神)の分身として、人種の差別・身分の上下・職業の貴賎などあるはずも無い、お互いに尊重されるべき存在である。そして、大宇宙の中の運命共同体としての宇宙船・地球号の乗組員である。この宇宙船である地球を大宇宙の楽園となすべき使命を自覚して、思想革命に基づいた人類の叡智を存分に駆使する事によって、人類に平和と繁栄をもたらす責務がある事を吾人は肝に銘ずるべきである。地球上の人類が挙ってこの使命を自覚しない限り戦争・テロを地球上から根絶する事は絶対に不可能である。
新千年紀(ミレニアム)を迎えた人類は、戦争・テロは人類が過去に犯した大きな過ちであった事を自覚すると共に且つ深く反省して、政治のみならず有らゆる分野に亘って、地球的視点で思考する地球市民としての自覚と矜持を持つ事により、世界連邦から地球共和国へと、栄誉ある進化を為さざる可からず。「狭義の国家」の束縛から脱皮して、「広義の国家」つまり地球単位の民主主義国家、「地球共和国」設立の夢を開花さすべく、思想革命(思想の進化)を為さざる可からず。
ノルウェーのノーベル賞委員会は、2001年のノーベル平和賞を、国際連合(本部ニューヨーク)とコフィ・アッタ・アナン事務総長に授与すると発表した。これは、戦争の概念を変えてしまったテロに対する国連の今後の活動、役割に対する世界の期待を代弁したものである。
なお、今回のテロをイスラム世界との文明の衝突と見るのは間違いである。イスラム教とテロを結びつけるのは、偉大な文芸を生み出してきたイスラム文明への侮辱である。テロは文明と野蛮との対決である。キリスト教は16世紀の宗教改革の試練を、ユダヤ教も18世紀の啓蒙主義の試練を夫々乗り越えて近代化して来た。イスラム教も近代化の努力を為すべきである。イスラム教が近代化すれば、中東はじめイスラム世界は発展する。
今般の米中枢テロ発生を契機として、願わくば世界の識者の叡智の結集が、各国の国際協調主義の進展を促がし、更には、国際連合を母体としての世界連邦から、地球共和国建設への萌芽にまで止揚されん事を。
http://www12.bb-west.ne.jp/matuoka/
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