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2012-02-03
既にあちこちで論評されていますが、朝日新聞が国債暴落の危機を煽っています。
昨日付で、こう報じています。(http://www.asahi.com/business/update/0202/TKY201202010846.html)
数年後の国債急落を想定 三菱UFJ銀が危機シナリオ
銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を初めて作ったことがわかった。数年後に価格が急落(金利が急騰)して金利が数%にはね上がり、損を少なくするために短期間に数兆円の国債を売らざるを得なくなることもある、としている。国債の有力な買い手がいよいよ「急落シナリオ」を想定し始めた。
日本政府の借金総額は約1千兆円あり、このうち国債を発行して投資家から借りているのは約750兆円(昨年9月末時点、日本銀行調べ)。国債の9割超は国内で買われ、4割を銀行が持っている。とくに三菱東京UFJはゆうちょ銀行を除いて最大の約42兆円を持ち、国債を売買する債券市場への影響力が大きい。
計画は昨年末にまとまった。日本の経済成長率や経常収支、為替など30指標をチェックし、国債急落につながる変化があれば損失を軽くするために売却などの対応をとる。≫
あらゆるリスクに備えるのは、民間銀行として当然の責務ですが、一銀行の危機管理計画を大新聞が仰々しく採り上げたのは意図があってのことで、財務省のお先棒を担いでいると言われても仕方ありません。
この記事の目的が財政危機を煽るためであることは、同じ日の別の紙面で「国債暴落に備えよ」と題し、一橋大の小林慶一郎教授のインタビューを掲載していることからも明らかです。
小林氏の主張は、以下の通りです。(「Go out of Japan and return to Japan 」)
http://toshimichi1106.blogspot.com/2012/02/facebook.html
・財政破綻の前に国債の価格が急落する
・国債価格が急落すると、インフレになる。銀行の貸しはがしや貸し渋りが起き、深刻な不況となる
・現在日本国債が暴落していないことこそ謎
・増税が必要だが、民主主義の限界があり増税に難渋している。政治的思惑に影響されずに、専門家が中立な立場で将来の財政を考える機関が必要。50年、100年の財政を推計し、それをもとに国民が広く議論すべき
・破綻時のダメージを緩和する政策が必要。たとえば対外資産を大量に買い入れる基金を官民で作る
小林慶一郎氏は、元通産官僚で朝日新聞の客員論説委員をしていたこともあり、朝日にとっては使いやすい人物です。ロックフェラー系のシカゴ大学大学院に行っていますから、その素性は知れたも同然です。
我国の国債が殆ど国内で買われていることは誰でも知っており、この状態が続けば財政破綻など起きようもありません。そこで破綻論者たちは、国債の国内消費はいつまでも続かない、このまま財政が悪化すれば信用を失って国債の金利がハネ上がる、そうなったらお終いだと囃し立てています。
ポイントは国債の金利にあるのですが、破綻論者たちが敢えて言及しない事柄があります。国債には色々な種類があって、大きく分けると固定金利のものと変動金利のものがあります。金利の影響を直接受けるのは変動金利型のもので、固定利付債の方は影響を受けません。幸いなことに、変動利付債は余り多くありません。(「http://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2011/saimu3-1-3.pdf」参照)
もちろん、金利が上昇すれば、国債の償還がスムーズに行かなくなり、国債発行もやり難くなるでしょう。しかし、だからと言って直ぐに財政破綻に陥ると騒ぎ立てるのは、底意があるとしか思えません。
小林氏は、出来るだけ早く消費税を25%に上げるべきだととんでもない提案をしていますが、そんなことをしたらGDPが激減して、国債の格付けが下げられるに決まっています。財政破綻を回避すべく消費税を上げろと言っている人たちは、国債が暴落することを望んでいるのでしょうか?
最も望ましい政策は、天下り根絶などにより財政の無駄を省き、それで浮いたお金で景気対策を打つことです。デフレを容認している日銀の体制を一新して、量的緩和を促進することも必要です。財政再建は、毎年15兆円償還されているはずの米国債を国内へ還流させればよいでしょう。(現状では借り換えて米国債のまま所持し、莫大な為替差損を発生させています。米国が換金することを禁じているためです)
国会では、野党が与党民主党を追及する姿勢を見せていますが形だけで、茶番劇に過ぎません。民主党のマニフェスト違反を指摘することはあっても、天下り根絶は誰も触れようとしません。彼らは皆、特権階級としてスクラムを組んでいますから、ヤジを飛ばしたところで、内輪もめの域を出ていないのです。
いっそのこと破綻した方がよいと思う人が増えているようですが、この体たらくでは無理もありません。破綻して最も損失を被るのは特権階級ですから、ヘッジファンドなどの思惑に乗った振りをするのも選択肢の一つかも知れませんが、そうなる前に国外へ逃げ出していることでしょう。彼らは色んな意味で日本人じゃありませんから。
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