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昨日のコラムを裏付けるような報道 三菱UFJ銀行が国債暴落の想定シナリオ
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/01807a246bcddddd912e58bc7964b991
2012年02月03日 世相を斬る あいば達也
先ずは日本の国債暴落に関する記事を読んでいただこう。
≪ 数年後の国債急落を想定 三菱UFJ銀が危機シナリオ
銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を初めて作ったことがわかった。数年後に価格が急落(金利が急騰)して金利が数%にはね上がり、損を少なくするために短期間に数兆円の国債を売らざるを得なくなることもある、としている。国債の有力な買い手がいよいよ「急落シナリオ」を想定し始めた。
日本政府の借金総額は約1千兆円あり、このうち国債を発行して投資家から借りているのは約750兆円(昨年9月末時点、日本銀行調べ)。国債の9割超は国内で買われ、4割を銀行が持っている。とくに三菱東京UFJはゆうちょ銀行を除いて最大の約42兆円を持ち、国債を売買する債券市場への影響力が大きい。
計画は昨年末にまとまった。日本の経済成長率や経常収支、為替など30指標をチェックし、国債急落につながる変化があれば損失を軽くするために売却などの対応をとる。≫ 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0202/TKY201202010846.html
朝日がこの三菱UFJ銀の試算を嬉しそうに報道するのにはわけがある。財政赤字を減らす方策を政府が早急に打ち立て、それを不退転の決意で実行する政治が不可欠だと云う財務省及びその子分野田佳彦の消費増税にエールを送るためになされた報道である。三菱UFJ銀の幾つかのシナリオの中の一つに過ぎないであろうが、敢えて“国債暴落シナリオ”にスポットを当てたと云うだけのことだ。
日本の国債の90%を国内の金融機関が所持している事が、世界各国の国債信認度と大きく異なる点である事は、知識層は知っている。しかし、多くの愚民は、海外の投資家などが購入し、所持していると思い込んでいる。だから、国際金融の回し者格付け企業の日本国債の“格下げ”に一喜一憂するだけのことなのだ。
ただ、昨日のコラムで言及したように、財務省と野田政権による消費増税の為だけに政権を弄ぶような事態が継続した場合、現在の日本の国債を取巻く環境が一変するリスクは充分にある。現在の日銀のスタンスはデフレ容認姿勢から一歩も踏み出していないし、財務省は根本的単に財源を多くしたいだけの省庁なので、経済成長自体に興味を持たない。本来であれば、経済産業省が経済成長戦力を立て、その推進をするべき立場なのだが、原発電力問題で手いっぱいで、経済成長分野への推進力は期待できない。
つまり、現状の円高、デフレ不況を打破する糸口は、殆ど存在しない。ここに、消費を冷やす効果しかない消費増税が圧し掛かるわけだから、更なる不況のリスクは大きくなるばかりだし、経済成長する政策が打たれる可能性はゼロに近い。成長といえるかどうか別にして、期待は復旧復興に回される財政出動分に限られるのだが、ことの他真水の少ない復旧予算の為、公共事業としては落札率も低く、インパクトを持って経済をけん引するほどのパワーは見せていない。
日本の国債は国内の金融機関が国債を買っているといっても、回りまわれば、日本の国民や企業が間接的に日本の国債を買っていると云うことだ。つまり、日本国家は、国民と国内企業から借金を750兆円しているということだ。つまり、国民の金融資産から借金をしているだけの事である。故に、国民一人当たり600万以上していると云う話は真っ赤な嘘である。政府が借金しているだけで、国民は借金をしていない。単純な言い方をすると、国家は破綻しても、国民は金持ちと云う状態は維持される。奇妙だが、そう云うことだ。(笑)
しかし、社会保障の実体も見せずに、この儘増税だけが先行した場合、日本経済は一層の冷え込みを見せ、金はあるが国内に魅力的投資先の確保が困難になる。そうなると、企業の留保資金や富裕層のキャッシュが海外に流出する動きが加速する。所謂キャピタル・フライト現象が起きるのである。こうなると、日本国債を買い支えていた国富が海外に流出するので、当然国内金融機関は日本国債を買う資金を失ってゆく。このような状況になれば、国際価格が低下し、金利は日銀の金融緩和に関わらず上昇する。そのような状況になれば、三菱UFJ銀の試算は現実味を増すことになる。
グローバル経済においては、このような日本国債の危機を見計らって、海外ファンドが日本国債目標に売りを浴びせ、更なる国債価格低下と金利の上昇局面を迎えると云うことだ。キャピタル・フライト現象が起きない限り、ハゲタカファンドの売り浴びせは怖くないのだが、国内資金が海外流出する局面におけるハゲタカの仕掛けは怖い。こうなると、現在の日本には、金融政策を一元的にリードするセクションがないために、雪崩を打って国債を中心とする金融パニックが起きる可能性が高い。
パニックが起きてしまうと、実は健全性を保っている国家的資産があっても、その時点では役に立たない。売りが売りを誘う展開は悪夢である。俗に言う、国家の黒字倒産だ。日本国家の経済的沈没だが、面白いことに裕福な国民一人ひとりは海外に資産を流動させているので、沈没はしない。しかし、富裕ではない国民は自転車操業をしているわけだから、国家と共に沈没の憂き目に出遭うと云うことだ。
このように書いてきて気づくのだが、財政の健全化を主張している国民層は、霞が関にせよ、経済界にせよ、マスメディアにせよ、それなりの富裕層なのだから奇妙だ。財政の健全化を政治の目的にさせてしまった国民層は、猪突猛進の馬鹿た経済政策が国債デフォルトのリスクを感じた瞬間に、いち早く資金を海外に流出させられる立場に居る人々だと云うことだ。職を失うリスクも少なく、情報をインサイダー的に早目にキャッチアップ出来、流動資金を持ち得る層だけが怪我をしないことになる。取り残された、情報弱者、愚民層、自転車操業生活集団。彼らだけが割を食う、笑い話のような政策が、今まさに野田政権によって推進されているということになる。
なんとも罪作りな政権であり、霞が関である。多くの国民を不幸のどん底に落とすために、政権を弄んでいるのだから、なんともはやだ。しかし、多くの人々が、財政健全化は必要だ、と云うプロパガンダを信じている以上、注意喚起も暖簾に腕押しである。筆者も、野田馬鹿の消費増税が成立するような時は、僅かな資金であるが海外に流出させることにしようと思う。何処の国債が良いのか?やはり現物の金地金が良いのか?これから考える事にする。(笑)
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