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31日の参院予算委員会の質疑の様子をNHKテレビで視た。テレビのスイッチを入れたのは、公明党の浜田昌良議員がTPPに関連して質問しているところであった。アセアン10ヶ国とプラス3の日本、中国、韓国、それにアセアン以外のTPP参加国である米国・豪州・ニュージーランド・チリ・ペルー、TPPに参加しない環太平洋国であるカナダ・メキシコとインドを加えた21ヶ国のデータが示されていた。
浜田議員は、米国を除くTPP参加国の国内経済に占める輸出の割合が著しく高いことを指摘した。つまりTPP参加国は、米国を除き対米輸出の増加を望む国々だと暗に示唆したのだろう。また、アジア太平洋地域の自由貿易圏を成立させると言いながら、潜在的に経済成長率が高い、つまり人口の多い中国・インド・インドネシアなどの国々がTPPに参加しないことの矛盾を突いた。
国会審議を通して、また一つ野田内閣の「嘘」が明らかになった。それは玄葉外相が「アジア太平洋の40億人を日本の内需と考え、外に目を開いてTPPで打って出ないと、子供や孫達に豊かさを引き継げない」と述べた「嘘」である。浜田議員の上記指摘に対し、野田首相は、環太平洋(=TPP)とアジア(=中国+インドなど)との両方に軸足を置いていかねばならないと答弁したのだ。
何を言うかである。この答弁は明らかに、米国中心のTPP参加諸国と、中国・インドなどこれからさらなる経済発展が期待されるアジア諸国と、二つ経済圏を認識していることを示す。つまりTPPとは、米国中心の環太平洋経済ブロックであることを意味している。国会審議を通して、今後、さらにそのことが明白になるだろう。それはさて置き、今一つが表題の件である。
社民党福島代表が質問に立ち、TPPに関するアメリカでの公聴会の議事録を基にして、既に参加9ヶ国の間で条文案が出来上がっていると報告されていると指摘した。そして、既に条文案が出来上がっている処に日本が参加して、その条文案を改変できるのかという、まことに尤もな質問をした。玄葉外相は、条文案を作成するタイミングが合えば、日本に有利に条文案を作成するとしか回答出来なかった。つまり、既に出来上がっている条文案を、日本は呑まされるということである。
福島氏は、議事録を見る限り米国のターゲットは日本の「コメ」であると指摘した。そして氏は、野田首相に日本の「コメ」を守って下さいと迫った。これに対し、玄葉外相が、「首相は既に『美しい農村を守り抜く』と仰っている」という答弁をした。この外相答弁は、誰が聞いてもアホとしか言えないものだ。福島氏がこれでは収まるはずがない。再び「総理、日本のコメを守ると言って下さい」と迫ったのだ。
これに対する首相答弁は「守るべきものは守る」であった。これで収まる訳はない。福島氏は、さらに二度、三度と「コメを守ると言って下さい」と繰り返し迫ったが、野田首相は最後まで、「コメを守る」とは答弁しなかった。しかも「守るべきもの」が何かについても、一切具体的なことを言わなかった。
首相は、昨年11月のTPP問題についての国会審議の時も、ISD条項について無知であったことを示した。この福島氏のへの答弁を見ても、TPP参加交渉に臨む前に、「国益は何か」とか、「国として守るべきもの」とか、そういうことを真剣に検討をしているとは思えないのだ。これまでの国会答弁の中身だけで、TPPに参加したなら、まさに「飛んで火に入る夏の虫」となることは間違いない。
TPPは農業問題だけではないが、「コメ」は日本の農業の象徴であると共に、日本人の「主食」である。また、米国産の「コメ」が安くて美味いのは、厳然たる事実でもある。このようなことを踏まえ、日本の首相なら「コメ」について確りした哲学を持って然るべきだ。処がそれを持たないから、確たる答弁ができない。そういう者に日本の将来を託すことはできない。テレビを視てつくづくそう思ったのである。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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